旅館・ホテルの売り上げDI、2期ぶりにマイナス |
日本政策金融公庫はこのほど、ホテル・旅館など生活衛生関係営業の景気動向等調査の1〜3月期分を公表した。同期のホテル・旅館業の売上DI(前年同期比で売り上げが増加した企業割合から減少した企業割合を引いた値)はマイナス12.2で、前期(昨年10〜12月期、2.4)から14.4ポイント低下し、2期ぶりにマイナス水準に転落した。生衛業全体はマイナス22.8で、同0.1ポイント上昇した。公庫では生衛業の景況を「持ち直しの動きが続いているものの、回復に弱さがみられる」とした。
調査は3月上旬、ホテル・旅館業、飲食業、理容業など生活衛生関係営業3220企業に行い、このうち3015企業から有効回答を得た。ホテル・旅館業は164企業が回答した。
生衛業全体の売上DIは3期ぶりに前期を上回った。来期はマイナス14.3と、今期から8.5ポイントの上昇を見込む。
9の業種別では、飲食業、食肉・食鳥肉販売業、氷雪販売業、美容業、映画館、公衆浴場業の6業種で前期比上昇。ホテル・旅館業、理容業、クリーニング業の3業種で同低下した。食肉・食鳥肉販売業(前期比3.6ポイント上昇の6.3)を除く全ての業種でDIがマイナス水準にとどまっている。
来期はホテル・旅館業がマイナス水準にとどまるものの、今期比10ポイント程度の上昇を見込んでいる。
ホテル・旅館業の主なコメントは次の通り。
「最近の傾向として旅行社を通さずインターネット等で情報を入手し、直接予約してくるお客さまが増加している。また、円安に伴い外国人観光客も増加してきた」(今期・好転、兵庫県)。
「仕入れ価格が上昇している半面、客単価は横ばいであり業況は悪化している。消費税分を転嫁するのが精一杯である」(今期・悪化、宮城県)。
「箱根町では外国人客の集客に力を入れており、効果が表れてきている。当館にも問い合わせが多く、とりわけ純和風旅館の人気があり売り上げ全体の1割を占めている」(来期見通し・好転、神奈川県)。
「最近、会社関係の接待客が徐々に増えてきているとの話を飲食店の店主から聞くが、旅館での接待宴会はほとんどないため業況は悪化する」(来期見通し・悪化、福岡県)。 |
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