全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連、佐藤信幸会長=山形県・日本の宿古窯)はこのほど、台湾の宿泊団体「中華民国旅館商業同業公会全国連合会」(徐銀樹理事長)と連携に関する覚書を締結した。3月8〜11日、佐藤会長ら全旅連の一行が台湾入りし、台湾側の団体と覚書の締結式に臨んだ。今後両団体は、相互の事業の発展に向けた意見交換、人的交流を一層推進するとしている。
日本に留学経験がある台湾の徐理事長が2011年3月末、東日本大震災の被災地へ義援金を届けるため、すでに親交があった東京都ホテル旅館生活衛生同業組合や福島県などの被災地を訪問。以来、全旅連との関係が続き、全旅連全国大会に来賓として2012年から出席するなど、親交を深めてきたことが今回の覚書締結につながった。
覚書の内容は(1)両団体が相互に協力し、両団体の会員の事業の発展と振興について、友好関係を深め意見交換を行うよう努力する(2)両団体は、両国のそれぞれにおける宿泊業の発展のため、宿泊関係者間の交流をより一層推進するよう努力する—。
3月10日、台湾・台北市のリージェントタイペイホテルで行われた締結式には、全旅連から佐藤会長、瀧多賀男副会長、佐藤勘三郎副会長、齊藤源久副会長ら11人、台湾側から徐理事長ら約40人が出席した。
全旅連の佐藤会長は「震災発生から約3週間後、当時、日本人でさえ行くことを躊躇した被災地に、(徐理事長が)身の危険も顧みずにお見舞いしてくれたこと、日本を心配してくれる気持ちに感動した。その後も当連合会の全国大会に3回にわたりご参加いただき、日本の多くの同業者と真摯に組合活動について意見交換されるなど、その行動力は尊敬に値するものだ」「本日、両宿泊業団体間で覚書を締結したことは、今後の日台観光交流のさらなる発展の一助となるものと確信している。本日の調印式を機に、人的交流を深め、互いに研鑽することにより、日台双方の宿泊業界のさらなる発展に寄与できるものと大いに期待するところだ」とあいさつ。
台湾側の徐理事長は「私は日本に7年間留学し、日本を第二の祖国のように思っているが、4年前の2011年に東日本大震災が発生し、危機的な光景をニュースで目の当たりにし、何かお手伝いできることはないかと、3月末に福島をはじめとする被災地を訪れた。その時、東京都旅館組合のご紹介で貴連合会の皆さまとお会いすることになった。それがきっかけでその後、全国大会に3年連続で参加させていただき、日本の組合の運営や活動方法を知ることができ、大いに勉強になった。今回、双方で覚書を締結したことは、台湾のこの業界にとって大いにプラスになるものと確信している」「今後、この覚書調印を機に、台日双方の研修、見学などの交流活動が増え、お互いの素晴らしいところを知ることができると思う。また、問題点、成功例などをお互いに分かち合うことで、お互いにさらに質の高いサービスを目指すことができると信じている」と述べた。