全国企業の景気DI、4カ月ぶりに悪化 |
帝国データバンクはこのほど、全国企業対象の景気動向調査の4月分を公表した。同月の景気DI(0〜100、50が判断の分かれ目)は前月比0.5ポイント減の45.3と、4カ月ぶりに悪化した。10の業界別では建設をはじめ7業界で悪化。51の業種別では、「旅館・ホテル」が同2.8ポイント増の51.4と、2カ月ぶりに改善した。
「国内景気は上昇基調にある中で、税負担の増加や公共工事の低調が悪材料となり、一服している」と同社。ただ、「今後の国内景気は一時的な落ち込みから緩やかに改善すると見込まれる」としている。
調査は全国の2万3211社に行い、このうち1万720社から有効回答を得た。
業界別では、建設が同1.5ポイントの49.3と、4カ月ぶりに悪化。1年9カ月ぶりに50を下回った。予算執行の端境期に統一地方選も重なったことで、公共工事が低調に推移した。
製造も同0.7ポイント減の44.4と、4カ月ぶりに悪化。建設需要の減退で「建材・家具、窯業・土石製品製造」などが悪化した。
小売は同0.3ポイント減の40.2と、5カ月ぶりに悪化。新機種の発売を控えて買い控えが強まった「家電・情報機器小売」が悪化、耐久財に対する消費マインドが改善した「家具類小売」が改善するなど、悪化業種と改善業種が二極化した。
運輸・倉庫は同0.1ポイント減の44.8と、3カ月ぶりに悪化。
サービスは同0.2ポイント減の50.1と、4カ月ぶりに悪化した。サービス業の15業種では、旅館・ホテル、飲食店など11業種が改善。娯楽サービスなど4業種が悪化した。
地域別では、10地域中7地域で悪化した。改善は北海道と四国の2地域。北陸は横ばいだった。
九州は同1.0ポイント減の46.2と、5カ月ぶりに悪化し、10地域中最大の悪化幅となった。建設業が大きく悪化したほか、10業界中6業界で悪化した。
四国は同1.1ポイント増の47.7と、5カ月連続で改善した。太陽光発電の関連工事や公共工事が堅調な建設業や、大型小売店や家電販売が底堅く推移している小売業など、10業界中6業界で改善。DIが13カ月ぶりに10地域中の1位となった。
サービス業の景況感で主な回答は次の通り。
「国内の観光客、ビジネス客、東南アジアの観光客ともに増加している」(現在・良い、旅館)。
「週末に天候悪化が続き、吹雪などで通行止めになりキャンセルが相次いだ。飲食店や卸業者も売り上げが伸び悩んだもよう」(現在・悪い、旅館)。
「賃金のベースアップによりマインドが上向いており、旅行やレジャーにお金が使われると思われる」(先行き・良い、旅行)。
「若干の増収となっても、仕入れコストの増加がそれ以上のため粗利益率が低下するだろう」(先行き・悪い、西洋料理店)。 |
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