全旅連・佐賀大会、北原新会長が所信 |
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約800人が集まった全国大会 |
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)は3日、佐賀県の佐賀市文化会館で第93回全国大会を開いた。全国の旅館・ホテル組合員約800人が参集。前日の通常総会で会長に就任した北原茂樹氏(京都市・旅館こうろ)があいさつに立ち、「働く人が誇りを持てるような業界、職場づくりに取り組む」と所信を述べた。4期8年会長を務めた佐藤信幸氏(山形県・日本の宿古窯)には感謝状が贈られた。
北原新会長は「私は京都で30室規模の旅館を経営している。歴代の会長に比べてどうかな、という思いはあったが、ある意味で皆さんとは違った視点から、この宿泊業界を見ることができるのではないかと思った。今65歳。諸先輩方のご恩を忘れずに、先輩方と若い方の橋渡し役として、この任務を全うさせていただきたい」と述べた。
北原新会長はまた、「われわれ宿泊業界には大きな二つの流れがあると思う。一つはインバウンド需要の拡大。もう一つは規制緩和による新しいビジネスモデルがわれわれを脅かしていること。フォローの風に乗るのは当然だが、アゲインストの風には、政治的に言うべきことを言いながらも、その有効性はわれわれもしっかり受け止めて、取り入れるべきところは取り入れる姿勢が必要ではないか」と述べた。
さらに「われわれは耐震問題に加え、人手不足の問題に悩んでいる。その原因の一つが労働生産性の低さ。われわれは労務管理、就業規則の見直しなど具体的な行動を起こす時期に来ているのではないか。若い人たちが旅館・ホテルで働くことを誇りに思えるようにすることが、われわれに課せられた課題だと考えている。一歩ずつ着実に取り組んでいきたい」と述べた。
大会には来賓として、所管の厚生労働省から新津幸義・生活衛生課長補佐、開催地から佐賀県の山口祥義知事、佐賀市の赤司邦昭副市長、そのほか自民党の田中和徳・組織運動本部長(衆議院議員)、観光庁の石原大・観光産業課長、台湾ホテル旅館商業同業組合全国連合会の徐銀樹会長があいさつした。
表彰式では、旅館・ホテル業、生活衛生業の発展に貢献した46氏、永年勤続50氏を表彰。「第18回人に優しい地域の宿づくり賞」も表彰した。
さらに4期8年会長を務め、前日の総会で退任した佐藤信幸氏に対し、北原新会長から感謝状が贈られた。佐藤前会長は「この日を迎えられ、うれしく、ほっとしている。4期の中でリーマンショック、政権交代、東日本大震災と、いろいろなことがあり、そのつど皆さんの支援を受けて一生懸命務めてきた。これから地元に戻り、山形県の理事長としてもう少し県のために尽くしたいと思っている。今後ともご支援をお願いしたい」と述べた。
大会宣言、決議の採択に続き、アトラクションとして全旅連青年部が今年2月に開催した「第2回旅館甲子園」の模様を再現。来年の大会開催地、東京都のホテル旅館組合のメンバーが登壇し、客席に向けて来年の再会を呼び掛けた。
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エクスペディア、日本市場でポイント付与 |
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世界最大の旅行サイト「エクスペディア」の日本語サイトを運営するエクスペディア・ジャパンは2日、ポイント付与などを含むロイヤリティプログラム「Expedia+(エクスペディアプラス)」を日本市場で始めた。楽天トラベルで「楽天スーパーポイント」、ヤフートラベルで「Tポイント」が貯まるなど、国内の大手旅行予約サイト間では、ポイント還元による顧客の囲い込み競争が激化しており、追随した格好だ。
エクスペディアプラスは「ポイントプログラム」と「ステータスプログラム」の二本立て。ポイントプログラムでは、エクスペディアのサイトやアプリなどから旅行予約をしたユーザーに次の旅行予約に使えるポイントを付与する。ステータスプログラムでは、ユーザーの年間宿泊数や利用金額に応じて「ブルー」「シルバー」「ゴールド」のステータス(会員ランク)を設定。ステータスごとにさまざまな特典を提供する。
ポイントプログラムの実質還元率(ポイント付与率)は、ブルーが約1.1%、シルバーが約1.2%、ゴールドが約1.4%となる。
ステータスプログラムでは、特典の一つとして「+VIP Access提携ホテル特典」を設定。提携ホテルで、朝食やワイン、スパなどが無料になったり、客室がアップグレードされたりとVIP待遇を受けられるようにした。国内の提携ホテルは、帝国ホテル、ホテルオークラ東京、ザ・ペニンシュラ東京、ザ・プリンスパークタワー東京、セルリアンタワー東急ホテル、ザ・キャピトルホテル東急、渋谷エクセルホテル東急の7ホテルで、今後順次増やす。提携ホテルは現在、世界で約1500軒あり、「年内に1900軒まで拡大する計画」(エクスペディア・ジャパンの木村奈津子マーケティングディレクター=写真)。
エクスペディアがこれまで、エクスペディアプラスを導入した国は、米国、カナダ、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、オーストラリアの6カ国で日本は7カ国目。近々に香港、シンガポールなどで始め、年内にはエクスペディアが事業展開する31カ国中28カ国で開始する。 |
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JR旅連が総会、新会長に渡邉氏 |
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渡邉新会長(中央、左は磯田前会長) |
JRグループ協定旅館ホテル連盟は5日、東京のホテルメトロポリタンで総会を開き、任期満了に伴う役員改選で新会長に渡邉宗男氏(静岡県熱海市湯河原温泉・川堰苑いすゞホテル)を選出した。2005年度から10年間会長を務めた磯田光治氏(宮城県・ホテル松島大観荘)は名誉会長に就任した。
渡邉新会長は「JRとともに地域の観光開発に取り組む」と所信表明。磯田前会長は「自分自身の勉強にもなった10年間だった。今日まで導いていただいた皆さまに厚く御礼申し上げたい」とあいさつした。
JR6社の担当者は、それぞれの会社の取り組みを説明。北陸新幹線の開業を契機とした沿線観光地への誘客施策や、デスティネーションキャンペーン(DC)の取り組みなどが述べられた。
今年度事業計画は、JR各社と連携した各地域の観光素材の発掘、情報発信など。JRのDCを中心に、鉄道と宿の一体的なPRを展開、宿泊券の一層の拡販に努める。
新役員陣容は次の通り(敬称略)。
会長=渡邉宗男(静岡県・川堰苑いすゞホテル)▽副会長=松橋博(北海道・旅館一乃松)、萩原国彦(JR北海道鉄道事業本部営業部長)、赤石良治(JR東日本執行役員鉄道事業本部営業部長)、吉川勝也(三重県・サン浦島悠季の里)、厚地純夫(JR東海常務執行役員営業本部長)、田岡茂(兵庫県・三國屋)、堀坂昭弘(JR西日本取締役兼常務執行役員営業本部長)、住友武秀(徳島県・徳島グランドホテル偕楽園)、四之宮和幸(JR四国鉄道事業本部営業部長)、小林喜平太(長崎県・稲佐山観光ホテル)、後藤靖子(JR九州旅行事業本部長) |
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