観光業界、訪日外客1千万人達成の記念祝賀会開催 |
|
1千万人達成を祝う鏡開き |
訪日外国人旅行者1千万人の達成を記念した祝賀会が1月27日、東京都港区の東京プリンスホテルで開かれた。観光業界の賀詞交歓会と併せて開催。観光業界、政府、政界などから約600人が参加し、次の目標2千万人に向けた取り組みを誓い合った。
主催は、観光22団体でつくる懇談会、日本観光振興協会、観光庁、日本政府観光局(JNTO)。
主催者を代表してあいさつした日観振の山口範雄会長は「官民一体の努力で1千万人を達成できた。今年は2千万人へのスタートの年だが、グローバル化は進み、デスティネーションの競争が激化している。日本のブランド確立などが不可欠となり、そのためには連携が重要だ。地域、産業、さまざまな分野の連携をさらに進めていきたい」と述べた。
太田昭宏国土交通相は、1千万人達成への関係者の努力に感謝の言葉送るとともに、「次は2千万人の高みを目指すことになるが、その実現にはビザの緩和、多言語対応などやるべきことがたくさんある。一方で日本の観光はポテンシャルが高い。今日を新しいスタートを切る日とし、皆さまの力を結集させて取り組もう」と呼びかけた。
ステージ上では1千万人達成を祝う鏡開きが行われた。乾杯の発声は、経団連の大塚陸毅副会長・観光委員長(JR東日本相談役)が務めた。
会の半ばに駆けつけた菅義偉官房長官は「観光立国日本の実現は、(安倍政権が掲げる)成長戦略の中でも最も重要な課題として位置付けている」とした上で、免税品制度の大幅な拡充などを例に挙げ、「訪日外国人にとって厳しい規制や障害は政治の力で解決したい」と力を込めた。また、「フランスは8千万人が訪れているが、日本も決して夢ではない。大きな目標に向かって、観光立国実現のためにがんばろう」と呼びかけた。
|
|
安倍首相、施政方針演説で観光立国実現に強い意欲示す |
安倍晋三首相は、1月24日に開会した通常国会の施政方針演説で、地方の活性化につながる観光立国の実現に強い意欲を示した。「観光立国」の項目を設け、文字数にすると、350字余りを費やした。訪日外国人旅行者2千万人の達成に努力することなどを訴えた。
訪日外国人旅行者の誘致に関しては、「やれば、できる。次は2千万人の高みを目指し、外国人旅行者に不便な規制や障害を徹底的に洗い出す。
2020年に向かって、目標を実現すべく努力を重ねていく」と述べた。
また、観光については「元気な地方を創る」の項目の中でも触れ、「地方には、特色ある産品や伝統、観光資源などの『地域資源』がある。そこに成長の『可能性』がある。地域資源を活かして新たなビジネスにつなげようとする中小・小規模事業者を応援する」との考えを示した。
観光立国と題した演説部分は次の通り。
(観光立国)
昨年、外国人観光客1千万人目標を達成いたしました。
北海道や沖縄では、昨年夏、外国人宿泊者が8割も増えました。観光立国は、地方にとって絶好のチャンスです。タイからの観光客は、昨年夏ビザを免除したところ、前年比でほぼ倍増です。
やれば、できる。次は2千万人の高みを目指し、外国人旅行者に不便な規制や障害を徹底的に洗い出します。フランスには毎年8千万人の外国人観光客が訪れます。日本にもできるはず。2020年に向かって、目標を実現すべく努力を重ねてまいります。
「日本人のサービスは世界一」
1千万人目として、タイから来日したパパンさんの言葉です。日本のおもてなしの心は外国の皆さんにも伝わっています。昨年は富士山や和食がユネスコの世界遺産に登録されました。日本ブランドは、海外から高い信頼を得ています。
観光立国を進め、活力に満ちあふれる地方を、皆さん、創り上げようではありませんか。 |
|