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インバウンド ■第2737号《2014年2月1日(土)発行》    
 

13年の訪日外客数は1036万人に

 2013年の訪日外国人旅行者数は、年間で初めて1千万人を突破し、1036万4千人となった。前年に比べ24.0%の増加。日本政府観光局(JNTO)が1月17日に推計値として発表した。台湾、香港などが過去最高を記録。東南アジアも大幅に伸びた。一方で、最大の訪日市場である韓国は過去2番目の実績にとどまり、中国は主要18市場の中で唯一、前年実績に届かなかった。

 JNTOは、訪日外客数の増加要因として、(1)円高の是正による旅行費用の割安感の浸透(2)7月から開始された東南アジア諸国の査証(ビザ)緩和の措置(3)継続的なビジット・ジャパン(VJ)事業によるプロモーションの効果(4)LCC(格安航空会社)の新規就航などによる航空座席供給量の増加—などを挙げている。

 主要市場のうち年間の過去最高を記録したのは、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インド、豪州、フランス。

 台湾は前年同月比50.8%増の221万800人で、全体に占める構成比は韓国に次ぐ。香港は同54.8%増の74万5800人だった。東南アジアは、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナムの6カ国合計で同48.3%増の114万8800人となった。

 韓国は、同20.2%増の245万6100人。07年の260万694人に次ぐ実績だが、原発事故に伴う汚染水問題が大きく報道された影響や日韓外交関係の冷え込みなどで下期の訪日が伸び悩んだ。

 中国は、同7.8%減の131万4500人だった。12年の142万5100人、10年の141万2875人に次ぐ過去3番目の実績。日中外交関係の悪化などが団体旅行に影響したが、9月以降は訪日旅行への忌避感が薄れ、前年同月比でプラスに転じて推移した。

 この他、米国が同11.5%増の79万9200人、豪州が同18.5%増の24万4600人だった。欧州は、英国が同10.3%増の19万1900人、フランスが同18.8%増の15万4900人などだった。

12月は87万人 韓国はマイナス
 12月の訪日外客数は、前年同月比25.4%増の86万4600人だった。12月として過去最高を記録。前年同月と比べて中国、台湾は大幅なプラスとなったが、韓国はマイナスだった。

 市場別では中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、豪州、米国、フランスが12月の過去最高を更新した。

 中国は同84.8%増の9万6700人、台湾は同34.6%増の14万9400人、香港は同61.5%増の7万2100人だった。タイは同119.0%増の5万6千人と倍増した。

 一方で韓国は同8.6%減の18万2800人だった。10月から3カ月連続で前年同月の実績を下回った。



政府、訪日外客2千万人へ行動計画改定
 安倍晋三首相が主宰する観光立国推進閣僚会議の第3回会合が1月17日、首相官邸で開かれた。政府が掲げてきた訪日外国人旅行者数1千万人の目標達成を踏まえ、2千万人に向けて現行の「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」を6月をめどに改定することを決めた。

 安倍首相は「観光立国の推進は重要な成長戦略だ。わが国は、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の開催という大きなチャンスを得た。これを追い風として、2020年に向けて、2千万人の高みを目指していきたい」と述べた。

 さらに「各閣僚においてはアイデアを総動員し、外国人旅行者に不便な規制や障害を徹底的に洗い出してもらいたい。できることは速やかに実施に移していくとともに、政府一丸となって観光立国を加速できるよう、ご協力をお願いしたい」と呼びかけた。

 早期に実現可能な施策については、省庁の副大臣や大臣政務官で構成するワーキングチームが、有識者などの意見を聞きながら実施に移す。同時にアクション・プログラムの改定を検討する。

 改定するアクション・プログラムは昨年6月に閣議決定した行動計画で、(1)日本ブランドの作り上げと発信(2)ビザ(査証)要件の緩和等による訪日旅行の促進(3)外国人旅行者の受け入れの改善(4)国際会議等(MICE)の誘致や投資の促進—が施策の柱となっている。



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