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トラベル ■第2740号《2014年2月22日(土)発行》  
 

ANTA、和歌山で国内観光活性化フォーラム開催、1万2千人が来場
観光振興について意見を交わしたパネルディスカッション

 全国旅行業協会(ANTA、会長=二階俊博衆院議員)は11日、着地型旅行の推進による国内観光の活性化と地域振興を目的とする「第10回国内観光活性化フォーラムin和歌山」を和歌山市の和歌山ビッグウエーブで開催した。講演やパネルディスカッションなどには久保成人・観光庁長官や仁坂吉伸・和歌山県知事ら豪華なゲストが登場。全国の5500会員が集客に努め、前回の5700人を上回る1万人という高い目標を超え、来場者数は併催の「地旅博覧会」と合わせ1万2千人を数えた。二階会長の地元、和歌山での節目の10回大会は盛大なものになった。

 フォーラムでは、芥川賞作家の辻原登氏を講師とする記念講演「わが聖地・熊野。—そして物語がはじまる」を開催。続いて、「観光振興と未来の創造」をテーマに二階会長、久保長官、仁坂知事らが参加するパネルディスカッションが行われた。

 二階会長は「どんな素晴らしい国でも戦争をしている所へは誰も行きたくない。観光を発展させようと思ったら戦争をしてはいけない。観光は平和産業だという誇りをもって皆で進めよう」と訴えた。久保長官は「インバウンドの振興も国内旅行の振興も地域の魅力づくりが基本だ。観光庁はそのための呼び水や仕掛けを作っていく」と観光庁の役割を示した。

 パネリストはほかに、日本旅行業協会(JATA)の菊間潤吾会長、中国国家観光局(東京)の張西龍首席代表、錦湖アシアナグループの朴三求会長、日本経済新聞社の芹川洋一論説委員長、ロンドンオリンピック女子体操日本代表の田中理恵さん。コーディネーターは衆議院議員の門博文氏が務めた。

 さらに、「地旅大賞」や「学生が作る着地型旅行プラン」の表彰式も実施。「観光立国和歌山宣言」がなされ、閉会した。

 大会冊子には安倍晋三・内閣総理大臣も「地旅を目指し、地域の活性化に貢献しようとしている皆様に敬意を表したい」などとANTA会員にコメントを寄せており、和歌山から日本の観光を築き上げる、記念すべき10回目の国内観光活性化フォーラムとなった。

 また、フォーラムに併せて、株式会社全旅(池田孝昭社長)の主催により、着地型旅行「地旅」を一般消費者にアピールするイベント「地旅博覧会」も同時開催された。



地旅博で地域の魅力をアピール
地旅博覧会の会場

 フォーラム会場と隣接する和歌山ビッグホエールで開かれた地旅博覧会。地元・和歌山をはじめとする全国各地の郷土芸能やご当地キャラクターのショーなどさまざまなイベントを展開し、地旅を通して楽しめる旅の魅力をアピール。休日とあって親子連れなどでにぎわった。

 オープニングセレモニーで池田会長は「北海道から九州、沖縄までの全旅の会員と地域の住民が一体となって、そこに行かなければ経験できない観光素材の掘り起こしをして磨きをかけ、全国の5500会員に販売する。そのことによってその地域が元気になる」と強調。ANTA会員は地域活性化の一助を担っていることを力説した。

 会場では「真田太鼓」「黒潮躍虎太鼓」の演奏や「雑賀・根来・九度山鉄砲隊による火縄銃演武」「藤原定家の熊野詣」のイベントなどで、和歌山の魅力を紹介。「佐渡おけさ」や「牛深ハイヤ」など全国のハイヤ節も披露した。中国、韓国、ベトナムの歌や演奏による日中越交流イベントも開催。宝塚歌劇団OGによるパフォーマンスショーで幕を閉じた。



東海汽船、島ガールツアーで初の隠岐商品造成
ツアーでは「壇鏡の滝」(隠岐の島町)の水を汲んで絶景の岬で「外カフェ」を楽しむ

 東京と伊豆諸島などを結ぶ航路を運航する東海汽船はこのほど、離島好きの若い女性限定商品、島ガールツアーで初めて島根県の隠岐諸島を巡る商品を発売した。同社が定期航路外のツアーを造成するのは異例で、島ガールツアーとしては初の試み。

 同じく「島ガール」をキーワードに誘客促進を図ってきた隠岐との交流から商品が生まれた。

 ツアー期間は5月16日から18日の2泊3日。羽田から米子まで空路で移動し、境港から隠岐汽船で隠岐諸島の西ノ島町に向かう。初日の夜には、隠岐を好きになってもらおうと活動する「ロマンティック愛ランド委員会」を中心とした地元の若者たちとの交流会も予定されている。

 世界ジオパークに認定された隠岐の摩天崖のウォーキングや遊覧船クルーズ、夜の隠岐神社参りなど、隠岐諸島を満喫できるメニューとなっている。料金は7万4800円で、最小催行人数は10人。

 東海汽船が島ガールツアーを立ち上げたのは2010年12月。伊豆諸島の島々でハイキングや釣りなどを楽しむアクティブなツアーが中心で、首都圏在住の20〜40代を中心に好評を得てきた。隠岐ツアーをきっかけに5年目を迎えた島ガールブランドの全国展開を図っていく。



JATAが訪韓団を派遣、渡航300万人回復目指す
 日本旅行業協会(JATA)は4〜7日、韓国関係者と韓国への日本人旅行客の回復を目的とした協議を行うため、訪韓団を派遣した。2014年は韓国への渡航者数が300万人に回復するよう、旅行業関係者が努力していくことを確認した。

 昨年の日本人の韓国への渡航者数は前年比21.9%減の275万人。観光業界ではさらに大きな影響があったことから、JATAでは昨年11月、日本の旅行会社と韓国のツアーオペレーターでJATA・KATA(韓国一般旅行業協会)観光促進ワーキングを立ち上げ、韓国観光公社の協力のもと、韓国旅行復活策の協議を行ってきた。

 今回協議を行ったのは文化体育観光部、韓国観光公社、KATA、ソウル市など。済州島、プサン市も訪問し話し合いを行った。

 韓国での協議は、韓国側に国や行政のトップから安心、安全と日本人旅行者を歓迎するメッセージを発信してもらうほかに、ショッピングクーポンや修学旅行や団体旅行向けにWi—Fiルーターの提供を要請。前向きに検討すると回答を得た。

 日本側は韓国観光公社と協力してJATA会員会社と協力してできるだけ早期に観光キャンペーンを実施し、観光需要の喚起を図っていくことに合意した。

 訪韓団には菊間潤吾会長やKNT—CTホールディングス会長の吉川勝久氏、エヌオーイー会長の林田建夫氏、グローバルユースビューロー会長の古木康太郎氏のほか、読売旅行、日本旅行、阪急交通社、JTBワールドバケーション、ANAセールス、ジャルパックなどの役員ら18人が参加した。



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