全国企業の景気DI、3カ月連続で改善 |
帝国データバンクはこのほど、全国企業対象の景気動向調査の3月分を公表した。同月の景気DI(0〜100、50が判断の分かれ目)は前月比0.7ポイント増の45.8と、3カ月連続で改善した。10の業界別では、サービス業を含めた9業界が改善。企業の設備投資意欲の改善、賃上げで「今後の国内景気は緩やかに改善すると見込まれる」と同社。51の業種別では、旅館・ホテルが同0.9ポイント減の48.6だった。
旅館・ホテルは7カ月ぶりの悪化。このほかサービス業15業種では、娯楽サービスが同3.9ポイント増の40.6と2カ月連続の改善。飲食店が同4.0ポイント増の49.2と3カ月連続の改善。
全51業種の中では34業種が改善、1業種が前月並みで、悪化は16業種にとどまった。
10の業界別では、小売が前年並みで、ほかは全て改善。悪化の業界はなかった。
このうち旅館・ホテルを含めたサービスは同1.1ポイント増の50.3と3カ月連続で改善。「景気上昇による所得増加の期待から、娯楽サービスなどを含めたサービス関連を押し上げた」(同社)。
10の地域別では、北陸を除く9地域で改善した。
このうち近畿は同1.3ポイント増の44.5と3カ月連続で改善し、10地域中最大の改善幅となった。「京都縦貫自動車道の整備や京都北部災害復旧などが事業化されたことで土木工事が好調に推移した」(同)。
北陸は同0.2ポイント減の44.4と3カ月ぶりに悪化。「3月14日に開業した北陸新幹線に関連する業界では改善がみられたものの、その効果は一部地域に集中している」(同)。大型公共投資などが低迷している建設やドライバー不足が深刻な運輸・倉庫など3業界で大幅に悪化した。
現在と先行きの景況感で、主な回答は次の通り。
「国連防災世界会議等があり、宿泊業界は堅調な動きとなった」(旅館、現在、良い)。
「グループ全体の軸である海外旅行、特に欧米の集客が芳しくないため業況は低迷」(旅行業務受託、現在、悪い)。
「現在は春休みと、香港や台湾を中心とした東南アジアの外国人観光客(宿泊の単価は低い)でにぎわっており、3月決算は黒字となる見込みだが、これが4月以降も定着するかどうか、まだ見極めがついていない」(旅館、先行き、どちらでもない)。 |
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