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地域観光 ■第2774号《2014年11月8日(土)発行》    
 

12月から北陸キャンペーン、5つの「美」を提案
 JR東日本とJR東海、JR西日本は12月1日から来年3月31日まで「Japanese Beauty Hokuriku (ジャパニーズ・ビューティー・ホクリク)」キャンペーンを展開する。来年10〜12月に実施される北陸デスティネーションキャンペーンと同じく、「美観」「美食」「美技」「美湯」「美心」の五つの美をテーマに北陸の魅力を提案。同キャンペーン期間中の3月14日には、いよいよ北陸新幹線の金沢—長野駅間が開業する。

 美観のテーマとしては、海越しに見える立山連峰と雨晴海岸(富山県)と、白米千枚田の「あぜのきらめき」(石川県)、福井県恐竜博物館(福井県)の観光を紹介する。

 美食では、寒ブリ解体見学(富山県)や、越前かに釜揚げ見学(福井県)、石川県の能登かきをのと鉄道の穴水駅構内のホーム「あつあつ亭」で楽しむ企画を実施する。

 美技は、体験メニューとして、吹きガラス体験(富山県)、金沢金箔体験(石川県)、越前和紙紙漉き体験(福井県)を提案していく。

 美湯では、北陸3県の温泉地で楽しめるプランとして、宇奈月食べ歩きクーポン(富山県)、和倉温泉スイーツめぐり(石川県)、女将全員がきき酒師の資格を持つ福井県あわら温泉での地酒の飲み比べを紹介する。

 美心は、「五箇山観光ガイドと歩こう」(富山県)、「夜の金沢を満喫『まいどさん』がご案内」(石川県)、「永平寺の醍醐味 参籠体験」(福井県)を提案する。

 他にも、駅から観光地への2次アクセスとして、「富山ぶりかにバス」(富山県)や「あさいち号」(石川県)、「越前すいせん号(バスガイド付き)」(福井県)が運行される。



世界農業遺産を観光に活用、認定地域がPR
東京で行われた推進会議の会合(10月29日)

 次世代に残すべき伝統的な農業、農村の景観や文化などを認定する国際的なプロジェクト「世界農業遺産」。日本からは現在、5地域が認定されている。富士山や屋久島などが登録されているユネスコ世界遺産に比べて認知度は低いが、認定地域が持つ地域資源の価値では負けていない。世界農業遺産を観光振興にも生かそうと、認定地域は共同でPRの強化に動き出している。

 世界農業遺産は、国連食糧農業機関が2002年に開始したプロジェクト。ユネスコ世界遺産が、遺跡や歴史的建造物、自然などの“不動産”を登録するのに対し、世界農業遺産は、伝統的な農業の“システム”を認定する。現在の認定地域は13カ国、31地域。

 日本の認定地域は、「トキと共生する佐渡の里山」(新潟県)、「能登の里山里海」(石川県)、「静岡の茶草場農法」(静岡県)、「阿蘇の草原の維持と持続的農業」(熊本県)、「クヌギ林とため池がつなぐ国東半島・宇佐の農林水産循環」(大分県)。

 認定地域を持つ5県で構成する世界農業遺産広域連携推進会議は10月29日、東京都内で世界農業遺産をメディアなどにPRする会合を開いた。認定地域の知名度の向上、農林水産物の紹介はもとより、世界農業遺産に選ばれた地域資源を観光素材としてアピールするのが狙いだ。

 会合では県や地域の担当者が、認定地域の魅力を紹介し、観光への活用事例などを説明した。

 国東半島・宇佐地域は、芸術祭や博覧会で地域の魅力に触れてもらう体験プログラムを展開。国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会の林浩昭会長(はやしファーム代表)は「国東半島峯道ロングトレイルの取り組みと連携するなど、農業景観や地元食材に親しみ、農家と交流するプログラムなどに力を入れていく。別府や由布院の滞在客にも足を伸ばしてもらえるようにしたい」と話した。

 佐渡地域では、トキの野生復帰を支える農業の推進が評価された世界農業遺産に加え、金銀山のユネスコ世界文化遺産への登録、地質資源の世界ジオパークの認定を目指している。佐渡市農林水産課生物多様性推進室の藤井隆博・生物共生推進係長は「佐渡の誇る遺産をブランドにしたい。観光施策との連携により体験プログラムを整備し、交流人口を拡大したい」と語った。

