日本公庫調査、新規開業企業の65%が売上増加 |
日本政策金融公庫はこのほど、2014年度の新規開業企業について実態調査を行った。売り上げ状況が増加傾向とする企業割合は64.8%で、既存企業の24.2%を大きく上回ることが分かった。事業の地域密着と新規性が好調な要因となっているようだ。
調査は公庫が2013年4〜9月にかけて融資した企業のうち、融資時点で開業後1年以内の企業7740社に実施。このうち1885社から有効回答を得た。
新規開業企業の売り上げ状況は増加傾向が64.8%で、減少傾向の5.2%を大きく上回った。横ばいは30.0%だった。
一方、既存企業は減少傾向が42.5%、横ばいが33.4%と多く、増加傾向は24.2%にとどまった。
現在の採算状況を見ても、新規開業企業の好調ぶりが目立つ。黒字基調は64.9%で、既存企業の26.1%を大きく上回った。赤字基調は新規開業企業が35.1%、既存企業が33.1%だが、既存企業は収支トントンが40.8%と4割を占める。
新規開業企業の業種上位は、「サービス業」22.2%、「医療、福祉」21.9%、「飲食店、宿泊業」14.9%など。地域に根差して営業する業種が多い。
また新規開業企業について、同業他社と比べて事業内容に新しい点が「大いにある」と回答した企業が17.7%、「多少ある」とした企業が52.9%となった。
公庫では新規開業企業の特徴として「地域に密着して事業を展開している」「同業他社にない新規性を打ち出している」ことを指摘。「市場に新たな価値を提供することで、地域経済を活性化させる役割が期待される」としている。 |
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