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インバウンド ■第2692号《2013年2月16日(土)発行》    
 

ムスリム旅行者、官民で受け入れ充実へ

 マレーシア、インドネシアからの訪日旅行者数が増加している。経済成長に伴って中間層、富裕層の拡大が見込まれる注目の市場だ。訪日誘致の課題は、人口の多くを占めるムスリム(イスラム教徒)への対応。ムスリム旅行者の受け入れには、信仰、戒律に基づく食事「ハラルフード」や礼拝への配慮が欠かせない。受け入れ態勢の整備を急ごうと、官民を挙げて取り組みが始まっている。

 マレーシアからの2012年の訪日客数は約13万人で、ビジット・ジャパン事業を開始した03年に比べて99.3%増とほぼ倍増。インドネシアは約10万2千人で03年に比べて57.2%の増加。両国に対しては12年に一般短期滞在数次査証(ビザ)の発給が開始された。

 観光庁、日本政府観光局(JNTO)によると、人口はマレーシアが約2900万人、インドネシアが約2億4100万人。世帯の可処分所得が年間1万5千ドルを超える中間層と富裕層は、両国で09年には約2500万人と推計されるが、20年には1億人を上回ると予想されている。

 中華系に加え、ムスリム系の旅行市場が活性化している。ムスリム人口はマレーシアが約1700万人、インドネシアが約2億人に上る。ムスリム旅行者の誘致拡大のかぎを握るのが受け入れ態勢。信仰に基づく生活を旅行中も実践できる環境が必要とされている。

 韓国や台湾、豪州などがムスリム市場の取り込みに乗り出す中、観光庁とJNTOは、国内の受け入れ態勢の整備を促そうと、今月1日にムスリムツーリズムセミナーを東京都内で開いた。定員の200人を超える参加希望者があり、観光業界の関心の高さをうかがわせた。

 セミナーで話題を集めたテーマがハラルフード。ムスリムの人々はイスラムの教えに基づき豚肉やアルコールを摂取しない。旅行者には、「合法の」「許された」の意味を持つハラルと認められた食べ物の提供に配慮する必要がある。非イスラム圏域の飲食店を対象にハラルフードの提供施設であることを認証する機関も存在する。

 ハラルフードへの対応は日本国内でも始まっている。リゾートホテルなどを展開する加森観光(札幌市)は12年10月、ハラルフードの認証を手がけるマレーシアハラルコーポレーションからルスツリゾート(北海道留寿都村)など5施設が適合施設として認められた。マレーシアなどのムスリム旅行者の受け入れに生かしている。

 観光庁などが開いたセミナーでは、ハラルフードの概要、観光事業者や自治体などの取り組みが紹介された。ハラルフードの実践の厳格さにはムスリムの間にも個人差があることのほか、ハラルフードへの理解や準備は不可欠だが、一般の旅行者に接するのと変わらない事前の情報提供やおもてなしの心こそが大切とする指摘もあった。

 セミナーで登壇した加森観光社長室長の仙野雅則氏は、ルスツリゾートでの取り組みについて「ハラルを守りながらも、北海道の食材を生かした和食料理でのおもてなしが基本」と説明し、「ハラルへの対応というのは、一般のお客さまへの対応の延長線上にあるものだ」と語った。

 ムスリム旅行者の受け入れに積極的な沖縄県からは、県文化観光スポーツ部観光振興課の山城憲一郎氏が登壇。「発地の旅行会社などに食事や礼拝に関して対応できる内容を十分に説明し、その上で旅行者に判断してもらえばいい。臆することはなく、喜んでもらおうというおもてなしの姿勢が大事」と指摘した。

 日本ASEAN(東南アジア諸国連合)友好協力40周年に当たる今年、観光庁やJNTOは、マレーシア、インドネシアへのプロモーションを強化している。3月にはマレーシア・クアラルンプールで開かれる旅行博に出展し、日本ハラル協会などの協力を得て作成した旅行者向けのガイドブックも配布する。

 ASEANからのムスリム旅行者の受け入れでは、国際機関の日本ASEANセンターが、宿泊施設や旅行会社を対象としたセミナーを行っている。昨年11月に東京で初開催し、3月にも東京で行う。自治体の希望に応じて地方でも開催する方針。4月には受け入れの要点をまとめた冊子(電子版)も公開する予定



JNTOがインバウンドフォーラム

 日本政府観光局(JNTO)はこのほど、地方自治体や観光事業者などの賛助団体・会員を対象とする第10回インバウンド旅行振興フォーラムを東京都内で開いた=写真。訪日外国人旅行者1千人の誘致に向け、市場の動向などを解説した。

 訪日市場全般の現状と展望について、JNTO海外プロモーション部の小堀守部長が説明。東日本大震災や原発事故からの回復状況では、シンガポールを除く東南アジアや台湾は順調で、韓国や香港、欧米、豪州も改善がみられ、伸張期に移行していると指摘した。

 回復が遅れ、成長が足踏み状態にある市場としてシンガポールと中国を挙げた。シンガポールは原発事故に伴う風評被害が長引き、団体企画旅行や家族旅行が低調。中国は尖閣諸島の問題が影響。ただ、中国は個人客への影響は比較的少なく、団体客の落ち込みも底を打ち、回復が期待されている。

 インバウンド環境の変化には、円高の緩和、オープンスカイ(航空自由化)やLCC(格安航空会社)の就航拡大、情報通信技術の多様化などを指摘。情報発信について小堀部長は「プロモーション手法に工夫が必要。地方自治体などの情報発信ではJNTOのウェブサイトやSNSも活用を」と呼びかけた。

 フォーラムの冒頭にはJNTOの松山良一理事長があいさつし、重視する取り組みに(1)質の向上と量(すそ野)の拡大=富裕層・中間層の取り込み、リピーター確保(2)受け入れ態勢の整備促進=インターネット接続のWiFi環境や海外カードに対応したATM(現金自動預け払い機)の普及(3)MICE(国際会議など)の拡充—を挙げ、「オールジャパンの態勢でプロモーションに取り組み、1千万人を実現したい」と述べた。

 海外事務所長らによる市場別の説明や個別相談会も行われた。



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