全国企業の8月倒産は683件、8年ぶりに700件割れ |
帝国データバンクによると、今年8月の全国企業倒産(負債1千万円以上の法的整理)は683件で、およそ8年ぶりの700件割れになった。負債総額は1376億7400万円で3カ月連続で前年同月を下回った。
倒産件数は前年同月比13.4%減少。前月比も19.1%減少した。件数が700件を下回るのは2006年9月の667件以来、7年11カ月ぶり。
「消費税率引き上げ前の駆け込み需要により、年度末にかけて小売業を中心に売り上げが増加、企業の資金繰りが大きく改善された。そのため、足元では景気の遅行指標である倒産件数が大幅に減少している」(帝国データバンク)。
件数を業種別に見ると、7業種中6業種で前年同月比減少した。このうち建設業は同16.4%減の138件と、23カ月連続で減少した。「引き続き好調な公共工事に支えられ、土木工事などで減少が続く」(同)。
また製造業(75件、同21.9%減)と小売業(124件、同20.5%減)も大きく減少した。
運輸・通信業(36件、同5.9%増)は唯一増加した。
地域別では、9地域中6地域で前年同月比減少した。このうち近畿は同23.7%減の151件。製造業を中心に7業種中6業種で減少した。四国も同58.8%減の7件と大きく減少した。
東北(29件、同93.3%増)、九州(62件、同24.0%増)、北海道(26件、同23.8%増)の3地域は増加した。東北は2000年以降最少だった前年同月(15件)の反動を受け、大幅に増加した。
負債総額は前年同月比15.8%減少。前月比では19.5%増加した。
上場企業の倒産は12カ月連続で発生しなかった。観光関係の主な倒産は、高速バスツアーの企画・主催のロータリーエアーサービス(東京都、負債18億400万円、破産)、元・ホテル経営のケーアンドケー(旧ホテル知床、北海道、負債18億円、特別清算)、高速ツアーバス運行の旅バス(東京都、負債8億7千万円、破産)など。 |
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