15年度の業績見通し、増収増益が約3割 |
帝国データバンクはこのほど、「2015年の業績見通し」に関する企業の意識調査を行った。同年度の見通しを「増収増益」とする企業は28.0%と約3割。見込みを含めた前年度実績から2.1ポイント減少するものの、「減収減益」も減少し、「前年度並み」は大幅に増加。総じて上向き傾向だ。ただ、“規模間格差”が拡大する懸念が高まっている。
調査は3月18〜31日、全国2万3336社に行い、1万845社から有効回答を得た。
2015年度(2015年4月決算〜2016年3月決算)の業績見通し(売上高、経常利益ベース)を聞いたところ、「増収増益(見込み)」が28.0%、「前年度並み(見込み)」が21.5%、「減収減益(見込み)」が18.5%だった。
このほか、「増収減益(見込み)」が6.5%、「減収増益(見込み)」が5.7%、「その他」が19.8%。
見込みを含めた2014年度実績との比較では、増収増益が2.1ポイント減少。減収減益も4.2ポイント減少した。増加したのは前年度並みの10.1ポイント増とその他の2.0ポイント増。
増収増益を見込む企業を10の業界別に見ると、金融の36.1%、サービスの33.0%、運輸.倉庫の30.5%、小売の28.8%などが平均を上回っている。
半面、農・林・水産が18.0%、建設が23.4%、卸売が26.8%と、平均を下回っている。
小売は前年度から5.6ポイント増と、最も業績の改善が進むと見られる。農・林・水産は「TPP交渉妥結後の農業分野への影響度合いが不透明」「後継者不足など課題が山積」などの声が挙がっている。
従業員数別では千人超で49.6%が増収増益を見込む。半面、5人以下では23.8%にとどまる。増収とする企業も千人超では68.1%、5人以下では38.2%と格差が見られる。「2015年度の業績は大企業を中心に回復が進むと予想され、企業業績において規模間格差の拡大が懸念される」(帝国データバンク)。 |
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