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観光行政 ■第2702号《2013年5月11日(土)発行》
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観光立国推進本部、外客1000万人達成へ施策策定
国土交通省の観光立国推進本部(本部長・太田昭宏国交相)は4月25日、訪日外国人旅行者1千万人を今年こそ達成し、その先の2千万人を見据えて観光立国を推進するため、国交省の全部局を挙げて取り組む外客誘致の施策を策定した。国交省が所管する幅広い政策分野の総合力の発揮を目指す。事業の開始から10周年を迎えたビジット・ジャパン(VJ)事業を強化するほか、交通分野、社会資本整備分野と連動した観光施策を充実させる。
国交省は観光施策の強化に取り組むとともに、必要な予算の確保に努める。関係省庁にまたがる施策に関しては、首相が主宰する観光立国推進閣僚会議を通じて政府一体で推進する。閣僚会議では観光立国の実現に向けたアクションプログラムを夏をめどに策定することになっている。
国交省が今回まとめた観光施策は、四つのテーマに施策を分類。「知ってもらう」として情報発信の強化、「来てもらう」として交通アクセスや査証(ビザ)などの改善、「満足してもらう」として受け入れ態勢の整備、「人と知恵、さらには投資をひきつける」として国際会議の誘致など。
知ってもらう施策では、VJ事業の高度化を目指し、海外進出企業などと連携した訪日プロモーションの拡大、日本政府観光局(JNTO)の体制強化に取り組む。また、VJ事業とクールジャパン事業を連動させ、海外でのテレビCMの放映などを含め、日本ブランドの発信に注力する。
来てもらう施策では、LCC(格安航空会社)やビジネスジェットの受け入れ促進、首都圏空港の整備を推進。クルーズの振興では、外国クルーズ船社が寄港を検討する際の一元的な窓口を港湾局が中心となって早期に設置する。査証の発給要件の緩和は、観光立国推進閣僚会議で検討していく課題だが、国交省では今年の1千万人達成に向けて夏にも一定の緩和を実現したい考え。
満足してもらう施策は、出入国手続きの円滑化、交通や滞在の環境整備、地域の魅力づくりと多岐にわたっている。観光産業の関係では、ツアーオペレーター認証制度の導入・充実、宿泊施設に関する設備・サービス内容の情報提供制度の普及を盛り込んだ。道路、鉄道、港湾の関係では、観光振興とインフラ整備を一体で進めるために連絡調整会議を早期に設置。また、離島観光の振興に向けて、新設した離島活性化交付金を生かす。
人と知恵、投資をひきつける施策では、国際会議などのMICEの開催、誘致に向けた取り組みを強化する。国際競争力の高いMICE都市の育成に支援策を打ち出すほか、会議やレセプションなどに文化施設などを開放するユニークべニューを推進する。
日本観光ポスターコンクール、国土交通大臣賞はJRグループに
国土交通大臣賞を受賞したJRグループの作品(全10枚組のうちの1枚)
日本観光振興協会はこのほど、第61回日本観光ポスターコンクール専門審査会を開き、国土交通大臣賞にJRグループが出品した岩手デスティネーションキャンペーン(DC)ポスター「東北で会おう。岩手で会おう。」を選んだ。6月12日に都内で開く通常総会で表彰式を行うほか、展覧会開催も予定している。
同コンクールは、観光宣伝ポスターの質的向上と国内観光振興の促進を目的に1947年から開始。昨年は東日本大震災の影響で中止、2年ぶりの実施に。「今回は選考過程にオンライン投票を導入し、消費者の視点を取り入れた」という。
全国から234作品の応募があり、52作品が1次審査を通過。同審査会はこの52作品を対象に専門的な観点から審査し、各賞を選んだ。委員には作家の伊集院静氏やJR九州の車体デザインなどを手がけた水戸岡鋭治氏らが名を連ねている。
国土交通大臣賞を受賞したJRの作品について伊集院氏は「写真とその中にいる人々が制作の意図を超えている作品で、非常にいい」とコメント。また、「登場している地元の方々からのメッセージがストレートに伝わってきて、心が熱くなった。作品の中でも特に感動的で、文句なしのグランプリ」との高い評価を受けた。
総務大臣賞は豊後高田市観光協会(大分県)の「千年ロマンポスター『再開NIPPON』」、観光庁長官賞は久留米観光コンベンション国際交流協会(福岡県)の「久留米観光ポスター『久留米物語』」、日観協会長賞はJR東日本の「新幹線YEAR2012『MOVE YOUR HEART』」が受賞した。
久留米物語については「文章が非常にいい。キャッチコピーがボディコピーをフォローしている」(伊集院氏)と評価された。
このほか、特別賞の東北応援賞にはブナの学校運営協議会(青森県、秋田県、JR東日本秋田支社)の「世界自然遺産 白神山地」が選ばれた。
また、審査員特別賞には山口観光キャンペーン推進協議会(山口県)、奈良市観光協会、函館市観光コンベンション部ブランド推進課(北海道)の3作品が選ばれた。
春の叙勲・褒章、観光関係では2人
政府は4月29日、春の叙勲、褒章の受章者を発表した。観光関係では厚生労働省、国土交通省の分で旅館の経営者2人が受章している。
旭日双光章(生活衛生功労)を元大分県旅館ホテル生活衛生同業組合理事長、つるみ観光(ホテル白菊)会長の西田友行氏(70)=大分県別府市=が受章した。
黄綬褒章(旅館業務精励)を元国際観光旅館連盟常務理事、国華荘(びわ湖花街道)会長の佐藤良治氏(73)=滋賀県大津市=が受章した。
国交省、観光関係功労者表彰式開く
国土交通省は4月24日、今年の観光関係功労者として、国交大臣表彰の表彰式を開いた=写真。観光関係の事業に長年精励し、顕著な功績を上げた経営者や従業員など25人を表彰した。
受賞者の業種別の内訳は、旅館業10人、ホテル業10人、旅行業4人、観光レストラン業1人。
旅館経営者を代表して登壇したのは、八木代表取締役社長の八木眞一郎氏(64)=福井県あわら市、旅館女将を代表して登壇したのは、いさご取締役の砂金美津子氏(77)=兵庫県神戸市。
太田昭宏国交相から表彰状を受け取った旅館経営者代表の八木氏は「賞に恥じないよう今後とも地域、観光産業の発展に精一杯がんばっていきたい」と話していた。
式辞では太田国交相が「皆さまが担っている観光産業は成長戦略の柱。今年は何としても訪日外国人旅行者1千万人を達成したい。引き続き観光立国の推進にご協力を賜りたい」と述べた。
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