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観光行政 ■第2719号《2013年9月14日(土)発行》
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2020年東京五輪開催、観光立国へ追い風
7日夕(日本時間8日朝)、2020年夏季五輪・パラリンピックの開催都市が東京に決まった。1964年以来、56年ぶりの東京開催となる。4年前の招致失敗を教訓に、オールジャパン体制で取り組んだ成果が実を結んだ。五輪をきっかけに訪日外国人の増加も予想され、「観光立国に大きな追い風となる」と観光関業界は歓迎する。一方で、受け入れ環境の整備など課題も多く、どう克服していくのか、7年後を見据えた対応が求められている。
7日、アルゼンチンのブエノスアイレスで国際オリンピック委員会(IOC)総会が開かれ、IOC委員による投票で正式に決まった。日本での五輪開催は1972年の札幌、98年の長野の冬季五輪と合わせて、4回目となる。
東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会の試算によると、経済波及効果を示す生産誘発額は全国ベースで2兆9609億円となっている。「究極のコンパクト五輪」(猪瀬直樹都知事)を掲げているだけにそれほど大きな額ではないが、短期間に大量の観光客が東京を訪れるだけに、観光業界は恩恵を受けそうだ。
今年、円安などを背景に外国人旅行者が急増。観光庁が目標とする年間1千万人を初めて達成する可能性が出てきている。五輪開催は次の目標である「年間2千万人」への期待も膨らみ、観光立国に大きな一歩を踏み出しそうだ。
安倍晋三首相は7日の内外記者会見で、「選手だけではない。たくさんの外国からのお客さまが日本にやってくることになる。最高のおもてなしでお迎えするのがホスト国である日本の責任でもある」と述べ、アクセスや受け入れ環境の整備などに力を入れていくことを強調した。
一方で、東京の一極集中を危惧する声も出ている。「観戦に訪れる外国人が地方に流れて来ないのではないかと心配している。地方には日本ならではの、魅力的な観光資源が数多くある。東京周辺ばかりではなく、いかに地方を旅行してもらうか、観光業界の腕の見せどころだ」(東北地方の観光協会)と。
東北を横断する聖火リレー、各国の若者を被災地に招いて交流するユースキャンプなど、2020東京五輪は東日本大震災の被災地を応援するさまざまなプログラムが組まれており、着実な実行が望まれる。
東京五輪開催を受け、スポーツ庁の設置が取り沙汰されているが、業界の一部からは「観光産業は(五輪成功の)けん引役となる。これを機に観光庁から省への格上げも検討すべきではないか」という指摘もある。
経産省、地熱資源開発補助事業に16件を採択
経済産業省・資源エネルギー庁は6日、2013年度の地熱資源の開発補助事業として16件を採択したと発表した。うち、新規案件は6件となっており、地熱資源の開発の動きが徐々に広がっている。
採択は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が審査委員会を開き、その結果を踏まえて両省庁が決定した。
地熱資源開発を推進することを目的に、地熱発電事業の実施の可能性を検討するために行う地表調査や井戸の掘削調査などに対して補助するもので、50%から全額の間の比率で、最大5億円を助成する。
新規として、北海道上川町の上川地域や洞爺湖町の洞爺湖温泉地域、岩手県雫石町の網張地域などが決まった。公募は11月29日まで続けるため、採択件数はさらに増えそうだ。
世界観光倫理委員会の委員に元観光庁長官の本保氏
国連・世界観光機関(UNWTO)の補助的な機関「世界観光倫理委員会」の委員に、元観光庁長官で首都大学東京教授の本保芳明氏が就任した。8月29日に開かれたUNWTO総会で承認された。日本からの就任は初めて。
世界観光倫理委員会は、1999年のUNWTO総会で採択された世界観光倫理憲章の解釈、適用、評価を行う中立的な組織。2004年10月に設立。委員会は前WTO事務局長のパスカル・ラミー氏を議長に、委員が8人、代理委員が3人。
世界観光倫理憲章は、持続可能な観光を実現するための規範で、環境、文化遺産、社会に与える悪影響を最小限にしながら、観光産業の発展を最大限に引き出すことを目的にしている。
本保氏は、国土交通省出身で08年10月に発足した観光庁の初代長官を務めた。現在は首都大学東京・都市環境学研究科観光科学域の教授を務めている。
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