夏の国内旅行人数は7639万人、過去最高を更新 |
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JTBが3日発表した夏休み(7月15日〜8月31日)の宿泊旅行動向の見通しは、国内旅行人数が7639万人、前年比0.2%増と過去最高を更新した。消費増税やゴールデンウイークの日並びの影響で4〜5月の旅行消費は落ち込んだが、この夏は、ベースアップや夏期ボーナスの増加などによる所得の向上や雇用環境の好転もあり、旅行意欲は高い。消費増税やガソリン高などの影響で、旅行平均費用は3万7500円、7.1%増加すると予測する。
旅行先は、あべのハルカスや今月15日に「ハリー・ポッター」エリアがオープンするユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどにより大阪が注目されている。世界文化遺産登録で「富岡製糸場」の見学者が増えるとともに群馬県、長野県などの周辺観光地への波及効果も期待される。
四国八十八ヶ所霊場開創1200年記念となる四国は、各霊場でライトアップや特別拝観などさまざまな企画が行われ、人気を集めている。「瀬戸内しまのわ2014」が開かれている瀬戸内海の各地もにぎわいそうだ。
消費者アンケートを見ると、「温泉でゆっくりする」「テーマパーク・レジャー施設」「自然や風景を楽しむ」「家族や友人と親睦を深める」「おいしいものを味わう」が昨年より増加。一方、アウトドア系は減少しており、「今年はアクティブに動くより、温泉などでのんびりしながらおいしいものを味わう、といった意向が強い」(JTB)。
出発ピークは8月13〜15日と予想。平均旅行日数は1泊2日と5泊以上が共に増加し、二極化傾向が見られる。
海外旅行については、旅行者数は昨夏と同じ263万人、旅行平均費用は0.9%増の24万2600円となる見込み。台湾やシンガポール、インドネシアなどの東南アジアが好調だ。
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田川JATA会長が会見、業界全体の底上げ強調 |
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「激動するマーケットの変化に迅速に対応し、旅行業界全体の底上げと地位向上に取り組んでいきたい」。日本旅行業協会(JATA)の田川博己会長(JTB会長)は2日、東京都内のJATA本部で会長就任会見を行い、意欲を語った。
「ツーリズム産業の役割と期待は大きい」と田川会長。経済効果よりも雇用効果が期待されているとして、「ツーリズム産業は裾野が広い。日本が成長していく過程でツーリズム産業に働く人を増やしていきたい」と優秀な人材の確保と育成に関する支援をさらに強化する考えを示した。
JATAが力を入れて取り組むべき課題としては、「ウェブを通じた国際競争に打ち勝つため、そのバリアとなっている諸制度の改正を含めた環境整備」「旅行需要創造につながるプロモーション活動や政策提言」「真の『観光大国』になるためのツーウェイツーリズムの促進」などを挙げる。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックは、「日本がアジアの成長をリードしていく象徴にするのが旅行業界の役割だ」と強調。また、「一過性のイベントに終わらせずに地域の活性化につなげる必要がある」と訴えた。
9月に開催される「ツーリズムEXPOジャパン」にも言及し、「オールジャパン体制で開かれる第1回。UNWTO(国連世界観光機関)やPATA(太平洋アジア観光協会)との連携も生かし、世界を代表するイベントに育てていきたい」と展望を語った。 |
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JR西と北陸3県、福井で北陸カレッジ開催へ |
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北陸カレッジロゴ |
北陸三県誘客促進連携協議会とJR西日本は6月30日、「北陸カレッジ(福井)」を8月26日から実施すると発表した。監修は神戸松蔭女子学院大学。
昨年の北陸カレッジは、石川県内で、北陸エリアと関西エリアの地域間交流の促進、体験実習による学生の成長機会の創出および旅行需要の喚起を目的に実施。若者目線での旅行プラン提案や石川県の観光情報をフェイスブックで発信した。
福井県での今年度は、若者視点で、旅行プランに加え、北陸新幹線金沢開業に関連したプロモーション企画も提案される。フェイスブックによる情報発信も行われる。
優秀な提案については、JR西日本の観光情報サイト「JRおでかけネット」で紹介する予定。
参加大学は、関西地区からは神戸松蔭女子学院大学と立命館大学。首都圏からは、清泉女子大学、フェリス女学院大学、東洋大学。中国地区からは広島経済大学、地元福井県からは福井大学、仁愛大学と、過去最大規模で実施される。
スケジュールは体験実習を8月26〜29日に実施。10月中旬に中間報告会、11月下旬にJR西日本や旅行会社に成果報告会が行われる予定。
青谷実和代・神戸松蔭女子学院大学准教授は「北陸カレッジは、学生が旅や観光を楽しみながら、地域の課題を学生が発見し解決法を考える。非常に力が付くということで、就職活動にも役立っている」と話している。 |
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