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旅館・ホテル ■第2697号《2013年3月30日(土)発行》
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福島の旅館女将が石破幹事長と面談、現状訴え
福島県の旅館女将5人が19日、自民党本部を訪れ、石破茂幹事長=写真右から3人目=と面談した
福島県旅館ホテル生活衛生同業組合に加盟する旅館女将5人が19日、福島県の観光業の現状と課題について報告するため、東京・平河町の自民党本部を訪れ、石破茂幹事長と面談した。東日本大震災と福島第1原発事故による風評被害で、修学旅行生が8割以上減少したままの現状を訴え、早期の対策を求めた。
訪問したのは女将会会長・若松佐代子さん(新つた)、片桐栄子さん(華の湯)、檜澤久子さん(ゆもとや)、山崎捷子さん(ニューパレス)、大平淑子さん(天地閣)。
石破幹事長、森まさこ内閣府特命担当相、元会津若松市長の管家一郎衆院議員らに「会津若松の放射線量はシンガポールと同じくらい低い。それを学校関係者に知ってもらいたい」と述べ、正確な情報の継続的な発信を求めた。
また、「NHK大河ドラマ『八重の桜』や来年から始まるプレデスティネーションキャンペーン(DC)、2015年のDCだけでは風評被害は払拭できない。観光で今のうちに経済効果を上げておかないと将来に続かない」と強調した。
マスコットキャラクターの「八重たん」をプレゼントされた石破幹事長は「福島の復興なくして、日本の復興はない」とし、党本部で福島キャンペーンをすると述べた。具体的にはポスターを張るなどして協力する。
女将らは復興庁も訪れ、根本匠復興相に「復興キャンペーンなどで各地に呼ばれるが、自腹で行っている。風評被害対策の観光PRに使える予算はどこに頼めばいいのか」などと質問。復興相は「風評被害対策のために関係省庁を集めたタスクフォースを組織し、政策をまとめて打ち出す。福島を中心に東北6県に継続して観光客を呼び込む努力をする」と述べた。
ホテル協会会長に帝国ホテル社長の小林氏
小林哲也氏
日本ホテル協会(会長・大橋寛治グランドハイアット東京会長、約245会員)は18日、東京・六本木のグランドハイアット東京で春季通常総会を開き、任期満了に伴う役員改選で、会長に小林哲也副会長(帝国ホテル社長・社長執行役員、67)、副会長に志村康洋常任理事(京王プラザホテル社長、63)を選任した。
総会の冒頭あいさつした大橋会長は、安倍内閣になり景気が好転している状況を踏まえ「企業、個人の需要喚起につながり、ホテル業界にも好循環が戻ってくることを期待している」と述べた。来賓として観光庁の志村格次長があいさつした。
2013年度の重点施策では、(1)ホテル事業にかかわる法律改正や税制改正などの動きに対応し、必要に応じて政府や行政庁に要望を行い、その実現を期すべく活動を展開する(2)人材育成、研修事業を高度化しつつ継続実施するとともに、会員のニーズに即したプログラムの開発や教育研修用のサービス基本マニュアルの見直しの必要性を検討する(3)インバウンド促進事業については、会員が有効なプロモーション活動を行える環境を整備する—などを掲げた。
また、防災面では「大規模地震の発生による災害を減災するために、耐震改修促進法の改正の動きも見られることから、その動向を見守りつつ、必要に応じて意見の提出を行う」とした。
小林 哲也氏
(こばやし・てつや)慶大法卒。1969年3月帝国ホテル入社。宿泊部長、取締役総合企画室長、常務、副社長などを経て、04年4月社長就任。09年4月から現職。11年3月からホテル協会副会長。新潟県出身。
旅館・ホテルの2月の倒産は9件、負債101億円
帝国データバンクによると、今年2月のホテル・旅館経営業者の倒産(負債1千万円以上の法的整理)は9件、負債総額は101億1900万円だった。件数は前月比5件増加(125.0%増)。前年同月比横ばい。負債総額は前月比37億6900万円増加(59.4%増)。前年同月比34億3500万円減少(25.3%減)した。
件数は4カ月連続で10件未満の1ケタ台となった。
負債総額は昨年8月以来、6カ月ぶりに100億円の大台を突破した。
1月からの累計は、件数が前年同期比10件減少(43.5%減)の13件。負債総額が同76億6200万円減少(31.8%減)の164億6900万円。
ホテリエ・オブ・ザ・イヤーに庭のホテル東京の木下氏
庭のホテル東京の木下彩氏(写真右)
宿泊業界出身の大学教授ら35人で構成する日本ホテル産業教育グループ(橋本忠昭会長=流通経済大学教授)は19日、ホテル産業に貢献した人物を表彰する「ホテリエ・オブ・ザ・イヤー2012」に「庭のホテル 東京」社長・総支配人の木下彩氏を選び、表彰した。
東京・水道橋の地で祖父が旅館を開業。業態転換でビジネスホテルの先駆けとして営業していた東京グリーンホテルを09年、「美しいモダンな和」をコンセプトにしたホテルに生まれ変わらせた。その独自性やサービス内容が国内外から高い評価を受けていることなどを評価した。
木下社長は「この賞の名誉に恥じないように今後も頑張っていきたい」と喜びを語った。同表彰は今年で9回目。女性の受賞は初めて。
木下社長は1960年生まれ。上智大学外国語学部を卒業後、ホテルニューオータニを経て東京グリーンホテルに入社。95年、社長に就いた。
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