全国企業の景気DI、2カ月連続で改善 |
帝国データバンクはこのほど、全国企業対象の景気動向調査の7月分を公表した。同月の景気DI(0〜100、50が判断の分かれ目)は前月比0.4ポイント増の46.9で、2カ月連続で改善した。同社では「消費税ショックの影響は底を打った」としながらも、全体的に小幅な伸びにとどまったことから「景気上昇の勢いは緩慢な動きになった」としている。業種別では、旅館・ホテルが同0.2ポイント増の47.7と、3カ月連続で改善した。
DIを10の業界別にみると、7業界で前月比改善した。このうちサービスは同0.3ポイント増の50.9と、2カ月連続で改善した。旅館・ホテルのほか、娯楽サービス、電気通信など15業種中10業種で改善した。旅館・ホテルは「東南アジアなどに対する訪日ビザ緩和で旅行客が増加した」ことが改善の要因に挙げられている。ただ、飲食店、情報サービスなどは前月を下回った。
このほか建設は同0.8ポイント増の53.5と、2カ月連続で改善。
金融は同1.7ポイント増の49.2と、3カ月連続で改善し、過去最高を更新した。
小売は同0.5ポイント減の37.3と、3カ月ぶりに悪化した。天候不順で夏物商材の動きが鈍かった各種商品小売、ガソリン価格高騰の影響を受けた医薬品・日用雑貨品小売などでDIが悪化。高額品を扱う自動車・同部品販売、家電・情報機器小売などは改善した。
10の地域別では、8地域で改善した。悪化は四国、九州の2地域で、東高西低の景況感となっている。
企業の規模別では、大企業が同0.3ポイント減の49.7と、2カ月ぶりに悪化。中小企業が同0.7ポイント増の46.1と、2カ月連続で改善した。大企業は不動産や住宅設備関連の悪化が響き、中小企業は生産設備向け設置工事や人材派遣などサービス関連を中心に景況感が改善した。
先行きの景況感についてサービス業から以下の回答が寄せられている。
「直近の宿泊の予約状況は概ね良好であるが、その先については不透明」(旅館)。
「シニア層が顧客の中心であり、次世代の顧客数が読めない」(ゴルフ場)。
「天候要因はあるものの、外食利用は上向き基調のまま推移するだろう」(日本料理店)。
「東京オリンピック・パラリンピック関連の建設投資が一段落するまでは、景気のよい状態が続くとみている」(建設機械機器賃貸)。 |
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