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インバウンド ■WEB増刊号《2014年5月10日(土)発行》    
 

3月の訪日外国人は過去最高の105万人

 3月の訪日外客数は、前年同月比22.6%増の105万1千人となった。3月として過去最高で、1カ月当たりの客数としても過去最高だった。日本政府観光局(JNTO)が4月23日に推計値として発表した。桜の開花シーズンに合わせたプロモーションの効果などで中国、台湾、東南アジアなどが好調だった。韓国は2月に続き、前年同月の実績を下回った。

 3月として過去最高を記録したのは、中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インド、フランス、ロシア。タイは1カ月当たりでも過去最高だった。

 中国は、個人旅行、団体旅行ともに増加傾向にあり、前年同月比80.1%増の18万4200人。上海発のクルーズ5隻の寄港、円安傾向に伴うショッピングの割安感などがプラスに働いた。台湾は桜鑑賞の旅行が好調で同41.4%増の20万8500人だった。

 東南アジアでは、タイが桜鑑賞ツアーやインセンティブツアーが好調で同58.5%増の7万1100人だったほか、マレーシアが同74.6%増の2万3400人、シンガポールが同22.3%増の1万6400人。

 一方で韓国は同7.2%減の19万2100人だった。2カ月連続のマイナスだが、3月としては過去2番目の実績。昨年3月には祝日に絡む3連休があったが、今年は日並びの関係で3連休にならなかったこと、大手航空会社を中心に座席供給量が減少していることなども影響した。

 欧米豪では、イースター休暇が昨年は3月29日〜4月1日だったのに対し、今年は4月18〜21日だったため、旅行需要が4月にずれ込んだ。この影響などで英国が同8.4%減の2万人、豪州が同5.6%減の2万1300人だった。一方、フランスは大幅に伸びて同21.0%増の1万5800人、米国は同7.1%増の8万900人だった。

 1〜3月累計の訪日外客数は、前年同期比27.5%増の287万4500人。円高の是正による訪日旅行の割安感の浸透、東南アジアに対する査証(ビザ)緩和の効果、ビジット・ジャパン事業のプロモーション効果などで、第1四半期として過去最高を記録した。

 JNTOでは、3月以降の動向について、3月30日からの羽田空港国際線の発着枠の拡大に触れ、「欧州路線、東南アジア路線の新規就航、増便が、訪日外客数の増加につながることが期待される」と指摘した。



観光庁など、東アジア向けに商談会
 観光庁、日本政府観光局(JNTO)は4月14日、韓国、中国、香港、台湾から大手旅行会社84社、主要メディア15社を招請する東アジア商談会を東京都内で開催した。日本各地で視察ツアーも行い、訪日旅行の企画、商品造成を促した。

 商談会には、日本国内の観光関係団体、事業者など111団体、270人が参加。地域の魅力や観光素材を売り込み、各市場の旅行会社などと商談を繰り広げた。

 視察ツアーは、韓国の関係者に北陸(五箇山、金沢など)、中国に九州(阿蘇、福岡など)、香港に北陸・新潟(和倉温泉、十日町など)、台湾に四国(道後温泉、高松など)を紹介した。

欧州の潜在市場にテレビCMを展開
 今後の訪日旅行者数の増加が期待されるイタリア、スペイン、オランダなどの欧州の潜在的な市場に向けては、テレビCMや動画共有サイトを使った広告宣伝事業を実施している。映像では日本の四季や和食、おもてなしなどをPRしている。

 広告宣伝事業は、4月28日から6月30日にかけて展開。テレビCMはBBC、CNN、Euronewsの合計で1580本以上を放映。動画はユーチューブを活用。テレビCMや動画の視聴者を誘導するウェブサイトも6言語で開設した。



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