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トラベル ■第2785号《2015年2月14日(土)発行》  
 

鉄旅オブザイヤー、グランプリにクラブツーリズム
記念撮影に臨む受賞者ら(左から4人目がグランプリのクラツー担当者)

 優れた鉄道旅行商品を決め、表彰する催しが4日、さいたま市の鉄道博物館で開かれ、クラブツーリズム(クラツー)の「『ななつ星in九州』と『飛鳥Ⅱ』夢の競演 大地と海をめぐる豊穣の九州」がグランプリを受賞した。審査委員のひとり、井門観光研究所代表の井門隆夫さんは「発想力と企画性の勝利。プロならではの手配力にも頭が下がる」と評価した。

 この催しは、「鉄旅オブザイヤー」(実行委員長・丸尾和明日本旅行社長)。旅行会社が造成する鉄道旅行商品の企画力やオリジナリティーを競うもので、今回で4回目となる。18社から95商品の応募があった。

 実行委による1次審査を通過した17商品について、俳優の関口知宏さんを委員長とする外部審査員が最終選考した。グランプリのほか、準グランプリ、審査員特別賞、ルーキー賞の計5商品が選ばれた。

 冒頭あいさつした丸尾委員長は「列車の旅は地域活性化の大きな要素となる。質の高い、新しい旅の価値を商品として出していくことが必要だ」と述べた。

 クラツーの受賞商品は昨年7月に5泊6日で実施したもの。ななつ星と飛鳥Ⅱという人気の運輸機関を利用するため、スケジュール調整などに苦労したという。「ななつ星の発車時刻の関係上、羽田空港の7時25分発と早朝出発せざるを得なかったため、自宅から羽田までのハイヤーを1組に1台ずつ用意した」と担当者。

 1人当たりの平均単価は92万円という高額だったが、ツアー参加者からは「これ以上、これ以下もない生涯唯一の良き旅だった」との声もあったという。販売高は2579万円に上った。2月以降、同様の商品を造成する予定。

 シンガーソングライターのオオゼキタクさんも「贅を尽くす旅。誰もが憧れるななつ星に豪華客船を組み合わせ、これ以上ない優雅な時間が堪能できそう」と評した。

 準グランプリはジェイアール東海ツアーズが8月に実施した「親子で行く修学旅行〜発見!東海道新幹線のおしごと」が受賞。東海道新幹線「大井車両基地」への回送線からの入場、ドクターイエローの車内見学などを盛り込んだ。発売開始から19分で完売する人気で、実施した3回で計238人が参加した。

 審査員からは「普段見ることができないドクターイエローの車内が見られたり、特典が満載。文句なし」(ママ鉄代表の豊岡真澄さん)とうらやむ声も。

 審査員特別賞には日本旅行の「SLブライダルトレイン・パッケージプラン」とクラツーの「三陸鉄道・北リアス線を全線縦断、新型お座敷車両を貸切運行『お・か・し・な列車』2日間」が選ばれた。

 また、ルーキー賞は読売旅行の「ゆったりめぐる思い出の九州鉄道の旅!乗り放題切符アクティブ65利用、別府温泉&ロマンチック長崎 九州横断7つの鉄道物語3日間」が選ばれた。



JATA、15年度も国内宿泊旅行拡大キャンペーン実施
 日本旅行業協会(JATA)は、昨年4月から開始した国内宿泊旅行拡大キャンペーン「『ニッポンを、遊びつくせ!』まだ、あなたの知らない日本がある。」を2015年度も実施する。引き続きダンスパフォーマンスグループ「WORLDORDER」を起用した動画で日本の良さをアピールしていく。

 14年度は北陸新幹線の開業で注目される石川県を舞台にした動画を作成し、JATAのキャンペーンサイトや公式フェイスブックでの配信、ユーチューブへの投稿などを展開。キャンペーンサイトには従来のほぼ倍となる2万2421人(1月1日現在)のユーザーがアクセスした。35歳以下の訪問者が半数近くに増え、「当初の目的である若者層へのアプローチができている」(JATA)。

 キャンペーンサイトでの動画の再生回数は1月7日現在で20万回を超えている。32%が海外からの視聴で151カ国でも再生された。

 全国の観光地でWORLD ORDERのモノマネをした動画や静止画を募集したキャンペーンも実施。動画投稿18編、写真投稿37枚が寄せられ、このほど最優秀賞、優秀賞を決定した。

 15年度はWORLD ORDERによる動画の舞台を4月から九州、7月から東北に移し、動画を見て回答するクイズキャンペーンを展開する。モノマネはグループでの練習を必要とするなどキャンペーンへの応募が難しかったため、応募しやすいクイズに変更した。観光庁の協力を得て中国語版の動画も作成。日本に先行して中国で、11月から九州の動画を配信している。



JR西日本、山陽新幹線開業40周年迎え、関西への旅行促進
PRイベントに出演した滝川さん

 山陽新幹線は3月10日に新大阪—博多間全線開業40周年を迎える。JR西日本は、開業40周年を記念し、「あしたセレンディピティ」と題した関西ブランディングプロモーションを始めた。6日、フリーアナウンサーの滝川クリステルさんを招いて東京都内でPRイベントを行った。

 関西エリアの観光の魅力などをアピールし、九州・中国エリアなどからの誘客を促進する。セレンディピティは、予期せぬ発見に価値を見いだす力を意味する言葉。“素敵な偶然”を楽しむ旅を提唱していく。

 PRイベントで滝川さんは「初めて行く場所で小道に入ってみたら、思いもよらぬ出会いがあったりする。旅は自分の感性が大事」と話したほか、神戸で暮らした経験などから関西エリアの魅力について紹介した。

 「あしたセレンディピティ」のプロモーションでは、滝川さんを起用したテレビCMを放映。ウェブサイトも開設した。

 開業40周年を記念し、山陽新幹線に「スーパー早特きっぷ」を発売したほか、旅行会社各社が記念の旅行商品を販売している。



主要旅行業13社12月実績

 鉄道旅客協会が1月28日に発表した主要旅行業13社の12月の旅行取扱額は、前年同月比0.4%減の2650億2429万円だった。内訳は国内旅行が0.9%増の1671億3822万円、海外旅行が3.2%減の882億8559万円、外国人旅行が17.3%増の66億244万円だった。

 取扱総額が前年同月を上回ったのは4社だった。国内旅行はジェイティービー、名鉄観光サービス、農協観光、ジェイアール東海ツアーズの4社、海外旅行は4社、外国人旅行は7社だった。

 4月からの累計は、総取扱額が前年同期比0.3%減の2兆6343億9113万円だった。前年同期を上回ったのはジェイティービー、日本旅行、トップツアー、西鉄旅行、日通旅行、ジェイアール東海ツアーズの6社だった。

 分野別では国内旅行が0.4%増の1兆6677億7352万円、海外旅行が3.3%減の8767億4072万円、外国人旅行が30.8%増の753億1252万円。

 国内旅行で前年同期を上回ったのは、ジェイティービー、日本旅行、トップツアー、ジェイアール東海ツアーズの4社だった。



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