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観光行政 ■第2708号《2013年6月22日(土)発行》    
 

日観協会長に味の素の山口会長
就任あいさつする山口会長

 日本観光振興協会(約650会員)は12日、東京・芝公園の東京プリンスホテルで2013年度通常総会を開き、西田厚聰会長(東芝会長)の辞任に伴う後任会長に、味の素会長で経団連の観光委員会共同委員長を務める山口範雄氏を選任した。総会では13年度事業計画案などを審議、了承。また、9月1日の事務所移転も決まった。来年度総会は東京で開催する。

 新会長に決まった山口氏は「観光は日本の経済を強く取り戻す意味で極めて重要な成長分野だ。しかし、世界の観光の潮流の中で日本は大きく立ち遅れた状態にある」との認識を示し、その上で「日本はグローバルな競争の中で勝ち抜かなければならない。これからは組織と組織、国と地域、地域と産業の連携が大事であり、協会はその橋渡し役を務めていく」と抱負を述べた。

 一方、西田氏は退任あいさつで「各地で独自の観光イノベーションを起こし、ブランド力、競争力のある観光地域づくりを進めてもらいたい。おもてなしや伝統文化に付加価値をつけ、磨き続けていけば競争に打ち勝っていける」と述べ、観光関係者の一層の奮起を促した。

 来賓として井手憲文観光庁長官、総務省の関博之地域力創造審議官が出席、あいさつした。

 13年度は、(1)政策提言(2)広報啓発(3)観光地域づくり基盤・受け入れ態勢整備促進(4)人材育成—などの事業に取り組む。今総会は第50回という節目の総会となったこともあり、協会50年史の作成なども盛り込んだ。

 総会終了後の情報交換会には太田昭宏国土交通相や鶴保庸介副大臣らが出席。太田国交相は観光立国実現に向けたアクション・プログラムを紹介した上で、東南アジア5カ国のビザ緩和について触れ「夏に発給要件を緩和するとあるが、7月末までにすべてをそろえスタートしたい」との考えを示した。

 なお、会長以外の新役員は次の通り。

 副会長=梅崎寿・東京メトロ取締役相談役、近兼孝休・日本旅館協会会長代行▽理事=西野史尚・JR東日本執行役員鉄道事業本部安全企画部長▽評議役員=秋山俊行・東京都副知事、荒木慶司・全国市長会事務総長、伊原木隆太・岡山県知事、大山正雄・日本温泉協会会長、菊間潤吾・日本旅行業協会会長、小林哲也・日本ホテル協会会長、桜井正志・全国空港ビル協会会長、広瀬博・東日本高速道路社長



観光立国推進閣僚会議、外客2000万人へ行動計画策定
 安倍晋三首相が主宰する観光立国推進閣僚会議は11日、政府を挙げて実施する新たな観光施策をまとめた「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」を策定した。日本ブランドの発信や訪日観光の査証(ビザ)緩和などに取り組み、外国人旅行者2千万人の達成を目指す。

 重要課題には、(1)日本ブランドの作り上げと発信(2)ビザ要件の緩和等による訪日旅行の促進(3)外国人旅行者の受け入れ改善(4)MICE(国際会議など)の誘致や投資の促進—を挙げ、それぞれに施策を掲げた。

 日本ブランドの作り上げと発信では、官邸に設置される「国際広報強化連絡会議」でビジット・ジャパン(訪日観光促進)を取り上げる。また、ビジット・ジャパンと、コンテンツ輸出の推進策「クール・ジャパン」や対日投資促進策の「インベスト・ジャパン」との連動も進める。

 訪日観光のビザでは、ASEAN(東南アジア諸国連合)を対象として今年夏に発給要件を緩和する。具体的には(1)タイとマレーシアはビザを免除(2)ベトナム、フィリピンに数次ビザを発給(3)インドネシアの数次ビザの滞在期間を延長。

 外国人旅行者の受け入れ改善では、ホテル・旅館の施設や設備、サービスに関する情報提供の仕組みに関して今年度内に方針を具体化する。

 MICEの誘致促進では、レセプションや会議の会場として歴史的建造物などを使うユニークべニューを促進するため、関係者を集めた協議会を設置。投資の促進では、カジノを含む統合リゾート(IR)に関して、法律制定の前提となる犯罪防止などの措置の検討を関係省庁で進める。



消費税転嫁対策特別措置法、10月1日施行
 旅館業界が求めていた「外税表示方式」を期間限定で認める「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法」(消費税転嫁対策特別措置法)の施行日が10月1日に決まった。同日から2017年3月31日まで、従来の総額表示(内税表示)に加え、「本体価格+税」など、商品価格と税額を別に表示する外税表示も認められる。



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