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旅館・ホテル ■第2695号《2013年3月9日(土)発行》    
 

日本旅館協会、女性経営者委員会の初会合開催
協会本部で開かれた女性経営者委員会の初会合

 日本旅館協会(佐藤義正会長)の専門委員会の一つとして、女性経営者委員会が新設され、初会合が2月28日に東京都千代田区の協会本部会議室で開かれた。委員は9人で、委員長には桑野和泉氏(大分・由布院玉の湯)を選出。協会運営や宿泊業の振興、地域づくりなどを議論し、正副会長会に事業のあり方などを提言していく。昨年10月に発足した旅館協会は、女性経営者の活躍による組織と宿泊業の活性化を期待している。

 副委員長には波木恵美氏(栃木・鬼怒川グランドホテル夢の季)を選出。委員は工藤冴子氏(北海道・温泉旅館矢野)、小口潔子氏(福島・四季彩一力)、萩原ひとみ氏(神奈川・ホテル精養軒)、江崎貴久氏(三重・旅館海月)、中西恭子氏(滋賀・須賀谷温泉)、奥村美恵氏(愛媛・大和屋別荘)、有村青子氏(鹿児島・指宿シーサイドホテル)。

 日本観光旅館連盟(日観連)と国際観光旅館連盟(国観連)の合併で発足した旅館協会は、協会事業の活性化策の一つとして、女性経営者に委員会への参加を呼びかけた。女性経営者が集う会合は、国観連では10年ほど前に開かれていたが、日・国観連ともに委員会は設置されていなかった。

 初会合で委員長の桑野氏は「多くの女性が地域で、宿泊業界で働いている。すてきな女性経営者もたくさんいる。その感性を生かして何をすべきか、委員会で議論し、発信していきたい」。副委員長の波木氏も「集まった委員の力を結集し、発揮することが大事」と語った。

 桑野氏は「地域でも、宿泊業界でも、女性はまだまだ力を出し切れていない」とも指摘。女性の参画は、昨年3月に閣議決定された観光立国推進基本計画でも課題に挙がっている。「観光分野における女性の役割は大きく、観光産業における経営についても、女性のより一層の参画が期待されている」として、政府全体で施策を実施すべきと明記されている。

 初会合には旅館協会の佐藤会長が出席し、「協会では国内旅行やインバウンドの振興、経営の改善・強化に取り組んでいるが、旅館業界の発展には女性の力、感性が必要だ。さまざまな課題を検討し提言してほしい」と期待。近兼孝休会長代行も「女性の感性を協会運営に生かし、宿泊産業の活性化につなげたい」と語った。

 宿泊業の経営にかかわる女性は少なくなく、地域づくりで中核的な役割を担っている女性も多い。経営者の資質に性別は関係ないとはいえ、旅館協会では役員73人のうち女性は3人(理事1人、監事2人)だけ。女性経営者の協会運営への参画が、宿泊業界に新風を吹き込むかもしれない。



東電、箱根旅組の原発風評被害賠償を認めず

 神奈川県の箱根温泉旅館協同組合(理事長、榎本孝弘・三河屋旅館社長、約100会員)が福島第1原発事故後の観光客減少を、風評被害の賠償対象に認めるよう要望している問題で、東京電力は1日、「対象エリアとすることは困難」と回答した。

 同旅組は昨年9月10日、東電に対し「原発事故に伴う観光業の風評被害の賠償エリア」として認定するよう、要望書を提出していた。風評被害により、総額52億円の損失があったとしている。

 東電の回答は、(1)箱根は福島県から200キロ以上離れている(2)風評被害を認定された地域とも「観光資源としての一体性」がない(3)放射線量がこれまで認定された地域より低い—などを挙げ、同組旅の要望を受け入れなかった。同旅組は「非常に残念な結果。今後の進め方については理事会で協議する」としている。




箱根小涌園ユネッサン、縁むすび風呂を新設


 箱根小涌園ユネッサン(神奈川県箱根町)の露天エリア(通称=湯〜とぴあ)が3日、リニューアルオープンした。東日本大震災の被災地、岩手県野田村で採取される鉱石を使った露天風呂「縁むすび風呂」=写真=と、「箱根温泉神社」「岩風呂」を新たに開設した。

 野田村の野田玉川鉱山で採取されるマンガン鉱石「マリンローズ」(バラ輝石)を露天風呂に設置した。石は国内では同鉱山でしか手に入らないもので、「人間関係をサポートするパワーがある」といわれる。施設を運営する藤田観光は震災後の東北復興支援を続けており、「今回の取り組みが東北地域の復興支援の一助となれば」と述べている。

 エリアには箱根神社の分霊をまつる箱根温泉神社と、かけ流し温泉の岩風呂もオープンした。




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