奈良市観光協会はこのほど、嘱託職員の募集を始めた。外国人を含む観光客への対応強化や着地型観光コンテンツなどの充実を図るのが目的。嘱託期間後には正職員への登用も視野に入れており、直近の観光事業だけでなく長期的な視点での観光振興に取り組む人材を広く求めている。応募締め切りは31日。
募集するのは、観光案内所の統括責任者1人、観光振興に関わる事業の企画立案などを担当する同協会事務局職員1人の計2人。観光案内所責任者の具体的な業務は、同協会が奈良市から受託運営する観光案内所の統括業務のほか、職員の観光案内スキルの向上、顧客満足度の向上にかかわる業務、観光協会管理職としての管理業務など。事務局職員の業務は、英語による観光情報の発信やホームページ(HP)の情報管理、奈良市内における着地型商品企画、奈良市内の伝統的行事、社寺関連行事の支援担当など。
応募資格は、奈良の観光を活性化できる熱意と実務感覚を持つことで、観光関係での職務経験年数などは問わない。さらに案内所の責任者については、案内所を統括できる労務管理経験、外国語での日常会話程度以上の会話能力など6項目、事務局職員については英語による交渉能力やHPなどでの情報発信スキル、着地型旅行商品造成への意欲など6項目のうち複数項目に該当することを応募要件としている。
雇用期間は6月1日から来年の3月31日だが、勤務成績により、同協会の正職員として採用するための試験を実施し、合格の場合には正職員として採用する。正職員への登用試験は、「嘱託期間中にレポートなどを課す予定」と同協会。
書類による第1次選考の後、筆記試験、グループ面接からなる第2次選考を4月12日に奈良市内で実施。さらに4月26日に同市内で最終選考となる個人面接を行う予定。
募集要項、応募書類は、奈良市観光協会HPの「新着情報・職員募集」(
http://narashikanko.or.jp/whatsnew/oubo.html)からダウンロード、もしくは同協会事務局で直接受け取れる。
奈良市は外国人観光客が増加しているものの、京都、大阪に宿泊して奈良を訪れる観光客が日本人、外国人ともに多い状況が続いている。同協会では、滞在につながるような着地型の観光コンテンツの開発や外国人向けの夜間の観光案内サービスの充実などを地域と連携しながら進めていく方針で、新たに採用する人材にはその一翼を担ってほしい考えだ。「奈良の観光を盛り上げようという熱意があり、地域に飛び込んでいける積極的な方に来てほしい」と同観光協会の鷲見哲男専務理事は話す。
問い合わせは同協会事務局TEL0742(27)8866まで。