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ビジネス ■第2775号《2014年11月15日(土)発行》

 
 

やまとごころがキャリアセミナー開催
インバウンド業界の現状を解説する村山氏(左)と中村氏

 訪日外国人旅行関連ビジネスの専門コンサルティング会社、やまとごころ(東京都新宿区、村山慶輔社長)は4日、インバウンド業界への就職希望者に採用企業側の声を直接伝える「インバウンドキャリアセミナー」を東京・渋谷で開き、約50人が参加した。インバウンド業界に特化した求人セミナーが開催されるのは初めて。

 採用企業として、ドン・キホーテグループのジャパン・インバウンド・ソリューションズ社長の中村好明氏と、JTBグローバルマーケティング&トラベル人事課課長代理の小野彰弘氏が登壇。インバウンドビジネスの現況や求める人材像などについて、それぞれが語った。

 中村氏は自身のビジネスについて「訪日外客数を増やすことが目的ではない。訪日中に支出してもらう金額をいかに拡大し、日本のインバウンドGDPに貢献できるかだ」と明言。「地元客だけを相手にするという日本人的発想を転換してほしい。地球規模で考え、社会全体の持続的発展に寄与し、観光立国の推進に貢献できる人材を求めている」などと話した。

 小野氏は(1)JTBの起源が1912年に訪日外国人旅行手配を目的に国策で設立されたジャパン・ツーリスト・ビューローであること(2)1964年の東京五輪開催に合わせて日本初の外国人向けパッケージツアー「サンライズツアー」をJTBが始めたこと—などを説明。入社以来携わってきたインバウンド旅行ビジネスでの経験談なども披露した。

 人材を募集している職種については、今年、全国(北海道、東北、中部、西日本、九州、沖縄)に開設した営業所での営業職や、東京本社でのウェブ担当、MICE営業担当、新規事業開発担当などとした。



全国企業の景気DI、3カ月連続で悪化
 帝国データバンクはこのほど、全国企業対象の景気動向調査の10月分を公表した。同月の景気DI(0〜100、50が判断の分かれ目)は前月比1.0ポイント減の44.1で、安倍内閣発足以降初めて3カ月連続で悪化した。「コスト上昇分を吸収できない中小企業を中心に景況感の悪化が広がっており、全国的に低迷している」と同社。業種別では、旅館・ホテルが2カ月連続で好転した。

 調査は全国の企業2万3327社に行い、このうち1万755社から有効回答を得た。

 10の業界別では、運輸・倉庫(前月比増減なしの43.7)を除く全てが悪化した。このうちサービスは同1.5ポイント減の47.7と、3カ月連続で悪化。旅館・ホテルは同0.1ポイント増の46.3と2カ月連続で好転したものの、飲食店(同4.1ポイント減の42.6)は「観光客による消費は伸びているものの、地元の個人.法人消費が伸び悩み」、4カ月連続で悪化した。

 小売は同1.2ポイント減の36.3。「実質所得の減少や消費マインドの悪化傾向が続く中、2週連続で週末に台風が上陸したことからイベントの中止や鉄道の全線運休などの影響で客足が鈍り」、2カ月連続で悪化した。

 製造は同0.8ポイント減の43.4、建設は同1.2ポイント減の51.6と、ともに3カ月連続で悪化した。

 10の地域別では四国を除く9地域で悪化した。

 このうち北海道は同2.5ポイント減の42.5、北関東は同2.7ポイント減の43.1と大幅に低下した。北海道はアベノミクスと東北の復興需要を追い風に10地域中1位となっていた前年同月から8.8ポイント減と、大幅に景気が悪化している。北関東は10地域中最大の悪化幅となり、6カ月ぶりに全国平均を下回った。

 九州は同0.6ポイント減の45.4と2カ月ぶりに悪化した。台風の影響でキャンセルが相次いだ旅館.ホテルを含むサービス業などで悪化した。

 企業の規模別では、大企業、中小企業、小規模企業ともに3カ月連続で悪化した。大企業は同0.6ポイント減(47.5)、中小企業は同1.2ポイント減(43.1)、小規模企業は同1.5ポイント減(42.5)と、規模が小さいほど悪化幅が大きい。

 サービス業の現在の景況感に関するコメントは次の通り。

 「2度にわたる台風の襲来や天候不順もありレジャー需要が前年割れとなる中、消費税増税のマインド低下や燃料代などの物価高騰も消費意識を低下させている」(自動車賃貸)。

 「飲食業をチェーン展開しているが、景気動向も芳しくなく業績もやや下降気味」(酒場・ビヤホール)。

 「東京ではオリンピックやその周辺の整備事業が期待されるが、関西では目玉となる大きな事業がない。忙しいのは、台風等による災害復旧がらみのみ」(土木建築サービス)。




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