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トラベル ■第2710号《2013年7月6日(土)発行》
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ウィラーエクスプレス、高速乗合バス移行への取り組み発表
今後設置されるバス停と村瀬社長
ウィラーエクスプレスは6月27日、東京都港区のグランドプリンスホテル高輪で会見を開き、31日から高速乗合バスに移行するにあたり新しくなる運賃体系やシンボルとなるバス停のデザイン、安全への取り組みについて発表した。早く予約した人ほど運賃が安くなる「予約順割引」などをスタートさせる。
村瀬茂高ウィラー社長は、まず高速乗合バスに移行しても運行路線は減らさず、運賃も上げないと強調した。31日以降にウィラーが起こすさまざまな取り組みを「イノベーション2.0」と名付け「得意分野であるIT技術とWEBマーケティングを成長の柱として、注力していきたい」と述べた。
グループの新しいスローガンは「安いも先頭へ!」とし、安くするための仕組みの開発に取り組むと同時に、安全にも手を抜かないと発表した。
運行組織体制については、現在の関東、東海、西日本の3社体制から、全国10社12営業所に拡大する。運行路線の発着地双方に営業所を設置することでより安全を強化する。一般路線では、新しく大阪梅田バスターミナルとUSJを結ぶ路線の運行を開始する。
乗合バス事業の初年度の利用者数は、前年実績とほぼ同数の200万人を計画している。5年後には倍増の400万人を目指す。
新たなシンボルとなるバス停は、日本全国に88カ所設置する。利用者にひと目で分かるよう、イメージカラーのピンクでデザインした。暗い時間帯の利用者も多いことから一部のバス停では文字と側面が光るよう設計さている。
新運賃体系は「スマートプライス」と名付けられた。利用者が入力したパーソナルデータとウィラーが把握する購入履歴の二つのデータを掛け合わせ、今後はその人に最適な料金を提案する仕組みを構築する。
新割引サービスとして、8月下旬から100キロを超える全路線で、最初に予約した人が1番得をする予約順割引をスタートさせる。予約1人目は基本運賃の20%引きで予約ができ、2人目以降割引率が徐々に下がっていく。設定された人数からは基本運賃での購入となる。
出発日2週間前に乗車予定人数を下回っている便を「間際割」として発売することや、回数券の販売についても発表された。
インバウンドについては訪日旅行者限定で、全路線全便の4列シートを1日3便まで乗ることができる3日乗車券を1万円、5日乗車券を1万5千円で販売開始する。
新たな取り組みとして「Ponta」を運営するロイヤリティマーケティングと提携し、ウィラーサイトの対象商品を予約、利用するとPontaポイントが加算されるサービスを1日から開始した。
安全強化策については、安全運行協議会と運輸監査部を設置したことを発表した。すべてのグループ会社がメンバーとなり、ウィラー独自の安全基準、整備基準、サービス基準を策定し、グループ会社で同じサービスが提供できるよう心がけ、安全の徹底を図る。
また道路交通安全マネジメントシステムISO39001を7月末までに取得予定であることも発表された。まず31日までに、ウィラーグループを統括するウィラーエクスプレスジャパンと運行会社のウィラーエクスプレス関東の2社で取得を目指す。
ANTA総会、二階会長を再選
あいさつする二階会長
全国旅行業協会(ANTA、5428社)は6月25日、13年度通常総会を都内のホテルで開催し、役員改選で二階俊博会長(衆院議員)を再選した。副会長は加藤正明氏(ツーリスト・トップジャパン)を再選、川﨑糺(かつらぎ観光社)、近藤幸二(全観トラベルネットワーク)の2氏を新たに選出した。
冒頭のあいさつで二階会長は、東北復興支援のための事業や韓国、中国との相互交流などANTA会員の日頃の活動をねぎらった。さらに、「今ようやく観光に新しい陽が差し込んできつつある。こんな時だからこそ皆で頑張って新しい観光の時代を築いていかなくてはならない」と会員同士の協力を訴えた。
13年度事業では観光庁や関係自治体などと連携し、東北・東日本観光復興キャンペーンの展開による風評被害の払しょくと送客支援活動を引き続き実施。和歌山で来年2月11日に開かれる「第10回国内観光活性化フォーラム」や各地での観光イベントなどへの協力を通じて、国内観光の活性化を図る。
また、ASEAN友好40周年記念事業や中国、韓国などとの国際観光交流事業を積極的に展開し2ウェイツーリズムの促進による観光立国の実現に貢献していく。
役員改選による新理事には観光経済新聞社の積田朋子社長も選ばれている。
主要旅行業12社5月実績
鉄道旅客協会が6月27日に発表した、主要旅行業12社の5月の旅行販売取扱額は前年同月比0.6%減の2762億469万円だった。
内訳は国内旅行が前年同月比4.1%増の1726億8770万円、海外旅行が同10.4%減の942億6717万円、外国人旅行が同51.9%増の78億5577万円だった。
総取扱額が前年同月を上回った事業者は、ジェイティービー、日本旅行、名鉄観光サービス、京王観光の4社だった。
2010年の同月比は、総取扱額が4.3%増だった。内訳は国内旅行が同5.0%増、海外旅行が同1.0%増、外国人旅行が同47.7%増だった。
4月からの累計総額は前年同期比1.7%減の5097億4979万円だった。前年同期を上回った事業者は、ジェイティービー、日本旅行、東武トラベルの3社。
10年同期比は2.5%増だった。
分野別の累計額は国内旅行が前年同期比2.6%増の3164億5001万円、海外旅行が同11.3%減の1746億7289万円、外国人旅行が同49.3%増の152億4483万円。
国内旅行の累計が前年同期比を上回ったのは6社、海外旅行が1社。外国人旅行は11社中8社だった。
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