来年6〜9月の山形県デスティネーションキャンペーン(DC)開催に向け、同県の官民で組織する山形デスティネーションキャンペーン推進協議会(会長=吉村美栄子・山形県知事)は8月28日、山形市のホテルメトロポリタン山形で全国宣伝販売促進会議を開いた。県内の市町村長、観光関係者、全国の旅行会社商品造成担当者、メディアら約600人が参加。誘客や企画商品の造成を促すためのプレゼンテーションが行われた。
吉村知事は「東日本大震災により、県内の観光業が大打撃を受けた。震災前にはいまだ戻っていないが、県内35市町村が一体となり観光客を誘致することで、復興の起爆剤となることを期待したい。DCを一過性で終わらせるのではなく、県全体の観光力を高め、交流人口を拡大し、経済の活性化と産業の発展につなげたい」とあいさつ。
JR6社を代表し、JR東日本の石司次男副社長は「6回のDC開催は全国第2位。これまで以上に情報の共有化とおもてなしの心を根付かせることが大切。成功の鍵は、地元の方がいかに熱き心を持つかにかかっている」と、キャンペーンの成功に向けて地元の協力を呼びかけた。
会場では県関係者と旅行会社社員が商談。最上川、蔵王、出羽三山などの自然や伝統工芸品、さくらんぼをはじめとする農産物など県内各地の魅力も紹介された。山形舞子による宴舞や、天童の将棋駒彫り、山伏のほら貝吹きなどのパフォーマンスも披露された。
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宣伝販売促進会議に先立ち、同県蔵王温泉のホテルルーセントタカミヤで台湾、韓国など海外4カ国・地域の旅行会社26社と同県の旅館など受け入れ施設によるインバウンド商談会が開かれた。
DC推進協議会誘客対策委員長の岡崎彌平治氏(タカミヤホテルグループ社長)は、「県内の施設はツアー客、コマ客、どちらにも対応できる強みがある。アジアは5億人の富裕層を見込めるマーケットであり、今回の商談会にも期待をしている」。
香港EGLツアーの郭圓兒主任は「山形のホテルはきれいで値段も手頃。震災により販売が減少したが、来年のDCに合わせてパッケージツアーを造成し、売り込みたい」とコメントした。