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観光行政 ■第2747号《2014年4月19日(土)発行》    
 

観光庁、マーケティング本部を設置
 観光庁は11日、訪日外国人2千万人の目標を見据え、ビジット・ジャパン(VJ)事業の推進態勢を強化しようと、「マーケティング戦略本部」を庁内に設置した。外部のマーケティング専門家をメンバーに加え、最新の知見を取り入れる。従来の事業手法などを検証した上で推進方針を決定。日本政府観光局(JNTO)との連携も強化し、戦略的なプロモーションの実施を目指す。

 観光立国推進閣僚会議や交通政策審議会観光分科会が2千万人実現への施策を議論する中、VJ事業も従来通りの手法だけでは目標に見合った成果を上げられないとして、より科学的・合理的な分析に基づく戦略なマーケティングに取り組む。

 戦略本部の体制は、長官が本部長、次長が本部長代理、審議官とJNTO担当理事が副本部長を務める。本部員は観光庁の担当課長・参事官、JNTOの担当部長のほか、国土交通省の国際政策、航空戦略の担当課長、専門家の計8人。本部員は必要に応じて増やす。

 外部から招いた専門家は、恩藏直人・早稲田大学商学学術院教授と安藤和代・千葉商科大学サービス創造学部准教授。恩藏氏の専門はマーケティング戦略で、世界的なマーケティングの権威、フィリップ・コトラー氏とも交流がある。現在は交通政策審議会観光分科会の臨時委員も務める。安藤氏はマーケティング論が専門で消費者行動なども研究テーマ。大手アパレルメーカー「ワールド」で広報宣伝を手掛けた経歴も持つ。

 JNTOとの連携強化も戦略本部設置の狙いの一つ。来年度以降のVJ事業は、JNTOを発注主体とする予定になっており、2千万人の達成に向けた事業の推進態勢を整えていく。

 当面、月1回程度のペースで会合を持つ。プロモーションの推進方針を定め、今年度のVJ事業の実施にも順次、検討内容を反映させていく。


観光庁、VJ事業で企業のアイデアを採用
 観光庁は、官民が連携して実施するビジット・ジャパン(訪日旅行促進)事業に関し、民間企業から寄せられた事業のアイデアの中から10件を今年度中に実施する。「和食」を海外にPRする事業、イスラム圏に向けてハラルに対応した宿泊施設を紹介する事業などを具体化する。

 民間企業の持つネットワークやブランド、ノウハウを活用して訪日旅行者の誘致に生かそうと、事業のアイデアを今年2月に民間企業から募集したところ、181件の応募があった。

 採用した主な事業案は次の通り。

 ・多数の国で放映されている国際的なチャンネルを活用するとともに、世界的に有名な日本食の料理人と連携し、無形文化遺産「和食」を中心に映像を活用して日本の魅力を発信する事業

 ・イスラム圏に向けた日本のハラル対応施設(ホテル、レストラン、観光地など)の紹介番組の制作と、当該映像の自由な使用を認めることによる多面的な情報発信

 ・多くの業種の日系企業が連携し、各企業のブランド力を結集して集中的に行う訪日旅行促進イベント・キャンペーン

 ・訪日外国人向け免税制度改正を契機とし、日系企業の海外ネットワークを活用した免税PRと、キャンペーン等によるショッピングツーリズムの促進事業



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