外国人客の買い物、10月から全品目免税 |
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免税店のシンボルマーク
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訪日外国人旅行者のショッピングに関し、消費税が免除となる対象が2014年10月から全品目に拡大される。12月24日に決定された政府の税制改正大綱に盛り込まれた。現行では、家電製品や装飾品などに限られていたが、税制改正後は食品・飲料類、化粧品なども免税となる。観光庁は、訪日外国人による地域の特産品などの消費を拡大しようと、地方に免税店を増やす施策を展開する。
新たに免税対象となる品目では、外国人1人当たり1日1店舗で「5千円超、50万円以下」の購入で免税になる。日常品が対象となることから、旅行中の消費と区別するため、店舗での包装には定められた方法を導入する方針。
家電製品や装飾品など既存の対象品目については、現行通りに外国人1人当たり1日1店舗で「1万円超」の購入が免税の対象となる。
全品目を免税対象にすると同時に、免税店の店頭での手続き負担を軽減するため、免税申請書類の様式の改善、店頭のIT化に対応した手続き手法の簡素化なども進めていく。
現在、免税店は全国に約4千軒あるが、東京や大阪など都市部に集中している。地方に免税店を増やすため、1月中にも国土交通省の各地方運輸局に問い合わせ窓口を設置し、小売業などからの相談に対応する。免税店の設置許可を得るためのマニュアルなども作成する予定。
また、外国人旅行者から「免税店がどこにあるか分からない」といった指摘もあることから、免税店の統一したシンボルマークを制定。制度改正の内容とともに海外にPRし、免税店の認知度向上につなげていく。
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観光庁予算案、2%増の98億円計上 |
政府が12月24日に決定した2014年度予算案で、観光庁予算は、前年度当初予算比2%増の98億1100万円となった。復興庁に計上される東北太平洋沿岸部や福島県の観光復興に関する予算を含めると、同1%増の103億5900万円。訪日外国人旅行者2千万人を目指すスタートの年としてビジット・ジャパン事業などを拡充した。
ビジット・ジャパン事業の総額は、同7%増の61億500万円。内訳は、重点市場に対するプロモーション事業に49億300万円、東南アジア諸国への横断的なプロモーションや欧州の潜在市場などへの広告展開を行う戦略的訪日拡大プランの推進事業に12億200万円。
他の主な予算は、MICE(国際会議など)の誘致・開催の促進事業に4億5千万円、観光圏を対象にした観光地域ブランド確立支援事業に2億7400万円、着地型旅行のビジネスモデルを地域に構築するための観光地ビジネス創出の総合支援事業に7200万円など。
予算編成に向けて観光庁が13年8月に財務省に要求した予算額は114億4100万円。復興予算を含めて123億3600万円だった。観光庁は「非公共事業予算にプラスの伸びを見込むのがなかなか難しい中、前年度増の予算が認められた」としている。 |
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補正予算、観光関係に15億円 |
政府は12月12日、競争力強化などの経済対策を盛り込んだ今年度補正予算案を閣議決定した。観光関係予算では、外国人旅行者の訪日促進キャンペーンに11億円、着地型旅行のビジネスモデル構築を支援する事業に4億円、合わせて15億円を計上した。
訪日促進キャンペーンでは、春季の旅行需要の取り込みに向けてプロモーションを実施。対象市場は、訪日旅行者数の多い東アジア、査証(ビザ)の発給要件緩和で訪日旅行意欲の高い東南アジアに加え、プロモーションにより大幅な旅行者数の増加が期待される欧州、インドなど。
東アジア、東南アジアに対しては、旅行会社を招請してファムトリップや商談会を開催。現地の旅行会社と連携した共同広告も展開する。広告展開では、4月の消費税増税がショッピング観光に影響しないようにPRの仕方を工夫する。欧州などの市場にはテレビCMなどを含めたプロモーションの展開を検討する。
着地型旅行のビジネスモデル構築を支援する事業の正式名称は「観光地ビジネス創出の総合支援」。着地型旅行を推進する地域の団体や企業などが、補助金などに頼らずに収益を確保し、自立的、継続的にビジネスを展開できる仕組みづくりが目的。地域への専門家の派遣、地域での勉強会やシンポジウムの開催に補助金を交付する。意欲ある地域を募集し、数十件を採択して支援する。 |
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