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旅館・ホテル ■第2716号《2013年8月24日(土)発行》
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宿泊施設の固定資産税評価を見直しへ
観光庁は、検討を進めていた旅館・ホテルの建物にかかる固定資産税の評価の見直しについて税制改正で改めて要望する。年数の経過に伴う減価の基準が見直され、多くの施設で負担の軽減につながるとみられるが、具体的な内容は税務当局などとの調整を経て、年末に決定する税制改正大綱に盛り込まれる。改正内容は2015年度分から適用される。
見直しは、宿泊業団体などが要望活動を展開し、11年度の税制改正大綱に検討事項として盛り込まれ、12年度の税制改正大綱で見直しが決定していた。観光庁は宿泊業団体の協力を得て、建物の使用、改修の実態調査を進めるなど、見直しに向けた検討を進めていた。
建物にかかる固定資産税は市町村税で、総務相が告示する評価基準に基づく評価額に一定税率をかけて算出される。評価基準の見直しは3年ごとで、次の見直し時期は15年度。このため今年の年末に内容を決定し、地方自治体などへの周知期間を経て15年度分から適用される。
建物の固定資産税に関しては、旅館・ホテル業界から「何年経過しても建物の評価額が下がることがなく、負担が重い」「改装、改築を頻繁に行う使用実態からして経過年数が長過ぎる」などの指摘が出ていた。
見直されるのは、建物の新築からの経過年数を評価額に反映させる基準。基準は、建物の価値が年数の経過とともに減少し、ある年数を過ぎると一定になるという考え方に基づく。鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造の旅館・ホテルの建物の場合、最も低い評価額に到達するまでに50年もかかる。この年数を使用実態を踏まえて短縮し、減価のペースを速めると実質的な減税につながる。
アパホテル、都心で展開加速
アパホテル新富町駅前
アパホテルが東京都心部でのホテル展開を加速している。このほど台東区上野2丁目と港区高輪2丁目にホテル用地を取得。15年1月にアパホテル上野駅前、同年8月にアパホテル品川泉岳寺駅前として新築、開業する計画だ。
これで、都心部で設計、建築中のホテルは14軒となった。各ホテルの名称、所在地、客室数、開業予定は以下の通り。
アパホテル新富町駅前(中央区、135室、13年8月)▽アパホテル銀座京橋(中央区、170室、13年9月)▽アパホテル銀座宝町(中央区、108室、13年11月)▽アパホテル新宿御苑前(新宿区、411室、14年4月)▽アパホテル新橋虎ノ門(港区、153室、14年4月)▽アパホテル平河町半蔵門(千代田区、231室、14年6月)▽アパホテル東日本橋駅前(中央区、219室、14年6月)▽アパホテル神田小川町駅西(千代田区、187室、14年9月)▽アパホテル歌舞伎町東新宿(新宿区、165室、14年10月)▽アパホテル上野駅前(台東区、142室、15年1月)▽アパホテル六本木駅前(港区、120室、15年3月)▽アパホテル歌舞伎町タワー(新宿区、620室、15年6月)▽アパホテル御茶ノ水湯島(文京区、186室、15年6月)▽アパホテル品川泉岳寺駅前(港区、562室、15年8月)
福島・母畑温泉の八幡屋、高温の源泉掘削に成功
新源泉について紹介する八幡屋の渡邉社長
福島県石川町の母畑温泉、八幡屋(渡邉忠栄社長)はこのほど、高温の新源泉の掘削に成功した。阿武隈地方では高温の湧出は見込めないと言われてきたが、温泉の温度は自然湧出で43度に達し、湯量は毎分350リットルに上る。今年秋までに施設を整備し、利用を開始する。新源泉をPRし、原発事故の風評被害に苦しむ福島観光の活性化にも貢献したい考えだ。
新源泉は八幡屋の西側約1.4キロの地点で深度は1454メートル。将来的には湯温45度以上、湯量500リットル以上が見込めるという。泉質はアルカリ性単純泉。
八幡屋によると、阿武隈地方には、湯温23〜27度の温泉しかなく、高温の温泉の湧出は初めて。原発事故の風評被害の払拭につながる事業にしようと、掘削工事に取り組んだ努力が実を結んだ。
渡邉社長は「阿武隈地方の観光振興や住民の福利厚生の充実につなげたい。秋には自然環境を存分に取り入れた施設をつくり、観光客誘致に生かし、地域の住民にも開放していきたい」と話す。
6日には現地で記者発表会も行い、地元のマスコミなどに新源泉の掘削成功を福島観光の明るい話題としてアピールした。
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