日本政府観光局(JNT0)は15日、今年度の国際会議誘致・開催貢献賞の受賞会議を発表した。国際会議の主催者や開催都市、誘致推進者などの社会的評価を高めることを目的にした表彰制度。海外都市との競争を経て誘致に成功した「誘致の部」で5件、会議運営、地域貢献などで模範となる「開催の部」で7件、合わせて12件を表彰した。
2012年度中に誘致が決定、または開催された国際会議で、各コンベンション推進機関が推薦した案件を有識者で構成する審査委員会(委員長・澤田利彦松陰大学教授)で審査した。
誘致の部の受賞会議の一つが、17年10月または11月に横浜市で開かれる「第18回世界肺癌学会」。45カ国・地域から6千人(うち海外3千人)が参加する予定。
第18回世界肺癌学会の誘致では、シンガポール、香港、バンコクと競合。JNTOによると、シンガポールが巨額の開催補助金を提示するなどしたが、横浜側は開催費用や補助金の詳細を示し、視察の際に市長がトップセールスを行うなどして開催を勝ち取った。
開催の部の受賞会議の一つは、12年5月に新潟市で開かれた「小惑星・彗星・流星会議(ACM)2012」。世界30カ国・地域から399人(うち海外286人)が参加した。
ACMは11年7月に開催予定だったが、東日本大震災の影響で延期。他都市で代替開催する意見もあったが、国際本部への熱心な働きかけで新潟開催が実現。会議には日本の高校生が発表者として参加する企画があったほか、この会議をきっかけに、「岩手」「宮城」などの被災地の地名が復興を祈って小惑星の名称に採用された。
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他の受賞会議は次の通り(カッコ内は開催期間、開催都市)。
誘致の部=第99回国際キワニス年次総会(14年7月、千葉市)▽第9回国際矯正歯科会議世界大会(20年10月、横浜市)▽第15回アジア・オセアニア放射線医学会大会(14年9月、神戸市)▽第17回アジア弁理士協会総会2015(15年11月、沖縄県宜野湾市)
開催の部=国際幹細胞学会第10回年次大会(12年6月、横浜市)▽第19回国際質量分析会議(12年9月、京都市)▽第9回国際糖尿病連合西太平洋地区会議および第4回アジア糖尿病学会学術集会(12年11月、京都市)▽第26回国際計量生物学会議(12年8月、神戸市)▽第51回東洋東南アジア・ライオンズフォーラム(12年11月、福岡市)▽第32回国際泌尿器科学会総会(12年9〜10月、福岡市)