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観光行政 ■第2785号《2015年2月14日(土)発行》    
 

国民の「観光立国」の認知度いまひとつ、日観振が初の国民調査

 日本観光振興協会はこのほど、初めて実施した「『観光立国』に関する国民の意識調査」の結果を発表した。日本が観光立国を国づくりの柱の一つとしていることを「知っている」と答えた人は42%で、「知らなかった」の58%を下回った。また、「観光が日本経済復活の柱になるか」ではやや懐疑的な見方が多いことも分かった。観光の重要性、立国の必要性への理解、認識は十分とはいえず、政・官・民挙げた一層のPRが求められる。

 調査は昨年9月、18歳以上の男女を対象に実施。2232人から回答があり、うち女性が51.3%を占めている。

 調査結果によると、観光立国を知っていた人は男性で54%と半数を超えたが、女性は31%にすぎず、やや関心が低い。男女とも年齢が高くなるにつれ知っている割合が多くなり、60代以降になると男性で70〜80%、女性でも40〜50%に達する。

 観光に熱心に取り組んでいる地域を挙げてもらったところ、40.3%の人が京都府と答え、断トツの1位となった。以下、北海道(23.6%)、東京都(23.3%)、沖縄県(11.2%)と続く。

 調査では観光に抱くイメージも聞いた。その結果、86%が「癒し・リフレッシュ」と答え、「非日常」(45%)、「贅沢」(35%)を抑えた。

 観光が経済に与える影響については懐疑的な見方も多かったが、立国実現に向け力を入れる政策では「交通網、交通機関の整備」が最も多く、75.3%に達した。次いで、「観光施設や宿泊施設の整備」(74.0%)、「交通案内標識の整備」(71.9%)を挙げた。

 昨年の訪日外国人旅行者は1341万人となり、過去最高を記録した。今後も増えると見られるが、「増えてほしくない」という人は6.8%でごくわずかだった。大多数は前向きに受け止めているが、「いいことだが心配もある」という人が57.5%あり、手放しで礼賛しているのではないことも分かった。特に、女性でこの傾向が強かった。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックについては、多くの人が「何らかの影響(もしくは効果)がある」と考えている。なかでも多かったのは「治安への対策が必要になる」との意見で、58.6%に上った。「日本の知名度アップ」は49.8%、「国際相互理解が深まる」も42.4あった。


14年度全国推奨観光土産品、厚労大臣賞は神戸凮月堂の商品
あいさつする山本会長

 日本商工会議所(三村明夫会頭)と全国観光土産品連盟(山本𣳾人会長)は6日、「2014年度全国推奨観光土産品審査会表彰式」を開催した。595企業から1269点が出品され、4大臣賞、日本商工会議所会頭賞、全国観光土産品連盟会長賞などが授与された。厚生労働大臣賞には神戸凮月堂の「神戸六景ミニゴーフル」が選ばれた。

 同審査会は、全国の観光土産品の中から優れたものを全国推奨観光土産品として推薦するとともに、大臣賞などを授与することで観光土産品の育成、発掘することを目的に毎年実施している。1961年にスタートし、今回で55回目を迎えた。

 昨年10月に開催された審査会には菓子の部429点、食品の部714点、民芸工芸の部126点、合計1269点が出品され、それぞれの部門で各賞が選定された。

 表彰式であいさつした山本会長は「日本の土産品は地域の文化に深く根ざした個性が光る品が多い。世界の土産品を見ても、工芸品以外は日本ほど多様性をもっている国はそれほどない。2020年の東京五輪に向け、日本を代表する文化である土産品を世界に発信する使命を持っている。和食と同じ無形文化遺産の価値を有している」と述べた。

 また、9月に開催が決定している「ツーリズムEXPOジャパン」の会場でも、日本の土産品の認知向上に向け、展示とPR活動を行うと発表した。



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