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地域観光 ■第2699号《2013年4月13日(土)発行》
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京都市、観光客の避難誘導に指針策定
年間5千万人の観光客が訪れる京都市はこのほど、大規模災害時に自宅に戻ることができない「帰宅困難者」を安全に誘導する方針を定めた「観光地避難誘導取組指針」、市内各地区の具体的な避難誘導計画のひな型「観光地・地区避難誘導計画」を策定した。市防災危機管理室によると、特定の観光地で観光客を想定した帰宅困難者対策をとるのは全国で初めて。
市の試算では、大規模災害時に観光客13万人、全体で37万人の帰宅困難者が発生し、大きな混乱が生じる恐れがある。
指針によると、市は災害発生時「緊急速報メール」で一斉帰宅を抑制。地域で定めた一時滞留場所(オープンスペース)に、地域で定めた「運営担当者」が帰宅困難者を誘導する。その後、旅館やホテル、社寺が帰宅困難者に対し、備蓄物資、情報を提供。行政などは公共交通機関が運行を再開したことを確認した後、帰宅困難者の帰宅を支援する。
市では今年度、清水・祇園、嵯峨・嵐山の2地域で、自治連合会と自主防災会、社寺などの地域関係者による協議会を設置し、地域の事情に応じて具体的な避難場所や避難誘導方法などを示した誘導計画を策定する。
さらに、誘導看板の設置や日本語と英語、中国語、韓国語の4カ国語表記による避難誘導用チラシの作成、災害情報発信体制の整備にとりかかることにしている。
市は2年前から、観光客を含めた帰宅困難者対策の検討を始め、昨年12月に観光団体や社寺、鉄道会社、学識経験者らで構成する「帰宅困難者観光地対策協議会」を設置して具体的な検討を進めていた。
沖縄、空手映画のロケに協力、発祥地をPR
「琉球バトルロワイアル琉球空手騒動記」の撮影シーン
全編沖縄ロケの映画「琉球バトルロワイアル琉球空手騒動記」(岸本司監督、東映ビデオ・アマゾンラテルナ制作)が、今年秋に全国の劇場で公開される。アジア各国でも公開を予定。空手を題材にした長編映画で、沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の沖縄フィルムオフィスが撮影に協力した。
作品は、琉球空手の伝説的な逸話を題材とし、沖縄が空手の発祥の地であることを取り上げた。物語の舞台が沖縄であることから、全世界の空手愛好家をはじめ、国内外に広く「空手発祥地=沖縄」を発信することが期待されている。沖縄県とOCVBでは、空手をコンテンツとして、文化、観光、スポーツ振興に結び付けたい考え。
沖縄県とOCVB沖縄フィルムオフィスでは、海外で公開、放送される映像コンテンツ作品に対し沖縄撮影経費の一部を助成する海外コンテンツサポート事業を2010年度から実施している。空手をテーマにした同作品も制作予算の関係上、県外で撮影を行う予定だったが、助成金の支援により全編沖縄ロケが実現。支援は外部委員を含む選定委員会の審査を経て、2200万円の助成が決定した。ロケは今年2月に終了している。
みなとまちの3大学、観光教育で連携協定
協定書を交わす、(写真右から)吉島神戸夙川学院大学長、木村勝彦長崎国際大副学長、柴田横浜商科大学長
神戸夙川学院大(神戸市、吉島一彦学長)と長崎国際大(長崎県佐世保市、安部直樹学長)、横浜商科大(横浜市、柴田悟一学長)は7日、神戸夙川学院大で教育や地域振興に関する協定「みなとまち大学連携協定」を結んだ。観光分野の教育組織を持つ3大学が連携、協力することで教育、研究活動の深化を図るとともに、立地する「みなとまち」の活性化や教育・文化活動に寄与したい考えだ。
3大学はこれまで、全国高校生観光プランコンテスト「観光甲子園」の運営などで連携。さらに観光キャリア教育に関する共同事業を検討する中で、今回の協定締結を決めた。各大学とも観光分野に特化した大学間連携協定を結ぶのは初めて。
協定初年度となる今年度は2つの部会を中心に活動。高大連携部会では観光甲子園の広報面の充実などに取り組み、応募プラン数を昨年より約50プラン多い200プランに増やすことを目指す。地域連携部会においては、地域の観光関連団体や観光事業者などを巻き込んでの専門的な人材の育成や職業人の学び直しについて、各大学のノウハウの共有や共通教育プログラムの開発などを進める。
3大学が立地する横浜、神戸、佐世保は、クルーズ船が寄港することや外国人居住者が多いこと、県内に中華街があることなどの共通項がある一方で、港の利用の仕方や港町としてのあり方には違いがあり、その共通点や差異を生かした共同教育、研究活動が期待できる。
今後は教育、研究面での相互交流や学生、教員の交流も進め、将来的には各地域でのインターンシップの実施や単位互換制度の構築なども実現したい考え。また港町に立地し、地元密着型の観光教育を行っている他の高等教育機関との連携も模索していくという。
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