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インバウンド ■第2800号《2015年6月6日(土)発行》    
 

免税店、半年間で倍増

 免税店の全国の店舗数が半年間で9418店増え、4月1日現在で1万8779店になった。訪日外国人旅行者数の増加に加え、免税制度の改正によって申請が増加。昨年4月1日の店舗数(5777店)と比べて3倍以上に増えた。商店街による免税手続きの一括カウンター設置の事例も誕生し、外国人旅行者の消費拡大に期待が集まっている。

 国税庁の集計によると、大都市圏、地方ともに免税店が増加している。3大都市圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫)に所在する店舗は、昨年10月1日時点に比べて86.8%(5682店)増の1万2225店。その他の地方に所在する店舗は同132.6%(3736店)増の6554店となっている。

 構成比は三大都市圏が65.1%、地方が34.9%となり、依然大都市部に集中しているが、地方でも店舗数が2倍以上に増えた。特に伸び率が目立つのは、熊本国税局管内(熊本、大分、宮崎、鹿児島)で昨年10月1日時点の97店から約4.5倍に増え、431店になった。

 免税制度に関しては、これまで家電製品やバッグなどに限られていた対象品目が昨年10月に全品目に拡大された。さらに今年4月には、免税手続きの第三者委託が可能になり、個々の店舗で事務手続きを行わなくても、商店街やショッピングセンターごとに一括カウンターを設置して対応できるようになった。

 商店街として免税手続きの第三者委託制度を活用した全国初の事例が誕生した。岡山市内の商店街が百貨店に一括カウンターを委託する方式で5月28日にスタート。北海道旭川市の商店街も6月1日、百貨店内に一括カウンターをオープンさせた。

 第三者委託制度では、商店街の1店舗での買い物が免税対象額(一般物品1万円、消耗品5千円)を超えなくても、複数の店舗での買い物の合計額が要件の金額に届けば免税の対象となる。個々の店舗での販売は少額でも商店街全体で免税に対応して、外国人旅行者の消費を喚起できる可能性がある。

 岡山市内では、表町商店街、ロマンチック通り商店街にある商店20店舗の免税手続きを、商店街に加盟する百貨店、岡山天満屋で対応する。一括カウンターは、岡山天満屋のギフトサロン、食品ギフトサロンの2カ所に開設された。

 岡山天満屋では「今後ますます岡山県への外国人観光客の増加が見込まれる中、『後楽園』徒歩圏内の表町地域の免税対象店舗が増えることは、地域の魅力アップとなり、活性化につながる」と地域のにぎわい創出を期待している。

 旭川市内では、旭川平和通商店街の11店舗が免税手続きを地元の百貨店、西武旭川店に委託し、一括カウンターがオープンした。

 国土交通省北海道運輸局では、免税対応とともに、公衆無線LAN(Wi‐Fi)や外国語の案内表示の整備を進めることで、商店街の受け入れ環境が向上すると期待している。



国際会議、14年の開催件数は337件、アジアで3年連続1位
 日本政府観光局(JNTO)によると、国際機関、国際会議協会(ICCA)が集計した2014年の国際会議の開催統計(暫定値)で、日本の開催件数は337件となり、アジア太洋州・中近東地域で3年連続の1位となった。世界での順位は昨年と同じ7位だった。

 世界で14年に開催された国際会議件数は、前年比180件減の1万1505件。国際会議の開催件数は増加基調にあるが、14年の開催はリーマンショック以後の世界的な経済不況などが影響したと見られている。日本の開催件数は同5件減だった。

 日本のほか、開催件数の上位10位は、1位米国(831件)、2位ドイツ(659件)、3位スペイン(578件)、4位英国(543件)、5位フランス(533件)、6位イタリア(452件)、8位中国(332件、香港、マカオ除く)、9位オランダ(307件)、10位ブラジル(291件)。

 ICCAが集計する国際会議には、民間企業以外が主催する会議で、参加者者数が50人以上で、定期的に開催されているなどの要件がある。





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