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旅館・ホテル ■第2791号《2015年3月28日(土)発行》    
 

旅館協会、本部会費引き下げへ
日本旅館協会の理事会

 日本旅館協会(針谷了会長)の理事会が18日、東京都内で開かれた。2015年度の事業計画案や予算案を審議。本部会費について、客室数ごとに設定されている会費の区分と金額を見直し、現行より平均24%引き下げる改正案を承認した。旅館経営をとりまく問題に対しては、新たに労務委員会を設置することが報告された。

 総会に提出する本部会費の改正案は、客室数ごとの設定を現行の20区部から9区分に見直し、会費額を1万2千円から8万円の間に改める。

 主な区分の会費は、「5〜20室」では、1万5千円から1万2千円に引き下げる。151室以上は6区分でそれぞれに会費額を設定していたが、「151室以上」の区分にまとめて8万円にした。

 プロジェクトチームとして課題の解決に取り組む委員会の活動では、労務委員会を新設する。人手不足の解消や労働生産性の向上について対応策を探る。

 総会の審議事項となる定款の変更案も承認。変更点は、不明瞭だった表現の改正や字句の修正が中心。他に各種規程の見直しも承認した。

 また、15年度には会員定期再選考として、会員資格基準への合致を自己チェックする点検表を全会員に送付する予定。

 理事会の冒頭には、針谷会長があいさつし、「インターネットとインバウンドを切り口に旅館を成長産業にしたい」と述べ、観光庁が15年度に実施する旅館の経営改善事業の活用などを含め、旅館業の振興につながる事業の推進に改めて意欲を示した。



日本の旅文化を創る会会長、佐藤億好氏が続投
 朝日旅行と協定を結ぶ旅館・ホテルでつくる日本の旅文化を創る会(会長・佐藤好億大丸あすなろ荘社長、445会員)は18日、東京都港区の品川プリンスホテルで通常総会を開き、各種研修会の開催や新たな研究機関の設置など2015年度事業を決めた。役員の改選も行い、佐藤会長の続投を決めた。

 総会の冒頭であいさつした佐藤会長は、「日本の旅と他国の旅の違いは『旅はなさけ』という言葉があること。日本のわびさびの文化の原点であり、心の置きどころである。おもてなしの旅文化をつくり将来につなげてほしい」と述べた。朝日旅行に対しては「国内では唯一心ある旅を構築している会社。われわれも特異性を出して会の存在価値を高め、会社と共生を図ろう」と述べた。

 総会では資質向上とブランド強化を図るために新たな研究機関を設置することが発表された。

 高齢化に伴い、健康と顧客確保の方法を研究する「温泉地における湯治文化研究会」、山小屋のあり方や安心・安全の登山を研究する「山旅のあり方研究会」が立ち上げられる。

 また、大学の観光科と連携して、旅館経営社者の育成と従業員募集の方策を研究し、実習生の受け入れ、人材確保を研究する機関の立ち上げについても発表された。現在東洋大学大学院と連携の準備が進んでおり、会員にも協力を求めた。

 このほかにも、インバウンドの受け入れや外国人研修生の受け入れについても触れた。重点事業の一つであるウェブ販売について佐藤会長は、部会の一つである日本の秘湯を守る会のホームページについて、「るるぶ上でも平行して同じページを展開することを検討している」と言及した。今年度中に方針を決定する予定。



旅館・ホテルの倒産、2月は9件、負債99億円

 帝国データバンクによると、今年2月のホテル・旅館経営業者の倒産(負債1千万円以上の法的整理)は9件、負債総額は99億4千万円だった。件数、負債総額ともに前月、前年同月から増加し、負債総額は2014年度(2014年4月〜2015年3月)で最多、件数は5月と8月の10件に次ぐ高水準となった。

 件数は前月比6件、前年同月比3件それぞれ増加(200.0%増、50.0%増)。ただ、6カ月連続で1ケタ台にとどまった。

 負債総額は前月比80億7700万円、前年同月比79億500万円それぞれ増加(433.5%増、388.5%増)した。ただ、23カ月連続で100億円の大台を下回った。

 昨年4月からの年度累計は、件数が前年同期比16件減(18.2%減)の72件。負債総額が同8億5300万円増(2.0%増)の435億8200万円。



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