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地域観光 ■第2771号《2014年10月18日(土)発行》    
 

舞鶴市、東京で初の観光誘客事業実施へ
多々見市長

 京都府舞鶴市は8日、シベリア抑留や引き揚げに関する資料のユネスコ世界記憶遺産登録に向けた取り組みや、東京で初めて展開する観光誘客事業「来てーな舞鶴2014キャンペーン」について東京都中央区で説明会を行った。12月6、7日に東京タワーで観光物産イベントも初開催し、舞鶴の食の魅力をアピールする。

 同市は市営の舞鶴引揚館記念館が収蔵するシベリア抑留や引き揚げに関する資料570点を、引き揚げ事業開始70年目にあたる2015年に、世界記憶遺産に登録しようと申請を行っている。

 今後は国内選定の評価ポイントとなった、舞鶴引揚記念館の改装工事を行い、来年10月に再オープンする。

 会見に出席した多々見良三市長は「戦後70年近く経ち、引き揚げの歴史も忘れられつつある。70年の節目となる来年にユネスコ世界記憶遺産の登録を実現させる」と意気込みを語った。

 新たな展示室では検索システムの導入や地図のデジタル化を行うほか、引き揚げの桟橋を再現した体験展示やドラマ展示コーナーも設置する。平和学習の場として利用できるセミナールームの増築も予定されている。

 誘客キャンペーンについては、東京の飲食店と提携して、舞鶴で収穫、水揚げされた食材を使ったオリジナルメニューや地酒を提供するフェアを開催する予定。また、舞鶴の歴史遺産観光のあり方を考える公開講座「海の京都『舞鶴学』講座」を、11月15日に東洋大学白山キャンパスで開催する。

 12月6、7日に開催する東京タワーでの食のイベントとともに、東京タワーフットタウン3階のギャラリーでは17日まで、世界記憶遺産登録候補資料の抑留体験画を中心とした特別企画展示を行う。体験会としてシベリア抑留中に使用していた防寒着を実際に着用するイベントなども行う。



石川県、銀座にアンテナショップオープン

 石川県(谷本正憲知事=写真右)は8日、東京・銀座にアンテナショップ「いしかわ百万石物語・江戸本店」を開業した。開業記念式典には、石川県出身の遠藤関(写真左)、北陸新幹線開業PRマスコットキャラクター「ひゃくまんさん」(写真中央)も駆けつけた。

 谷本知事はあいさつで「銀座の一等地に石川県の伝統工芸品、海山の食材、和菓子の素晴らしさなどをPRする拠点ができた。来年3月14日の北陸新幹線開業に向けて、特に観光誘客には力を入れていきたい」と強調した。

 同施設は、地上1、2階、地下1階の3フロアで構成。石川県の名産品、伝統工芸品など1900種類以上の商品を販売している。地下1階のイートインスペースと2階のカフェでは、石川の食材を使用した料理などを九谷焼や輪島塗の器で提供する。

 2階の観光案内コーナーでは、専任の観光コンシェルジュが観光地や食、イベントなどの旅行情報をきめ細かく案内する。

 外壁には瓦屋根の二重ひさし、入り口には加賀友禅のれんを揚げ、石川県の伝統的な町屋のイメージの演出を施している。

「いしかわ百万石・江戸本店」の概要
 (住所)東京都中央区銀座2-2-18TH銀座ビル、(電話)03-6228-7177、(休日)年末年始のみ、(営業時間)午前10時〜午後9時、(床面積)334.76平方メートル。

フロア詳細
 (2階、130・24平方メートル)取り扱い商品は九谷焼、輪島塗、山中漆器、金沢漆器、金沢箔、加賀友禅など。カフェ・加賀棒茶セット、金箔コーヒーセット、加賀紅茶セット、和菓子。 

 (1階、105・25平方メートル)取り扱い商品は加賀野菜、能登野菜、水産加工品、農産物加工品、醤油、味噌、塩、惣菜など。

 (地下1階、99・27平方メートル)取り扱い商品は和菓子、地酒、珍味など。イートイン・能登牛ステーキ丼、加賀百万石天丼など。



下呂温泉神社例祭、徳島の阿波踊りも祝う

 今年は下呂市合併10周年と高山本線開業80周年を記念し、徳島市阿波踊り振興協会の「阿波踊り連」の16連の代表ら約30人が特別参加。華やかな踊りが披露され、祭りを盛り上げた。

 また、山伏を先頭に「万里集九」「烏天狗」「旅装束」「猿田彦」らが下呂駅前から温泉神社まで参進行列。「御前太鼓」と「獅子舞」を奉納。下呂芸妓連による「白鷺の舞」に、沿道から大きな声援が飛んだ。

 下呂温泉の名を高めた江戸時代初期の儒学者、林羅山公の遺徳を偲ぶ銅像前で鏡開きが行われ、県内外から訪れた観光客らに「ふるまい酒」や「せんごまき(紅白餅)」がまかれた。白鷺橋上では阿波踊りの飛び入りコーナーが設けられ、この日は下呂温泉挙げての1日となった。

 直会で、同神社の氏子総代、滝多賀男下呂温泉旅館協同組合理事長は「御嶽山噴火口から約40キロ離れており被害はほとんどなかったが、報道による風評被害が発生、対応には苦慮した。一方、地方創生が注目されているが、国には特色ある日本の伝統文化、芸能を教育の一環とする予算を組んでもらいたい。インバウンドの取り組みは重要だが、地方の活性化が急務。地域が主役となった振興策の強化を真剣に考えなければならない」とあいさつした。

 下呂温泉のさらなる飛躍を誓い、積田朋子観光経済新聞社社長が乾杯の音頭をとった。

 出羽三山は山形県の中西部にある月山、湯殿山、羽黒山の三つの霊山の総称。開祖は蜂子皇子で約1400余年の歴史をもつ。西の伊勢参りに対し「東の奥参り」と言われ、関東以北最大の庶民信仰を集めた。

 岐阜県とも縁の深い、俳諧・松尾芭蕉の奥の細道紀行では「語られぬ湯殿に濡らす袂かな」と詠っている。なお、湯殿山神社のご神体は霊岩、分霊の箱根越えは初めて。




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