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インバウンド ■第2704号《2013年5月25日(土)発行》
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観光庁、ASEAN対象に商談会
ASEAN6カ国の旅行会社が参加した
経済成長が著しい東南アジアの旅行需要を取り込もうと、ASEAN(東南アジア諸国連合)に加盟する6カ国の旅行会社など約120社を招待した訪日旅行商談会「Japan—ASEANトラベルマート」が17日、東京都内のホテルで開かれた。日本国内の観光関係企業・団体や自治体などが出展し、観光資源や旅行商品を売り込んだ。商談会を主催した観光庁では、6カ国合計の今年の誘致目標に前年比約3割増の100万人を掲げて、プロモーションを強化している。
今年の日本とASEANの友好協力40周年を踏まえた事業で、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、フィリピンから招請した。最多のタイが29社で、以下はベトナムが20社、インドネシアが18社など。
日本側の出展者は、全国の地方自治体や観光協会、旅館・ホテル、観光施設、旅行会社、運輸事業者など約200社。時間ごとに設定された個別商談と、6カ国の旅行会社が出展者ブースを巡る自由商談が併せて行われた。
尖閣諸島の問題を巡り、中国からの訪日旅行者が減少する中、国内の自治体、観光事業者の東南アジアに対する注目度は急上昇している。商談会に出展した山梨県富士河口湖町もその一つ。同町の山岸旅館、外川凱昭社長は「タイやインドネシアの観光客が増えている。すでにムスリム(イスラム教徒)の旅行者も多い。政府がビザ(査証)の要件緩和を実施すれば、さらに増加するだろう。受け入れ態勢を整備しようと、地域も動き出している」と話していた。
商談会に招請した6カ国の訪日旅行者数は合計で2011年が約50万人、12年が約78万人(タイが26万人、シンガポールが14万人、マレーシアが13万人、インドネシアが10万人、フィリピンが9万人、ベトナムが6万人)。各国ともに富裕層や中間層の拡大、LCC(格安航空会社)の就航などで海外旅行需要が増加している。
観光庁は、今年の100万人誘致に向けて、「東南アジア・訪日100万人プラン」のもとでプロモーションを強化している。東南アジアの旅行者にとって魅力とされる日本の四季や自然、料理、温泉、テーマパークなどをPR。広告宣伝や旅行博出展、旅行会社やメディアの招請などの事業を展開している。
また、海外のプロモーション拠点も増やす。東南アジアに設置されている日本政府観光局(JNTO)の海外事務所は、バンコクとシンガポールの2カ所だが、今年の夏をめどにジャカルタ(インドネシア)に開設。韓国など市場開拓で先行している競合国を踏まえ、誘致態勢を強化する。
ジャパニーズ・イン・グループ、ネット利用で誘客強化へ
福田会長
訪日外客を積極的に受け入れる比較的低廉な宿のグループ、ジャパニーズ・イン・グループ(福田金也会長=栃木県・タートル・イン・日光、65会員)は13日、東京のホテルJALシティ田町で総会を開き、インターネットを利用した誘客の強化、会員拡大、震災復興の三本柱からなる今年度事業計画を承認した。任期満了に伴う役員改選では、福田会長を再選した。
グループでは昨年12月に独自のオンライン予約システムを構築し、運営を開始。今年度はシステムの利用ほか、宿泊予約サイトのブッキングドットコムや口コミサイトのトリップアドバイザーと連携して誘客を強化する。
またグループのパンフレットやホームページを利用した会員の拡大も図る。
東日本大震災、福島第一原発事故でダメージを受けた東北地方の完全復興に向けた誘客事業も、ネットなどを通して行う。
懇親会で福田会長は「昨年は836万人と、2010年に次ぐ訪日外客数だった。しかし、グループにはそこまでの実感がない。2010年と昨年の受け入れ実績を比較すると、多くの施設が15から20%の減少となっている。ただ、今年度はほとんどが震災前を上回り、欧州などから予約サイトを利用したお客さまが増えている。ネットを通じてグループ施設をPRし、1人でも多くのお客さまを受け入れるよう努めていきたい」とあいさつした。
来賓からは、観光庁の井手憲文長官、日本政府観光局(JNTO)の神保憲二理事、日本観光振興協会の野口英明常務理事があいさつ。「グループ34年の今までのご努力に敬意を表する」「FITのお客さまが増えており、グループ旅館のおもてなしがますます重要になってくる」と述べた。
【新役員】
(敬称略)
顧問=飛田克夫(東京都台東区・旅館浅草指月)▽会長=福田金也(栃木県日光市・タートル・イン・日光)▽副会長=宮阪和久(長野県山ノ内町・魚敏旅館)、鈴木隆徳(東京都台東区・桜旅館)
中国3県とJR西、外客誘致へ7月からキャンペーン
鳥取県、島根県、岡山県とJR西日本は、境港や米子空港、岡山空港を利用して来日する韓国、台湾、香港からの観光客を増やそうと、「山陰・岡山キャンペーン」を7月1日から来年2月28日まで展開する。山陰・岡山エリアの観光地や歓迎特典をアピールし、周遊客の誘致につなげる。
地方空港などをイン・アウトの玄関口として、東アジア地域からの観光客誘致を目指すキャンペーン。
山陰エリアでは、外国人観光客を対象に3時間を千円の料金で利用できる「鳥取市1000円タクシー」を鳥取駅から運行するほか、米子駅から金曜限定で、大山山麓の観光地を周遊するバスツアー「FOUR SEASONS OF Mt.Daisen Bus Tour」を実施する。人気スポットの松江城や石見銀山では、英語ガイドを予約制で無料提供する。
岡山エリアでは、岡山後楽園で夜間の特別開園を実施するほか、岡山後楽園と岡山城を合わせて英語ガイドを予約制で無料提供する。
両エリアでは、このほかにもイベントや限定特典を用意し、3県、JR西日本が連携して情報発信していく。
また、JR西日本では、外国人観光客を対象にした山陰と岡山エリアのJRが乗り降り自由になる「JRウエストレールパス(山陰・岡山エリアパス)」を期間限定で発売する。
このパスは、指定のエリア内のJRの特急列車や快速・普通列車の普通車自由席に、有効期間内であれば何度でも乗車できる。有効期間は連続した3日間。料金は大人が4千円、小児が2千円(小児は6歳以上11歳以下)。
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