帝国データバンクによると、今年度上半期(4〜9月)の全国企業倒産(負債1千万円以上の法的整理)は5320件で、4年連続で前年同期比減少した。負債総額は1兆7554億7300万円で、3年ぶりに前年同期比増加したが、過去10年で3番目の低水準となった。
件数は前年同期の5439件に比べ、2.2%減少。2009年下半期以来、4年連続で前年同期比減少が続いている。「金融機関の支援が継続し、経営不振企業の資金繰り破たんが抑制された」(帝国データバンク)。
負債総額は前年同期比2.8%増加。ただ、上場企業倒産が2件、負債100億円以上の大型倒産が15件にとどまるなど、依然、低水準で推移している。負債5千万円未満の構成比が過去10年で最高の54.9%と、小規模倒産の構成比が増加した。
倒産件数を業種別にみると、7業種中3業種で前年同期を下回った。このうち建設業(1204件、12.9%減)と不動産業(143件、21.9%減)は2ケタの大幅減。復興需要や公共事業の増加、消費税増税を見越した住宅の駆け込み需要を背景に、建設関連業者の資金繰りが改善した。
半面、運輸.通信業(242件、19.2%増)は2ケタの大幅増となった。燃料価格の高止まりを受け、道路貨物運送を中心に増加した。
サービス業は1千件で、前年同期比1.9%減少した。
地域別では、中部と中国を除く7地域で前年同期比減。特に北海道(155件、24.4%減)が2ケタの大幅減となった。中部は運輸.通信業で増加が目立った。北海道は卸売業と不動産業を除く5業種で減少し、建設業は30.4%の大幅減となった。
9月単月の倒産前年比4%減少
9月単月の倒産は817件で、前年同月比4.1%減少、前月比3.5%増加した。負債総額は1895億800万円で、前年同月比6.7%、前月比15.9%それぞれ増加した。
件数は2カ月連続で前年同月比減少。負債総額は3カ月ぶりに同増加した。
件数を業種別にみると、建設業、サービス業など7業種中5業種で前年同月を下回った。