温泉地は全国に3159カ所、前年比74カ所増 環境省調べ |
環境省は23日までに、2013年度の「温泉利用状況」をまとめた。それによると、14年3月末現在の温泉地数(宿泊施設のある場所)は全国で3159カ所となり、前年同月時点と比べ74カ所増えたことが分かった。2年連続で減少していたが、一転増加に転じた。温泉利用が活発になっている。
14年3月末現在の源泉総数は2万7405カ所で、同184カ所増。源泉総数のうち、利用源泉数は1万7654カ所だが、自噴は4260カ所にすぎず、前年度と比べても26カ所減っている。
未利用源泉数は9751カ所で、うち自噴は3348カ所だった。温度別源泉数をみると、最も多いのは42度以上で、1万2637カ所となっている。25度以上42度未満は6891カ所、25度未満は3989カ所。
湧出量は自噴が毎分72万6357リットル、動力は191万6348リットル。いずれも増えており、特に自噴は4万8926リットルと増加が目立つ。
宿泊施設数は前年度比163軒減の1万3358軒だったが、延べ宿泊利用人員は約1億2642万人で、約173万人の増加に。国民保養温泉地の延べ宿泊利用人員は約13万人増の895万1999人。温泉利用の公衆浴場数は45カ所増え、7816カ所となっている。
温泉地数を都道府県別に見ると、最も多いのは北海道の249カ所。次いで長野県(225カ所)、新潟県(150カ所)、青森県(142カ所)、福島県(135カ所)の順で、東日本が上位を占めている。最も少ないのは沖縄県の7カ所だった。
一方、源泉総数では様相が変わる。大分県が4411カ所と断トツの多さを誇り、鹿児島県の2769カ所を大きく上回る。以下、静岡県(2269カ所)、北海道(2225カ所)、熊本県(1372カ所)、青森県(1084カ所)と続く。
最も少ないのは温泉地数同様、沖縄県の11カ所だった。
利用源泉数のうち、自噴の割合が大きいのは大分県(694カ所)、北海道(436カ所)、鹿児島県(389カ所)、長野県(284カ所)。 |
|
文化審、旅館3軒の有形文化財登録を答申 |
文化審議会はこのほど、福井県あわら市のべにや旅館本館など、26府県の建造物171件を登録有形文化財に登録するよう、下村博文文部科学相に答申した。これにより、登録数は1万197件となる。
べにや旅館は本館のほか中央館、東館が文化財登録の対象となった。温泉街の中ほどに位置し、本館の1階は鉄筋コンクリート造りで、木造の2階には90畳の大広間を持つ。中央館、東館とも、各室の数寄屋意匠の床や天井などは部屋ごとに意匠を変えて趣向を凝らしている。
城崎温泉(兵庫県豊岡市)を代表するゆとうや旅館の詠帰亭・扶老亭、渡り廊下なども登録の対象となった。敷地内に平屋建ての詠帰亭と2階建ての扶老亭を雁行に配置し、いずれも内部は上質な座敷が並ぶ。また、徳島県吉野川市の村田旅館本館と蔵が対象に。四国山地の山間部に位置する店舗兼旅館で、本館は2階に高欄をまわすなど旅館らしい風情を醸し出しているという。
このほか、津軽の城下町に近代の彩りを添える青森県弘前市の市庁舎本館、モダニズム建築に今井兼次のデザイン趣向を融和させた千葉県大多喜町役場の中庁舎、楠正成の忠孝を伝える武徳殿風の会堂建築である大阪府島本町の町立歴史文化資料館などがある。 |
|