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観光行政 ■第2706号《2013年6月8日(土)発行》
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日台観光サミット開催、「三重宣言」を採択
三重宣言の合意文書を手にする西田会長(左)と頼会長
日本と台湾の観光関連団体トップらが一堂に会し、相互交流の促進などについて話し合う「2013日台観光サミットin三重」が5月31日、志摩市の合歓の里ホテル&リゾートで開かれ、16年までに相互交流人口400万人を目指す「三重宣言」を採択した。次回は来年、台湾の屏東県で開く。
同サミットは通算6回目。日本での開催は静岡、石川に次いで3回目となる。主催は日本側が日台観光推進協議会(会長、西田厚聰・日本観光振興協会会長)、台湾側は台日観光推進協議会(同、頼瑟珍・台湾観光協会会長)で、双方から計約200人が出席した。
冒頭あいさつした西田会長は「11年に発効したオープンスカイによる航空路線の新規開設や既存路線の増便が奏功し、日台間の相互交流人口は昨年、過去最高の290万人(訪日台湾人約147万人、訪台日本人約143万人)を記録した。日台間は古くからの友情と信頼関係があり、相互交流の成長の余地は大きいものがある」と述べた。
頼会長は「相互交流人口400万人も夢ではない」と応じ、日台間の今後に期待を寄せた。
来賓あいさつでは井手憲文観光庁長官、台湾の大使館に相当する台北駐日経済文化代表処の沈斯淳代表、台湾交通部観光局の謝謂君局長、三重県の鈴木英敬知事が行ったほか、安倍晋三首相からのビデオメッセージも披露された。
会議では、頼会長から相互交流人口400万人を新たな目標とすることが発案され、出席から賛同を得た。その後、双方から特産品や日本と台湾で同じ漢字を使った地名を生かした観光振興策の提案など、日台の地域間交流をさらに強化することについて議論が行われ、最後に三重宣言を採択した。
2011年の旅行消費額は22.4兆円、前年比4%減
観光庁は5月29日、統計調査に基づいた2011年の旅行消費額(確定値)を発表した。観光、帰省、ビジネスを含めた国内の旅行消費額は22兆4千億円で、前年に比べて4.3%減少した。日本人の国内宿泊旅行の延べ旅行者数、旅行単価がともに減少したほか、東日本大震災の発生などを受けて訪日外国人の旅行者数が減少し、前年を下回る消費額となった。
国内の旅行消費額22兆4千億円の内訳は、日本人の国内宿泊旅行が前年比4.1%減の15兆1千億円(全体に占める構成比67.5%)、日本人の国内日帰り旅行が同2.3%減の4兆9千億円(同22.1%)、日本人の海外旅行(国内消費分)が同7.4%増の1兆3千億円、訪日外国人旅行が同25.9%減の1兆円(同4.5%)。
構成比が最も大きい日本人の国内宿泊旅行の消費額は、延べ旅行者数が31億4千万人で前年に比べて1.3%減少し、旅行単価も4万7149円で前年に比べて2.6%減少したことで前年を下回った。下げ幅が大きい訪日外国人の旅行消費額は、訪日外客数が621万9千人で前年に比べて27.8%減少したことが響いた。
国内の旅行消費額22兆4千億円が日本経済にもたらす経済波及効果は、生産波及効果(生産誘発額)が46兆4千億円で、内閣府が作成する国民経済計算(SNA)による産出額の5.1%に相当する。雇用効果(雇用誘発者数)は397万人で、SNAの就業者総数の6.2%を占める。
観光GDP率 日本は低水準
観光庁は、観光統計の国際的な基準として世界観光機関(UNWTO)が推奨している旅行・観光サテライト勘定(TSA)を導入している。TSAの導入で旅行・観光にかかわる生産額、消費額などの経済規模をTSA導入国間で比較することができる。
2011年の日本の旅行消費額22兆4千億円は、TSA導入国の中ではアメリカの56兆3千億円(10年統計)、ドイツの30兆9千億円(同)に次いで大きく、フランスの15兆3千億円(同)、イギリスの14兆5千億円(09年統計)などを上回っている。
一方で、旅行消費額に占めるインバウンドの割合は、日本が4.5%で最低水準となっており、韓国の47.2%(統計年次不詳)、フランスの31.5%(10年統計)、イギリスの17.1%(09年統計)などと差が開いている。
また、UNWTO基準による日本の観光GDP(国内総生産)は8兆2千億円で、日本のGDPに占める割合は1.8%。TSA導入国の中では、韓国の1.5%(統計年次不詳)とともに低水準で、スペインの5.9%(08年統計)、ドイツの4.4%(10年統計)、フランスの3.7%(05年統計)、イギリスの3.6%(09年統計)などを下回っている。
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