観光庁はこのほど、MICEの開催による経済波及効果を把握できる「簡易測定モデル」を改良し、これまで使用してきた旧モデルに代えて新しい測定モデルの提供を始めた。経済波及効果が算出される対象範囲は、旧モデルでは「全国」だけだったが、新測定モデルでは「全国」「都道府県」「都市」別にそれぞれの数値が算出できるようになった。
簡易測定モデルは計算ソフトになっており、開催されるMICEの基本情報、開催地域の特性などの数値を入力すると、直接効果、間接波及効果、付加価値誘発額、就業効果、税収効果などが自動的に計算される。
自治体や企業などの関係者にMICEの誘致、開催への取り組みを促すには、経済波及効果のデータが不可欠なことから、観光庁が2009年度に簡易測定モデルを開発し、関係機関に提供していた。
新しい測定モデルは、地域ごとの産業連関表を利用することで、都道府県別、都市別の経済波及効果が算出できる。都市別の経済波及効果の算出は、コンベンション法に基づく「国際会議観光都市」に認定された52都市が対象になっている。
このほかにも、国際会議を種類別に「医学系」「科学・自然・技術」「その他」に細分化。算出結果の表示様式も従来より見やすくした。
簡易測定モデルは、観光庁の指定するEメールアドレス(
jp-mice@mlit.go.jp)に「経済波及効果測定モデル希望」と題したメールを「差出人の所属」「氏名」「連絡先(Eメールアドレス、電話番号)」を明記して送付すると入手できる。