新規開業、顧客開拓が課題 日本公庫調査で判明 |
日本政策金融公庫はこのほど、「2013年度新規開業実態調査」の結果を公表した。それによると、新規開業者の開業時の平均年齢は41.7歳で、現在課題となっていることは「顧客・販路の開拓」、課題を克服するために行ったことは「個人的な友人・知人に紹介を依頼」などの実態が明らかになった。
開業者の開業時の年齢は30歳代が40.2%で最も多く、これに40歳代(29.8%)を合わせると70.0%になる。「長期的にみると、29歳以下の割合が低下する一方で、60歳以上の割合が高まっている」と同公庫。開業時の平均年齢は41.7歳で、「1990年代から2000年代前半にかけて上昇傾向にあったが、近年はほぼ横ばいで推移している」。
開業直前の職業は「正社員(管理職)」が44.7%、開業動機(三つまでの複数回答)は「自由に仕事がしたかった」が53.9%でそれぞれ最多。
開業業種は「サービス業」(23.6%)、「医療、福祉」(19.6%)、「飲食店、宿泊業」(15.1%)の順で多い。「直近の推移をみると、特に『医療、福祉』の割合が高くなってきている」。
開業費用は「500万円未満」が34.8%と最多。平均値は1195万円で2011年度の1162万円に次ぐ低水準となった。
開業時の資金調達額は平均1337万円。内訳は「金融機関からの借入」(833万円)、「自己資金」(327万円)の順で多い。
現在の業況をたずねたところ、平均月商は369.6万円で、直近3年間で増加傾向に。一方、予想月商達成率では、「125%以上」(24.6%)、「100〜125%未満」(23.8%)の割合が前年からわずかに減少しており、開業前に予想した売り上げを達成できていない企業が増えている。現在の採算状況は「黒字企業」が65.6%で、ほぼ横ばいで推移している。
開業時に苦労したこと(三つまでの複数回答)は「資金繰り、資金調達」(46.1%)、「顧客・販路の開拓」(44.7%)、「財務・税務・法務に関する知識の不足」(29.3%)など。
現在苦労していることでは「顧客・販路の開拓」が44.8%と最も多い。新規の販売先や顧客を開拓するために行った取り組み(複数回答)では、「個人的な友人・知人に紹介を依頼」(44.2%)が多かった。
開業時に利用した支援策(三つまでの複数回答)では、「先輩起業家や専門家による助言・指導」(21.2%)、「低金利融資制度や税制面の優遇措置」(19.5%)が上位にあがっている。ただ、「とくにない」も39.6%あった。 |
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