全国企業の景気DI、3カ月ぶりに悪化 |
帝国データバンクはこのほど、全国企業対象の景気動向調査の8月分を公表した。同月の景気DI(1〜100、50が判断の分かれ目)は前月比0.7ポイント減の46.2で、3カ月ぶりに悪化した。全国10地域中全てが悪化。業界別では10業界中8業界が悪化した。「国内景気は足踏み状態、先行きに慎重な見方も出始める」と同社。51の業種別では、台風など天候不順の影響を受けた旅館・ホテルが大きく悪化した。
10地域のうち、北海道、北関東などが1ポイント以上悪化。東北、中国などは小幅な悪化にとどまり、地域により悪化幅が二極化している。近畿、四国は台風や豪雨被害が大きく、低水準となった。
近畿は同1.0ポイント減の44.4と、2カ月ぶりに悪化した。台風や豪雨による人的、物的被害が発生したことで飲食料品などが不調になるなど10業界中7業界で悪化した。
四国は同0.2ポイント減の44.9と、2カ月連続で悪化した。4県の中で唯一2カ月連続で改善していた徳島が大幅に悪化。台風11号や豪雨による天候不順が観光客の急減など悪影響を及ぼした。
北海道は同1.0ポイント減の46.0と、3カ月ぶりに悪化した。大企業で6カ月ぶりに改善した一方、中小企業は製造や運輸、サービスなどが落ち込み、3カ月ぶりに悪化した。
業界別では10業界中8業界が悪化。特に台風など天候不順がサービス分野で悪影響を及ぼした。
サービスは同1.2ポイント減の49.7と、3カ月ぶりに悪化。天候不順で、特に四国での予約キャンセルが多く発生した旅館・ホテルが同3.3ポイント減の44.4と、大きく悪化した。
製造は同0.7ポイント減の45.6と、4カ月ぶりに悪化した。電気機械製造やパルプ・紙・紙加工製造で、国内向け設備投資需要の弱さや海外向け出荷の鈍化、米国の干ばつによる原料価格の高騰などで大きく悪化した。
小売は同0.5ポイント増の37.8と、2カ月ぶりに改善した。飲食料品小売がお盆の帰省客数の増加により改善。自動車・同部品小売など高額品を扱う業種も改善しており、「消費税率引き上げの影響は少しずつ緩和している」(同社)。
サービス業の先行きの景況感への主な回答は次の通り。
「東京五輪に付随した公共事業(土木工事)がスタートするため、建機レンタルは堅調と想定される」(建設機器賃貸)。
「娯楽産業において、消費税10%の影響は大きいと考える」(パチンコ)。 |
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