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旅館・ホテル ■第2724号《2013年10月19日(土)発行》
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日本旅館協会、道場氏ら8氏に料理顧問・指南役を委嘱
顧問の道場氏、大田氏をはじめ、指南役に就いた料理人ら(15日の委嘱式で)
日本旅館協会は15日、会員旅館・ホテルが提供する日本料理の魅力を高めようと、アドバイス役として著名な料理人に「日本料理顧問・指南役」を委嘱した。顧問には人気テレビ番組「料理の鉄人」でも活躍した道場六三郎氏(東京・銀座、懐食みちば主人)、大田忠道氏(兵庫・有馬温泉、天地の宿奥の細道館主)の2人、指南役には旅館や料理店の料理長ら6人を選んだ。地域色豊かな宿の料理の提供について助言してもらうほか、料理講習会の講師などを依頼する。
顧問・指南役の制度を通じて宿の食のおもてなしをさらに高め、日本の食文化の良さを再認識してもらうと同時に、外国人客にもその魅力を広める。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定のほか、今年12月にユネスコ無形文化遺産に「和食・日本人の伝統的な食文化」が登録される可能性があることから、宿の日本料理を国内外にアピールする契機にしたい考え。
顧問の2人のほか、指南役には、章月グランドホテル(北海道・定山渓温泉)総料理長・白良荘グランドホテル(和歌山・白浜温泉)総料理長の藤井修一氏、吉川屋(福島・穴原温泉)総料理長の隈本辰利氏、マホロバマインズ三浦(神奈川・三浦)料理長の原口義昭氏、佳泉郷井づつや(兵庫・湯村温泉)料理長の井上明彦氏、松田屋ホテル(山口・湯田温泉)料理長の梶本剛史氏、ダイニングすずしろ(佐賀・嬉野)料理長の佐藤文昭氏を委嘱した。
顧問、指南役は無償で引き受けてもらった。会員の旅館・ホテルからの日本料理に関する相談に応じてもらうほか、会員が地域ごとに開催する料理講習会の講師などを務めてもらう。特に、地域それぞれの魅力を引き出すために地産地消の料理の工夫などについてアドバイスを期待する。
15日には東京都千代田区の旅館協会会議室で委嘱式が行われた。観光庁観光戦略課の清水一郎課長が同席。旅館協会の近兼孝休会長は「全国にはいろいろな調理師会があり、優れた料理人もたくさんいて人選は難しいが、委嘱は初めての試み。顧問、指南役8人のお力を借り、成果を上げたい」と述べた。
顧問に就いた道場氏は、出身地が石川県の山中温泉で、旅館で修業を積んだことなどにも触れ、「私の人生と旅館のつながりは深いので引き受けた。本当の旬のうまいものを知っている人は少なくなったが、食材そのものの味をいただく大切さを伝えたい」と語った。顧問の大田氏も「世界に日本料理の良さを広めたい」と抱負を語ったほか、地産地消の食文化や料理人の育成の重要性について指摘した。
無形文化遺産に 和食を登録へ
日本料理は海外でも人気が高い。和食がユネスコ無形文化遺産に登録されれば、さらに注目が高まると期待される。登録の可否はユネスコ(国連教育科学文化機関)の審査などを経て、12月上旬に開かれる委員会で決定する。
無形文化遺産は、同じくユネスコの事業である「世界遺産」が自然や遺跡などの有形遺産を対象とするのに対し、芸能や工芸などの無形遺産を対象とする。これまでに世界各国から257件が登録されている。
無形文化遺産には、自国の食文化を登録する動きがあり、フランス、メキシコ、トルコなどが料理文化や伝統料理を登録している。日本からは、能楽や歌舞伎をはじめ地域芸能、伝統工芸など21件が登録されているが、食に関する遺産は登録されていない。
旅館・ホテル9月の倒産、5件・負債56億円
帝国データバンクによると、今年9月のホテル・旅館経営業者の倒産は5件、負債総額は56億4千万円だった。件数は1月に次いで今年2番目に少なく、負債総額も6カ月連続で100億円の大台を下回った。
件数は前月比3件、前年同月比4件それぞれ減少(37.5%減、44.4%減)。負債総額は前月比39億2500万円増加、前年同月比17億4千万円減少(228.9%増、23.6%減)した。
件数が10件未満の1ケタにとどまるのは4カ月連続。負債総額は今年5番目に少ない水準だった。
1月からの累計は、件数が前年同期比7件減(8.3%減)の77件。負債総額が同136億500万円減(20.0%減)の545億7100万円。
3件、負債3.2億円 9月の旅行業者倒産
帝国データバンクによると、今年9月の旅行業者の倒産は3件、負債総額は3億2千万円だった。件数は前月と同数、前年同月比1件増加(50.0%増)した。負債総額は前月比1億6100万円増加(101.3%増)、前年同月比1億8100万円減少(36.1%減)した。
1月からの累計は、件数が前年同期比7件増(25.9%増)の34件。負債総額が同8億5千万円減(22.5%減)の29億2500万円。
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