中小企業、14年の業況DI見通しは10ポイント上昇 |
日本政策金融公庫はこのほど、「2014年の中小企業の景況見通し」を発表した。中小企業の2014年の業況判断DI(前年比で改善とする企業割合から悪化とする企業割合を引いた値)は13.0で、2013年の2.7から10.3ポイント上昇する見通しだ。設備投資、家電、食生活、衣生活関連などで上昇が見込まれるが、原材料価格や燃料コストの高騰、人材不足などが経営上の不安要素として上がっている。
調査は中小企業景況調査(2013年11月)の付帯調査として3大都市圏の同公庫取引先900社に行い、608社から有効回答を得た。
2013年の業況判断DIは2.7で、2012年のマイナス4.1から6.8ポイント上昇した。2014年はさらに上昇する見通しだ。
2014年の業況判断DIを六つの需要分野別でみると、2013年にマイナス水準だった設備投資関連が18.8、食生活関連が15.3、家電関連が14.3と、同年からそれぞれ32.8ポイント増、22.1ポイント増、17.9ポイント増と、大幅に上昇する見通し。
衣生活関連は11.8で、0.3ポイント増。建設関連は15.2で8.9ポイント減、乗用車関連は0.0で1.6ポイント減と、それぞれ低下の見通し。
2014年に向けての不安要素を挙げてもらったところ(三つまでの複数回答)、「国内の消費低迷、販売不振」が69.6%でトップ。ただ、前年の82.2%から12.6ポイント低下した。
2位は「原材料価格、燃料コストの高騰」で53.1%。前年の32.5%から20.6ポイント上昇した。3位は「人材の不足、育成難」の31.7%。前年(21.0%)から10.7ポイント上昇した。4位以下は「取引先の海外生産進展」(19.9%)、「為替相場の変動」(17.1%)、「金融動向(金利上昇・調達難)」(14.5%)、「取引先の経営不安、経営破たん」(14.4%)、「製品、サービス価格の低下」(13.3%)—など。
経営基盤の強化に向けて注力する分野(三つまでの複数回答)は、「営業・販売力の強化」が72.9%と最も多く、以下、「人材の確保.育成」(41.6%)、「販売価格引き上げ、コストダウン」(40.0%)、「財務体質の強化(借入金返済等)」(25.7%)、「技術・研究開発の強化」(21.4%)—などとなっている。 |
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