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観光行政 ■第2717号《2013年8月31日(土)発行》
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観光庁の14年度概算要求は19%増の114億円
観光庁は27日、2014年度予算の概算要求概要を発表した。要求額は2013年度当初予算比19%増の114億4100万円とした。国土交通省の一般会計総額の伸び率(16%増)を上回っており、「観光立国推進の(強い)意志を込めた」という。東日本大震災からの復興に向けて復興庁に計上される観光関係予算を含めると、総額は同21%増の123億3600万円となる。政府の成長戦略に重点配分する特別枠「新しい日本のための優先課題推進枠」には、26億600万円を計上した。
14年度については「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」および「日本再興戦略〜JAPAN is BACK〜」に基づく施策を着実に推進するなど、「『住んでよし、訪れてよしの国づくり』の観光立国を実現するために必要な事業に重点化を図る」とした。
インバウンド推進に関する予算は同17%増の95億9800万円を計上、「訪日外国人旅行者数2千万人の高みを目指す新たなスタートの年」と位置付けた。
特別枠に計上し、新規事業となる「戦略的訪日拡大プランの推進」は20億600万円。査証(ビザ)要件の緩和が実施されているタイやマレーシア、インドネシアなど東南アジア諸国を、東アジア諸国と並ぶ訪日市場へと育成するため集中プロモーションを実施する。
また、今後の送客拡大が期待できる市場で、日本の認知度向上に取り組む。具体的には欧州、ブラジル、トルコなどを視野に入れ、テレビCMや屋外広告などで日本の魅力をアピールする。「ビジット・ジャパン事業」は51億5300万円を充て、羽田・成田両空港の発着枠拡大を契機とした航空会社との連携強化などを図る。
新たに「宿泊施設の情報提供促進事業」を盛り込み、1200万円を予算化。外客に対して、旅館・ホテルの概要やサービス内容などの情報を提供する必要があるが「宿泊施設の多くは効果的な情報提供のノウハウがない」として、14年度は情報提供項目の精査、関係者へのアンケート調査、既存サイトの問題点の整理・分析を行い、ガイドラインの策定、活用方法の検討を行う方針だ。
観光地域づくり支援の予算額は93%増の105億1千万円。うち、「観光地ビジネス創出の総合支援」を特別枠とし、6億円を計上。地域の資源を活用した売れる旅行商品を開発するとともに、継続して観光地づくりに取り組む地域の担い手を育成し、自立的経営へ誘導することで、観光地づくりをビジネスにつなげる取り組みを支援する。
具体例として、これまで観光資源として見なされていなかった酒蔵にスポットを当て、酒蔵を活用した試行ツアーの実施などを挙げている。
復興枠の「東北地域観光復興対策事業」は2億円、「福島県における観光関連復興支援事業」は6億9500万円を予算化。特に、福島関連は同84%の伸びで、風評被害対策や震災復興に資する観光関連事業に対し補助を行う。
久保観光庁長官が就任会見、「施策の実行が課題」と
就任の抱負を述べる久保長官
8月1日に就任した観光庁の久保成人長官は、21日の専門誌向け定例会見で抱負を語った。観光立国推進閣僚会議が6月に策定した「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」の実行、現行制度の見直しを含む観光産業の強化などを課題に挙げ、取り組みに意欲を示した。今年の訪日外国人旅行者1千万人の達成に向けても、残る期間のプロモーションに注力していく。
インバウンドの施策では、「アクション・プログラムをいかに実行するかだ。1千万人についても、伸びている東南アジアなどに集中的なプロモーションを実施し目標達成に努める。その先の2千万人に向けては、実現に向けた仕組みづくりを関係機関と連携して進めたい」と述べた。
インバウンドの具体的な施策では、オープンスカイなどに伴う航空路線の新規就航、増便に合わせたプロモーションの強化をはじめ、査証(ビザ)発給要件の一層の緩和、案内表示の多言語化やムスリム旅行者への対応などを課題に挙げた。
観光産業の強化では、4月に有識者で構成する「観光産業政策検討会」がまとめた提言を踏まえ、施策や制度の見直しを進める。「提言で指摘を受けたテーマの検討を急ぐ。旅行業、宿泊業など関係事業者から幅広い知見を得ていきたい」と述べた。
また、旅行業の現行制度の見直しでは、9月中に有識者会議を立ち上げて検討を始めることを明らかにした。
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