福島県はこのほど、県内で教育旅行を行う県外の学校に対し、バス経費の一部を補助する取り組みを始めた。教育旅行は東日本大震災と福島第1原発事故の影響を受け、大幅な減少が続いている。補助金施策により、震災後同県で教育旅行を行っていない学校などを誘致したい考えだ。
対象となるのは県内で教育旅行を今年度中に実施、終了する、県外の小・中・高校。震災後初めて宿泊を伴う教育旅行を行う学校については、バス1台当たり経費の2分の1、上限5万円、1学校当たり上限20万円を補助する。
教育旅行が震災後2回以上となる学校については、県が推進する教育素材を一つ以上取り入れた、県内での宿泊を伴う教育旅行を行うことを条件とした。
県が推進する教育素材は、(1)地震・津波被災地視察(2)震災語り部講話(3)防災・減災学習(4)放射線などに関する学習(5)震災復興への取り組みに関する学習(6)再生可能エネルギーに関する学習(7)震災復興ボランティア体験(8)学校交流—の八つ。補助額は、バス1台当たり経費の2分の1、上限2万5千円、1学校当たり上限10万円。
申請は旅行の実施日に関わらず先着順に受け付け、予算がなくなり次第終了する。
申請書類は観光交流課のホームページ(
http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/32031a/)からダウンロードする。
震災発生前には例年、延べ宿泊人数で約70万人、約8千校が教育旅行で訪れていたものの、震災が起こった11年度には約13万人、約2千校まで減少。その後徐々に回復しているものの、13年度の入り込みは約32万人、約4700校と震災前の半分以下の水準にとどまっている。