温泉協会女性部、初のセミナー開催 |
|
温泉文化の重要性を強調するキャンベルさん |
日本温泉協会の女性部委員会(小口潔子委員長=四季彩一力)が主催する初の「温泉塾セミナー」が11日、東京・平河町の都道府県会館で開かれた。先着50人を募集していたが、満席の盛況ぶりだった。
冒頭あいさつした温泉協会の大山正雄会長は、「女性に意見を言ってもらい、活躍してもらうために委員会を設けた。早々とセミナーを開くなどとても勢いがある」と高く評価。小口委員長は「温泉利用者の目線から見た取り組みが必要であり、今までになかった切り口で活動を続けたい」と抱負を述べた。
講師は日本文学研究者で東大大学院教授のロバート・キャンベルさんで、「日本文化と温泉」をテーマに持論を展開した。「温泉が大好き」というキャンベルさんは旅館関係にも友人も多い。
講演では、18〜19世紀にかけて日本全国が温泉によってつながったことや、明治時代に発行された「磯部鉱泉繁盛記」や「熱海調音詩集」を紹介し、「熱海調音は温泉文化を文学にした」などと温泉の歴史をひも解く一方、東日本大震災で避難所の役割を果たした温泉旅館の存在の大きさなどを述べた。
キャンベルさんと出席者が記念撮影するなど、女性ならではの和やかな雰囲気のセミナーとなった。
同委員会は2014年度に新たに設けられた委員会で、小口委員長以外のメンバーは次の通り(カッコ内は所属、敬称略)
副委員長=稲穂照子(湯ケ野)、笹本かほり(湯村)、佐藤潤(秋保)▽委員=安部里美(大平)、石村旭代(箱根)、佐藤好恵(二岐)、島田美智子(松之山)、田村早代(四万)、中沢佑香(桃の木)、広川登美子(那須)、八木きよ美(あわら)、山口隆子(天童)
|
|
全旅連シルバースター部会、ガイド本発行へ |
高齢者に優しい宿の普及を進める全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)のシルバースター部会(多田計介部会長=石川県・ゆけむりの宿美湾荘)は8日、東京の都道府県会館で総代会を開き、今年度事業としてシルバースター登録施設を紹介するガイドブックの発行を決めた。フリーペーパーとして3万部を作成し、旅好きのシニア層などに配布する。
ガイドブックは2008年以来、6年ぶりの発行。近年はインターネットにシフトしていたが、「紙媒体は影響力があり、登録施設がメリットを実感できる」として、再発行を決めた。
内容は、登録施設(8日現在839軒)の紹介と、全国8ブロックごとの観光案内。A4判、72ページを予定し、3万部のうち1万2千部をシルバースター登録施設に無料配布。1万8千部をJTBパブリッシング発行の月刊誌「ノジュール」の定期購読者に送付する。
ノジュールは「旅」「健康」などをテーマにした50歳以上のシニア向けの月刊誌で、「シルバースター登録施設がターゲットとする客層と購読者層が一致する」(同部会)。ガイドブックは9月9日の発行予定で、ノジュールの9月17日発行号とともに同誌の購読者へ発送する。
今年度事業はこのほか、販促ツールの作成、シルバースター登録施設の拡大、インターネット集客事業の推進など。
販促ツールはサンリオとの提携による「ハローキティ」グッズで、キティをデザインしたうちわとハンドタオルを作成。登録施設に自館の集客のために利用してもらう。
登録拡大策では、7月30日に行われる第55回登録審査委員会で諮られる新規登録審査について、登録審査料1万円を免除し、新規登録施設の負担を軽減する。
多田部会長は「私が部会長となってから900軒台だった登録施設が830軒台へと減少した。ぜひ各県で1軒ずつの新規登録を、次回の登録審査委員会に向けてお願いしたい」と集まった47都道府県のシルバースター部会地区委員らに呼び掛けた。
議事終了後の研修会では、JR東日本の高橋敦司・鉄道事業本部営業部次長が「少子高齢化とシニアの視点で見る鉄道と地域と観光」をテーマに講演した。 |
|
阿寒湖温泉、排湯熱利用の可能性探る調査に着手 |
北海道の阿寒湖温泉(釧路市)の旅館・ホテルなどで組織する阿寒観光協会まちづくり推進機構(理事長=大西雅之・阿寒グランドホテル社長)は13日、温泉排湯熱の再利用を検証する調査研究に取り組むと発表した。事業化が実現すれば、路面凍結を防ぐロードヒーティングや宿泊施設の暖房、給湯などに活用できるとあって、地元では期待が高まっている。
同温泉には旅館・ホテルが13施設あり、排湯量は年間約12億リットル。現在、排湯は市の下水処理場に集めて処理し、川に放流している。40度前後の温度があるため、観光協会などでは、何とか排熱を有効利用できないか検討してきた。
そして、このほど経済産業省から、同機構、阿寒国立公園の土地のほとんどを所有する前田一歩園財団(同市)、建設コンサルタント・地質測量業の北電総合設計(札幌市)と共同で、今年度の再生可能エネルギー熱利用高度複合システム実証事業補助事業者に認定された。調査費用は900万円。
来年3月まで、正確な温泉の湧出量や湯温、時期による変化を調査し、事業化できるかどうかの判断材料にする。事業化の可能性が高まれば、排湯を処理している釧路市も加わり、利用方法を検討することにしている。
関係者によると、北海道の地域特性から、熱交換器を使ったロードヒーティングへの利用が、最も可能性が高いという。事業化が実現すれば、経済的な効果に加え、「環境にやさしい温泉地」として全国にPRでき、観光誘客にも寄与するとみられている。
|
|