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トラベル ■第2765号《2014年9月6日(土)発行》  
 

北陸新幹線長野—金沢間開業日は来年3月14日
 JR東日本とJR西日本はこのほど、来年春の北陸新幹線長野—金沢駅間の開業日や運転本数などを発表した。開業日は来年3月14日に決まった。

 運転本数は、東京—金沢駅間の直通列車・速達タイプの「かがやき」が1日10往復運転。東京—金沢駅間の直通列車・停車タイプの「はくたか」は14往復。長野—金沢駅間の運転列車・停車タイプは1往復。富山—金沢駅間の運転列車・シャトルタイプの「つるぎ」が18往復。東京—長野駅間の運転列車・現長野新幹線タイプの「あさま」は16往復となる。

 新型車両であるJR東日本のE7系とJR西日本のW7系は12両編成で運転。「あさま」の一部はE2系の8両編成で運転される。

 「かがやき」は東京—金沢駅間を2時間28分、東京—富山駅間を2時間8分で走る。

 北陸新幹線金沢開業で、平行在来線の経営が地元の第三セクター鉄道会社に移管されることから、JRの特急列車も運行区の変更や新設、廃止が行われる。

 特急「はくたか」(越後湯沢—金沢・福井・和倉温泉駅間)、特急「北越」(新潟—金沢駅間)、特急「サンダーバード」(金沢—富山・魚津・和倉温泉駅間)が廃止。サンダーバードの大阪—和倉温泉駅間直通は1往復が残る。特急「しらさぎ」(金沢—富山・和倉温泉駅間)、特急「おはようエクスプレス」(金沢—富山・泊駅間)、快速「くびき野」(新潟—新井駅間)、快速「妙高」(直江津—長野駅間)も廃止となる。

 新たに金沢—和倉温泉駅間で、特急列車を5往復、福井—金沢駅間で特急列車を3往復運転する。新潟—上越妙高駅間には、特急「しらゆき」が5往復運転される(一部は新潟—新井駅間で運転)。

 快速列車は、新潟—新井駅間で2往復、新潟—糸魚川駅間で1往復運転する。



HISとANAセ、合弁会社を設立
写真(左から)HIS社長の平林朗氏、新会社社長の深木氏、副社長の廣岡氏、ANAセールス社長の白水政治氏

 エイチ・アイ・エス(HIS)とANAセールスは1日、東京都中央区のANAセールス本社で、訪日旅行の活性化に向けた提携に合意し、基本合意書を締結した。訪日客の個人旅行需要を取り込むため、国内旅行の企画、造成、手配を行う合弁会社を設立し、2015年春から営業を開始する。新会社の社名は11月の設立までに決定する。

 資本金は6億円。出資比率はHISが51%、ANAセールスが49%。社員数は7、8人で、両社から出向する。

 新会社は全日空(ANA)の国内線と国内ホテルやレンタカーなどとHISの国内宿泊サイト「スマ宿」で展開する宿泊施設やハウステンボス、ラグーナ蒲郡などの観光素材を組み合わせて新会社がパッケージツアーを造成。HISの海外店舗で日本を訪れる訪日個人客に販売する。

 新会社社長に就任予定の深木重和氏は、特徴について「日本に来る手段はどの国際線や船でもかまわないこと」と強調。多様化する個人旅行客に対応するため「自由度の高いパッケージ商品にする」と述べた。

 HISは旅行会社としては最多の進出国数を誇り、58カ国122都市177拠点を持ち、ウェブサイトは39カ国41サイトを運営している。一方、ANAは国内最大のネットワークを持ち、国内51都市115路線、1日817便を運航。長年地方都市とさまざまなキャンペーンを行ってきた実績があり、国内各地との強固なつながりを持つ。

 新会社は訪日客を国際線の運航がある都市やゴールデンルートだけではなく、地方都市に送客することを目的とする。観光協会や地方行政と三位一体となって商品の開発を行い、地方・地域の創生、活性化に力を入れていく。

 新会社副社長に就任予定の廣岡伸雄氏は「ANAでキャンペーンを行ってきたノウハウを生かし、地域と連携して海外に地方の魅力をアピールしていく」と意気込みを語った。

 HISの平林朗社長は「訪日旅行は今後10年、20年重要なセグメントとなる。訪日旅行で脚光を浴びにくかった地方都市や地方空港を活用して、訪日旅行需要の喚起を全面的にサポートする」と語った。

 ANAセールスの白水政治社長は「今後国内旅行は微増、または現状維持が精一杯。地方活性化のためにはインバウンドの誘客が重要」と強調し、「地域の魅力を世界中に伝えたい。日本と世界の架け橋になるよう、訪日市場の一翼となるよう寄与したい」と意気込みを示した。



日旅中間決算、過去最高の水準に
 日本旅行は8月29日、2014年度中間決算を発表した。同社単体では、経常損益で2億9800万円、中間純損益で2億8600万円のそれぞれ黒字を確保。いずれも過去最高の水準になるとともに、3期連続の増収増益となった。中間純損益で黒字になるのは1992年度以来22年ぶり。また子会社を含めた連結では、経常で7300万円の黒字となった。

 営業損益は連結で3億400万円、単体で2億5700万円の各赤字。ただ、為替差益の計上など営業外利益が増加し、経常で増益となった。同社は例年、下半期の販売ボリュームが大きく、通期の営業損益は連結で11億円、単独で3億5千万円のそれぞれ黒字を見込む。

 営業収益は連結で同5.0%増の252億1400万円。単体で同6.1%増の214億7900万円。同社が中核分野と位置付ける教育旅行、MICE、BTM、インバウンド、インターネット販売への取り組みを強化し、これら5分野の販売高が全て前年を上回った。

 国内旅行は単体の営業収益が同5.4%増の128億7400万円。企画商品「赤い風船」でJR西日本との連携による「ディスカバー・ウエスト」商品や、JRデスティネーションキャンペーンとの連動商品を展開。赤い風船の販売は販売高ベースで前年同期比7.8%増となった。

 国内団体も企業の招待旅行や各種会議などMICEの受注強化に加え、教育旅行の拡大などで取り扱いが前年を上回った。



主要旅行業13社7月実績

 鉄道旅客協会が8月28日に発表した、主要旅行業13社の7月の旅行取扱額は前年同月比1.8%増の2978億5023万円だった。内訳は国内旅行が1.2%増の1840億9995万円、海外旅行が1.6%増の1052億5010万円、外国人旅行が29.6%増の67億9803万円だった。

 総取扱額が前年同月を上回った事業者は8社だった。国内旅行はジェイティービー、日本旅行、トップツアー、東武トラベル、名鉄観光サービス、読売旅行、JR東海ツアーズの7社。海外旅行は7社、外国人旅行は取り扱い11社中10社だった。

 4月からの累計は、総取扱額が前年同期比1.3%減の1兆844億5593万円だった。前年同期を上回った事業者はジェイティービー、日本旅行、KNT—CTホールディングス、名鉄観光サービス、読売旅行、西鉄旅行、JR東海ツアーズの7社となった。

 分野別では国内旅行が0.8%増の6797億917万円、海外旅行が6.9%減の3649億4717万円、外国人旅行が31.3%増の337億3612万円だった。

 7月の概況からJR東海ツアーズを加え、主要13社として発表。



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