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地域観光 ■第2720号《2013年9月21日(土)発行》
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本社、関西IRシンポ開催、200人が参加
フランク・ツイ氏の特別プレゼンテーション
観光経済新聞社は12日、大阪市北区のグランフロント大阪のナレッジキャピタル コングレコンベンションセンターホールCで「関西IRシンポジウム」を開催した。会場には観光関係者やIR関係者など約200人が来場した。
IRとはカジノを含む統合型リゾートのこと。世界で活躍するIR事業者を代表して、マカオなどでIRを運営するメルコ・クラウン・エンターテイメントからフランク・ツイ氏(メルコ・クラウン・エンターテインメント・アジア・ホールディングス上席取締役)が来日。特別プレゼンテーション“Integrated Resort Development”(統合リゾート開発)」を行った。
スクリーンには、この日のために用意されたプレゼン資料に紹介された大阪へのIR開業の場合の候補地や投資金額、経済効果などが次々に映し出され、会場からはどよめきが起こった。
フランク氏はパネルディスカッションにもパネリストとして登場した。
このほか、勝見博光氏(大阪市立大学都市研究プラザ特別研究員)が「IR法制化と大阪の誘致戦略」と題して講演し、谷岡一郎氏(大阪商業大学学長)が「IR統合リゾートの時代〜カジノをエンジンとするビジネスモデル〜」と題して基調講演を行った。
後半のパネルディスカッションでは、パネリストの韓国から来日した金●謙氏(パンスターグループ会長、●=さんずいに玄))が韓国のカジノと新たに導入が進められる船上クルーズについて紹介。植田和男氏(日本PFI/PPP協会理事長)が女性向けのPRとして「おもてなしカジノ」という考え方を提案。
また、丸尾真哉氏(JTB西日本常務)はIRを軸にしたインセンティブ旅行の可能性について話した。岡本厚氏(大阪府旅館ホテル生活衛生同業組合理事長)は、インバウンド客1千万人が呼べるIR開業に期待を寄せた。
千葉銀と伊予銀、LCC就航で観光展を開催
観光・物産展示会の開会セレモニーに臨む両頭取とご当地キャラ
千葉銀行(千葉市中央区)と伊予銀行(松山市)は10、11の両日、東京都中央区のブリッジ新潟で「千葉と愛媛の観光・物産展示会」を開いた。格安航空会社(LCC)のジェットスターが6月に成田—松山に就航したことを記念し、両県の観光PRを共同で行うことで、LCCの利用を呼びかけて両県への観光客増加につなげるのが狙い。
両行と会場を提供した第四銀行(新潟市中央区)はシステム共通化で親密な関係にあり、今回のLCC就航を機に初めて合同での観光イベント開催を実現した。
会場には、千葉銀の佐久間英利、伊予銀の大塚岩男の両頭取に加え、ご当地キャラクターのチーバくんやバリィさんらがお出迎え。千葉県の成田山新勝寺や東京湾アクアライン、愛媛県の道後温泉や松山城など、両県の観光資源を紹介するコーナーが設けられた。
また、松山空港にもある「みかんジュースの出る蛇口」が設置され、来場者が興味津々でコップにジュースを注いでいた。
このほか、両県の物産の展示・試食や先着350人へのチーバくん、バリィさんストラップの配布、道後温泉ペア宿泊券・特産品プレゼントなども行われ、会場には多くの人が詰めかけた。
イベント開催の意義について佐久間頭取は「外国(からの誘客)だけではなく、国内でも観光し合い、観光で経済を良くするきっかけになればいい」と期待を示した。
また、大塚頭取も「地元四国だけでの交流ではだめだ。愛媛もしまなみ海道をサイクリングの聖地にしようという動きがある。まず国内からたくさん来ていただき、それをベースに海外の人にも来ていただく」と語った。
鹿児島県とJR西日本、「鹿児島カレッジ」開催
鹿児島カレッジの体験実習。桜島の湯之平展望所で記念撮影
鹿児島県(観光かごしま大キャンペーン推進協議会)とJR西日本は9日から12日まで、「鹿児島カレッジ」の体験実習を行った。旅行離れと言われる若年層をターゲットに、山陽・九州新幹線の利用促進と県への旅行需要を喚起する取り組みで、今年で2回目となる。
今年度は神戸松蔭女子学院大学(神戸市)が大隅エリア、関西大学(大阪府)は昨年引き続き霧島エリア、広島経済大学(広島市)が甑島エリア、和歌山大学(和歌山市)は指宿エリアに加え、首都圏から参加した清泉女子大学(東京都品川区)は出水・さつま町エリアで実習を行った。
鹿児島カレッジでは、観光地で大学生が地元住民との交流やさまざまな体験を行い、鹿児島の旅の素晴らしさを若者目線で発見し、フェイスブックで情報発信する。