 能登地域は、白米千枚田の景観のほか、農家民宿で教育旅行の受け入れに成果を上げている春蘭の里、来年3月放送開始のNHKの朝のドラマ「まれ」に登場する揚げ浜式の塩田、体験・食事プランに活用され始めた農村の神事「アエノコト」などをPR。

 静岡地域は、ススキなどを茶園の有機物に活用する茶草場農法をテーマに、貴重な植物や昆虫を育む茶草場を散策したり、茶の手揉みや入れ方を学んだりできる掛川市の茶草場ツーリズムの取り組みなどを紹介した。

 阿蘇地域は、世界農業遺産への登録を契機に、保存、継承が危ぶまれている阿蘇の景観、文化、自然などを県が募集して登録する制度を立ち上げた。登録された地域資源を観光に活用することを検討し、次世代への保存、継承の活力する考えだ。

 認定地域を持つ5県で構成する世界農業遺産広域連携推進会議では、来年5〜10月にイタリア・ミラノで開かれるミラノ国際博覧会(万博)に出展し、日本の世界農業遺産の認定地域をPRする予定。国際的な認知度の向上を目指す。



草津温泉、22日から感謝キャンペーン
観光情報説明会であいさつする草津町の黒岩町長(10月29日、ぐんまちゃん家で)

 群馬県草津町は東京・銀座の群馬情報センター「ぐんまちゃん家」で10月29日、冬の草津温泉の観光情報説明会を開催した。11月22日から展開する「草津温泉感謝キャンペーン」について説明。10万円分の宿泊券のプレゼントや「草津=932」とかけて、9320円の宿泊プランを提供するほか、932円で食事や日帰り温泉が楽しめる商品を販売する。

 あいさつした黒岩信忠町長は「草津町は100年先を見据えたまちづくりを行っている。湯畑のまわりを中心に再整備中」と述べ、熱の湯と西の河原露天風呂のリニューアル、草津国際スキー場の整備計画などを披露した。

 同町は湯畑周辺整備事業の一環として昨年の4月に源頼朝が入湯したとされる御座の湯を再建した。続いて今年の7月には湯治広場を建設。今後は湯もみで知られる熱の湯を来年3月、大露天風呂として人気の西の河原露天風呂を来年4月中にリニューアルオープンさせる。

 草津温泉旅館協同組合は11月22日から来年2月28日までは「草津温泉感謝キャンペーン」を開催する。ウェブの応募で10万円分の宿泊券のプレゼントやアンケートに答えた人100人以上に宿泊券のプレゼントを行う。また湯畑周辺のライトアップやジャズコンサートなど多数のイベントを用意している。

 同説明会では、毎日午後8時から熱の湯で開催している「草津温泉らくご」が披露され、春風亭昇也さんが草津町や温泉にかけた小話を行った。熱の湯の立て替え工事期間中は御座の湯と奈良屋に会場を移し開催している。



金沢市、銀座に工芸・食文化の発信拠点
ダイニングギャラリー「銀座の金沢」

 金沢市は10月30日、東京・銀座1丁目の新築商業施設ビル「KIRARITOGINZA(キラリトギンザ)」の6階に、金沢の工芸と食文化の情報発信拠点、ダイニングギャラリー「銀座の金沢」を開業した。

 首都圏における「金沢の魅力の新拠点」と位置付ける。「東京にいながら金沢文化の『彩り』(加賀五彩、多彩な工芸、多彩な文化〈茶・芸〉、食の彩り)や、『かがやき』(北陸新幹線開業の『かがやき』、金箔の輝き)を体感できる空間」(同市)とした。

 ギャラリースペースでは、美術工芸から生活工芸まで、金沢で活躍する作り手の作品を展示販売する。加賀友禅、金沢箔、金沢漆器、九谷焼、金沢仏壇、加賀刺繍の国指定6業種のほか、大桶焼、茶の湯釜、琴など希少工芸18品目の作品などをそろえている。

 ダイニングスペースは、総席数が51席。内訳はホール32席、カウンター7席、半個室(6人定員)2室。料理とともに器やしつらえもあわせて、金沢の食文化を提供していく。




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