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観光行政 ■WEB増刊号《2013年8月17日(土)発行》
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余暇活動参加人口、国内観光旅行が2年連続1位 レジャー白書
日本生産性本部は2日、「レジャー白書2013」を発表した。それによると、12年の余暇活動で最も参加人口が多かったのは国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)で、11年比90万人増の5670万人となり、2年連続で1位となった。また、余暇市場は同0.3%減の64兆7272億円で「市場が停滞気味の中にあって、観光・行楽部門の好調さが目立つ」と白書は指摘する。
国内観光旅行については、東京スカイツリーの開業や東京駅丸の内駅舎の復元、格安航空会社(LCC)の就航が後押しした格好だ。行き先を見ると、大分・宮崎・鹿児島が1位だった。以下、志賀・京都、神奈川、愛知の順。
国内観光旅行に続くのがドライブ(5200万人)、外食(5170万人)だが、遊園地が前年の2100万人から110万人増え、圏外(21位)から19位に入った。ナガシマリゾートや鈴鹿サーキット、志摩スペイン村が比較的近い愛知が行き先1位に。
余暇市場における観光・行楽部門は同4.5%増の9兆6330億円と好調で、「1991年以来の4%台の伸び」(白書)となった。
遊園地・テーマパークが過去最高水準の売り上げを記録。旅行業も堅調で、海外旅行については退職記念旅行として欧州や南米などの遠距離・高付加価値旅行に出る動きが顕著になっている。「国内旅行も年間を通して好調」と白書。旅館は若干減少したが、ホテルの客室稼働率は東日本大震災前の数字を上回っている。
白書は、これから伸びが期待される余暇活動を潜在需要の大きさという観点から見た。それによると、1位は海外旅行、2位が国内観光旅行という傾向は変わっていないが、3位にクルージング、4位に温浴施設といった新たに加えた種目が入っているのが目立つ。
全修協、都内で研究大会を開催
目黒区立東山中学校の事例発表
全国修学旅行研究協会(全修協、岩瀬正司理事長)は7月30日、東京のホテルグランドヒル市ケ谷で第30回全国修学旅行研究大会(文部科学省、観光庁、近畿日本ツーリスト協定旅館ホテル連盟、観光経済新聞社など後援)を開いた。「被災地への修学旅行」「被災地からの修学旅行」と題して、中学校2校がそれぞれの修学旅行の実施事例を発表。元観光庁長官の溝畑宏氏が「日本を元気に、地域を元気に」と題して講演した。
被災地への修学旅行として、東京都目黒区立東山中学校の牛島正廣前校長らが、宮城県気仙沼市の大島を訪れた旅行の事例を発表した。
同校は2006年から大島での修学旅行(翌年から自然宿泊体験学習)を実施。東日本大震災の影響で2011年は中止を余儀なくされたが、翌2012年、当時の校長らの実地調査を踏まえて旅行の再開を決断した。
旅行では浜の清掃活動や地引網体験、カキの養殖体験を行ったほか、震災で被害を受けた地元住民から当時の苦労話や復興に向けた取り組みの話を聞いた。
教諭らは「震災の爪あとがいまだ残る場所をあえて見せることで、子どもたちに何かを感じてもらいたかった」と説明。「多感な時期にこうした体験ができたことは、将来をいかに生きるかを考える上で、いい機会になったのではないか」と述べた。
また被災地からの修学旅行として、宮城県東松島市立鳴瀬未来中学校の高橋裕子校長らが、北海道への修学旅行の事例を発表した。
同校は鳴瀬第一中学校と鳴瀬第二中学校が統合して今年4月に開校。旧鳴瀬二中は津波で壊滅的な打撃を受け、鳴瀬一中に間借りして2年間授業を行ってきたが、今年閉校、統合を余儀なくされた。ただ、修学旅行は「鳴瀬二中最後の修学旅行」として、例年5月に行う旅行を3月に前倒しして、統合前に行うことにした。
北海道は、震災で多くの支援が寄せられたことから、「恩返しをしたい」「困難を克服した元気な姿をみせたい」と、実施場所に決定。札幌、小樽での観光ほか、登別で地元住民との交流会を行い、地域に伝わる太鼓や踊りを披露。訪れた350人以上の市民らを楽しませた。校長らは「たくさんの温かなご支援をいただき、一生の思い出となる感動的な修学旅行となった」と述べた。
大会ではこのほか、全修協提案として、協会の山本精五部長が「学びの集大成を図る修学旅行」と題して発表。元観光庁長官で、京都大学経営管理大学院特命教授の溝畑宏氏が「日本を元気に、地域を元気に」と題して講演し、自らの経験を踏まえて人材育成の大切さや観光立国の重要性を説いた。
12年度の国内線旅客数は9%増の8600万人 国交省調べ
国土交通省はこのほど、2012年度の「航空輸送統計」を発表した。それによると、東日本大震災や欧州債務問題の影響を受け落ち込んでいた国内線、国際線の旅客輸送量は12年度は回復傾向をたどり、特に国内線は格安航空会社(LCC)の参入もあり、大幅に増加した。(2面に旅客数上位50路線)
国内線旅客数は11年度比8.7%増の8597万人。幹線、ローカル線別で見ると、人ベースで幹線が同9.8%増の3690万人、ローカル線は同8.0%増の4907万人と好調に推移。
LCCが就航した関西—新千歳線、同—那覇線、成田—新千歳線、同—福岡線、同—那覇線および関西—福岡線の旅客数が大幅に増加しており、「LCCの新規参入が全体の旅客数増加に与えた影響も大きい」(情報政策課交通統計室)。
具体的には関西—福岡線が同282.1%、成田—福岡線が同188.4%、同—新千歳線が同178.5%の増加。
旅客数の上位50路線のうちほとんどの路線が前年度に比べ増えており、減少は羽田—神戸線(同2.7%減)、同—秋田線(同3.6%減)など10路線にすぎない。
国際線の旅客数は同12.8%増の1421万人だった。中国路線を除く各方面で増加している。
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