行程の初日は新大阪駅、新神戸駅、広島駅で、参加する大学生が山陽・九州新幹線の直通のさくら号に乗車。車内の様子をフェイスブックに投稿したり、大学間やJR西日本のスタッフと交流を図ったりした。鹿児島到着後は共通プログラムとして、桜島で温泉掘り体験などを行った。
今年は2日目と3日目に各エリアで、行われる体験プログラムを拡充。 3日目の午前中に鹿児島市内に戻り、仙巌園など自由見学。午後からはホテルタイセイアネックスで報告会を行い、夕方には山陽・九州新幹線直通のさくら号で帰路についた。
今後は中報告会を10月中旬に実施。成果報告会を12月中旬に旅行会社に向けて実施する予定だ。
高岡観光発信会発足、多業種の力で観光客誘致
富山県高岡市の民間企業などがこのほど、高岡市と富山県を盛り上げようと「高岡観光発信会」を立ち上げた。総勢50人のメンバーは宿泊施設や食事処、観光施設、土産物店などの社長や店長が中心。会社の垣根を越えて市への観光客の誘致に取り組む。
観光施設や宿泊施設、農協やお寺などが集まり民間団体を作るのは富山県では初めて。同会会員で道の駅万葉の里高岡の伊藤直哉店長は「2015年春には北陸新幹線が開通するが、新高岡駅のことはまだあまり知られていない。新幹線を使った団体の送客をどう旅行会社にアピールしていくか、市全体で考えなくてはいけない」と設立の経緯を語る。
年間400万人の観光客が訪れる同市。しかし約9割が高岡に滞在しない、典型的な通過型観光地となっていると同会は指摘する。
問題点として「各企業が個別に旅行会社に営業を行っているので、旅行会社がコースを組みにくい」「観光客は新鮮な魚介類を期待しているが、提供している宿泊施設が少ない」「宿泊施設と飲食店の連携が不明なので氷見や和倉の旅館や温泉に予約が流れる」などを挙げる。
同会は市内の施設が手を結ぶことで施設ごとの「点」の活動を「線」の活動に移し、将来的には近隣市町村を巻き込んで「面」として活動していきたい考え。
今後はツアー企画担当者や一般を対象にしたモニターツアーを実施し、改善策を講じる。
同会は、富山湾で朝取れたばかりの海の幸で作る朝食を「朝獲れキトキト朝食」と名付け、日本一おいしい朝食が食べられる町として売り出すことや、江戸時代から続く伝統工芸の町を体感してもらうヘリテージ(地域遺産)・ツーリズムの促進を図っていくなど、具体的な展望も掲げる。
高岡観光発信会副会長でホテルニューオータニ高岡の財津達朗総支配人は「高岡市は、連峰立山、国宝瑞龍寺など観光資源はあるが、あまり観光地化しすぎてないところがいい。町を歩くだけでも、町の生活そのものを疑似体験して楽しんでもらえる」と高岡の魅力を語った。
OKINAWA離島コンテンツフェア、600人が商談に参加
ミスや各離島のご当地キャラも登場(右から2人目が上原会長、3人目が湧川部長)
沖縄県と沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、上原良幸会長)は11日、八重山諸島、宮古諸島、久米島など離島の魅力を紹介する「OKINAWA離島コンテンツフェア」を東京都千代田区の東京国際フォーラムで開いた。各離島の観光協会、宿泊施設・ゴルフ場などの観光関連施設、物産関係企業など55の団体・企業が出展。旅行会社、MICE関係企業、物産関係バイヤーを中心に約600人が商談に訪れた。
OCVBが離島だけに焦点を当てた展示・商談会を県外で開くのは今回が初めて。
県文化観光スポーツ部の湧川盛順部長は主催者あいさつで「沖縄県には39の有人離島があり、それぞれの島に手つかずの自然と独自の文化が継承され、時間がゆったりと流れている。これは、訪れた観光客に必ず満足してもらえるコンテンツであり、県は離島の観光を重要政策に位置づけている」と述べ、離島観光の潜在力の高さをアピールした。
会場となった東京国際フォーラムには、ミス沖縄、ミス八重山、ミス宮古や各離島のご当地キャラも登場し、花を添えた。
県とOCVBは13日から15日まで東京ビックサイトで開かれたJATA旅博2013にも出展。さらに久米島、宮古、八重山の各離島の観光協会と連携して、本島と離島の最新観光情報をPRした。ブースの中央には美ら海水族館が熱帯魚回遊式の円柱水槽を設置。県出身アーティストのトーク・音楽ライブも行った。
OCVBがJATAツーリズム大賞受賞
沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、上原良幸会長)は13日、東京ビッグサイトで開催されたJATA旅博2013で「JATAツーリズム大賞2013【国内・訪日旅行部門】」を受賞した。
同賞は、デスティネーションのプロモーション開発など、旅行需要換気に年間を通じて貢献した企業、団体、個人に贈られる賞。
昨年、日本国内からの入境観光客数が前年比6.3%増、海外からは34.5%増となるなど、実績を挙げたことが評価された。
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